再読のための覚え書き
或る少女の死まで
室生犀星(1889-1962)
「幼年時代」「性に目覚める頃」「或る少女の死まで」の三連作から成る、室生犀星の自伝的小説。
私生児として生まれ、親の顔も知らずにすぐに養子に出された経験が、犀星を文学の道に進ませたのだという。
犀星の孤独と悲哀は、人の心の美しさに涙する感性を育てたようだ。
「一人の喜びは決して一人のみに限られたものではない。それは、みんな人間が知覚しないあいだに、人間と人間とが静かに分け与えられているものにちがいない。心や神経の外に、別な、人間同志さえ知ることのできない微妙な霊的なるものが、ひそかに囁き合っているのにちがいない。」
2022.3.30読了
或る少女の死まで
岩波文庫
1952年1月25日初版発行
1980年7月20日34刷
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