長島 潤 Sing a mindscape

jun nagashima singer-songwriter

デイヴィッド・ガーネット「動物園に入った男」

2021-09-27 08:41:00 | 

再読のための覚え書き


動物園に入った男

デイヴィッド・ガーネット(1892-1981


恋人のジョンと口論して、ジョゼフィーンは言い放った。

「あなたは類人猿のターザンだわ。動物園に閉じ込められるのが相応しいのよ」


憤ったジョンは言葉を返した。

「じゃあ、そうしよう。ありがとう」


そうしてジョンは、自ら動物園の檻に入り、「人類の標本」として見世物となるのだった。



2021.9.26読了


動物園に入った男

新潮文庫

昭和34415日初版発行

昭和403208



# #読書 #文学 #文庫 #ガーネット #動物園に入った男






夏目漱石「門」

2021-09-26 12:09:00 | 

再読のための覚え書き


夏目漱石(1867-1916


前期三部作その3


略奪愛の結果、夫婦となった宗助と御米。崖の下の小さな借家で二人ひっそりと暮らしているが、宗助は、募る罪悪感から禅寺の門をくぐる。


・・・・・・・・・・・・


春の兆しを感じるとともに、その先の冬を憂う、宗助と御米の人生。しかしそれは、この二人に限ったことではなく、誰の人生にも波風は立つもの。それでも生きていかなければならない。そっと肩を押されるような作品。


さて、漱石の後期三部作は、「彼岸過迄」、「行人」、「こころ」。しばらくしたら読んでみよう。



2021.9.25読了


岩波文庫

昭和13720日初版発行

昭和44102032


# #読書 #文学 #文庫 #夏目漱石 #






夏目漱石「それから」

2021-09-25 11:05:00 | 

再読のための覚え書き


それから

夏目漱石(1867-1916


前期三部作その2


働かずに親の脛をかじって暮らしている代助。かつて代助と想い合った仲である三千代は、代助の友人平岡の妻になっていた。


やがて、その不幸せな夫婦生活を知った代助は、三千代と生きることを決心する。


青春を描いた「三四郎」とは打って変わって、本作品は略奪愛がテーマとなる。しかし、浪漫である。


前期三部作その3「門」へと続く。



2021.9.24読了


それから

岩波文庫

昭和13615日初版発行

昭和4582037


# #読書 #文学 #文庫 #夏目漱石 #それから






夏目漱石「三四郎」

2021-09-23 13:38:00 | 

再読のための覚え書き


三四郎

夏目漱石(1867-1916


前期三部作その1


九州の高校を卒業して上京し、東京の大学に入学した三四郎。純朴で不器用で、都会に圧倒されながらもやがて染まってゆく。


三四郎が恋心を抱く美禰子は、新しい時代の女。翻弄される三四郎。そこに、新時代(美禰子)と旧時代(三四郎)との齟齬を表現しているのかもしれない。


前期三部作その2「それから」へと続く。



2021.9.21読了


三四郎

岩波文庫

1938515日初版発行

198692257


# #読書 #文学 #文庫 #夏目漱石 #三四郎






横光利一「寝園」

2021-09-21 10:25:00 | 

再読のための覚え書き


寝園

横光利一(1898-1947


仁羽夫妻は、狩猟の会の猪狩りに参加する。突如、夫に向かって猪が突進。妻の奈奈江は、猪を撃つつもりで夫を撃ってしまう。


誤って撃ってしまったのか。あるいは、撃つ瞬間、奈奈江の脳裏には心に秘めた男の顔があったのではないか。


勘繰り、嫉妬、焦燥、諦めなど、負の心が交差する心理劇。



2021.9.20読了


寝園

新潮文庫

昭和3145日初版発行

昭和4512012

旧仮名遣い



# #読書 #文学 #文庫 #横光利一 #寝園