長島 潤 Sing a mindscape

jun nagashima singer-songwriter

グリーン「権力と栄光」

2024-10-15 19:05:00 | 

再読のための覚え書き


権力と栄光

グレアム・グリーン(1904-1991)

本多顕彰訳


共産革命の最中のメキシコでは、政府がカトリック教会を弾圧していた。


神父たちは改宗を迫られ、拒む者は殺されていった。


主人公は「ウィスキー神父」とあだ名され、私生児までいる堕落した神父だが、警察に追われながらも、逃亡する先々で村人たちから求められてミサを行い、告解を聴く。


業を煮やした警察は、村人たちを人質に取って神父を誘き出そうとするのだが……。



2024.7.30読了


権力と栄光

新潮文庫

昭和34年3月20日初版発行

昭和40年8月5日7刷


#本 #読書 #文学  #文庫 #グレアム・グリーン #権力と栄光






高見順「胸より胸に」

2024-10-15 19:04:00 | 

胸より胸に

高見順(1907-1965)


四十を過ぎた日下は、大学ボート部の後輩の波多野と、浅草レビューの踊り子宮島志津子の恋愛の実を結ばせたいと願っている。


日下はかつて、自分もまた踊り子と恋愛しながらも、出世欲に駆られ、その踊り子を捨てたことがあった。


若い男女への応援も、自身のそんな苦い過去があってのことだったが、日下は志津子と知り合って以来、自分の気持ちの変化を感じていた……。



2024.7.6読了


胸より胸に

角川文庫

昭和30年4月20日初版発行

旧仮名遣い


#本 #読書 #文学  #文庫 #高見順 #胸より胸に






高見順「如何なる星の下に」

2024-10-15 19:01:00 | 

如何なる星の下に

高見順(1907-1965)


小説家の「私」は、仕事場として浅草にアパートを借り、浅草の風物に魅了されていく。


周囲の芸人や浅草レビューの踊り子たちに馴染み、踊り子の少女の一人に惚れた「私」だが、地元の彼らからすれば異邦人であることを知らされる……。



2024.6.30読了


如何なる星の下に

新潮文庫

昭和23年7月31日初版発行

昭和44年2月25日23刷

旧仮名遣い


#本 #読書 #文学  #文庫 #高見順 #如何なる星の下に






高見順「故旧忘れ得べき」

2024-10-15 18:58:00 | 

故旧忘れ得べき

高見順(1907-1965)


身分の違う旧制高校の同窓生二人を主人公として、左翼運動からの転向、そしてその後の退廃的な生活を描く。


ストーリーらしきものは無いものの、ほとんど改行のない「饒舌体」と言われる文章が、読み手を引き込んでゆく。



2024.6.18読了


故旧忘れ得べき

新潮文庫

昭和26年12月25日初版発行

昭和40年11月5日9刷

旧仮名遣い


#本 #読書 #文学  #文庫 #高見順 #故旧忘れ得べき






高見順「朝の波紋」

2024-10-15 18:56:00 | 

朝の波紋

高見順(1907-1965)


小さな貿易会社で社長秘書を務める滝本篤子の家では、戦災未亡人の息子、健一を預かっている。


健一が「イノさん」と慕う近所の伊能田二平太は、大手の貿易会社の社員だった。


篤子は、馴染みのバイヤーのブラッドフォード氏からクリスマス商品の大口の取引を任されるが、それは元々、伊能田が日時を間違えて失った取引だった。


篤子は意気揚々と取引を進めるが、一度は引き受けた商品の製造元がなぜか断ってきた。伊能田の貿易会社から圧力が加わったのだ……。


戦争直後の貧しさを背景に、それぞれが自分の生き方を探る恋愛コメディー。



2024.6.8読了


朝の波紋

角川文庫

昭和31年2月10日初版発行

昭和34年1月20日6刷


#本 #読書 #文学  #文庫 #高見順 #朝の波紋