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(添付画像は、掲題学会報告書内から転載したグラフです)
日本脊椎脊髄病学会が2001年1月1日から同年12月31日までの一年間に全国で実施
された脊椎手術の実態調査を行い、それを「脊椎手術合併症の実態」というタイトル
で報告書にまとめたものを入手しました。
これから何回かにわけて、その内容を皆さんにご紹介したいと思います。
調査方法 : アンケート調査
対象 : 全国736施設に予備調査を行い協力回答の得られた313施設より集計
手術件数 : 上記313施設において 2001年中に行われた手術は 16516例
分析件数 : 16516例のうちデータ不備359例を除外した 16157例を分析した
合併症発生率:16157例中の1383例 (8.6%)に発生していた
今回は添付したグラフ(図1 年齢分布)をベースに私august03としての私見を
述べさせていただきます。
この報告書のタイトルにありますように、この調査は脊椎手術における「合併症」
を調査分析したものであるわけですが、この報告書内に登場する「発生率8.6%」等
の数値は、このグラフにる全ての年齢層を合算したものである。ということを
皆さんはまず第一に記憶しておいてください。と、いいますのは、この報告書では
様々な切り口からの分析が行われているのですが、皆さんがもっとも関心のある
であろう、こども達の手術での合併症はどれだけの発生率なのか? という切り口
での分析数値はでてこないからです。
グラフの年齢分布によれば
0才~9才 59例
10才~19才 549例
となっており、皆さんのこども達が仮に手術をすることになつた場合、
過去のデータではありますが、この数値がひとつの参考値になるわけです。
このデータからは 10才~19才 549例 が思春期特発性側弯症に対する手術で
あるかどうかまでは読み取れません。しかし、おそらくこの数値がその手術数に
近似したものであろう、という類推はできると思います。
いまこの時点で、全国でどれくらいのこども達が思春期特発性側弯症の治療の為に
装具療法を行っているか、その実態を明らかにする「数値」は存在しません。
おそらくこれくらいではないか、という類推するために参考となる数値は幾つか
ありますが、いずれにしても推測の域をでません。
その意味では、お母さんがたがお子さんを病院の側わん症外来に訪れたときの
こども達の人数から、全国にはどれくらいの患者がいるのだろう、と想像したとき
の数値と、大きな違いはないかもしれません。
少なくとも、全国には数千人~1万人のこの間に入るだけのこども達が装具療法を
していると私には想像されます。
仮に5000人とすれば、そのうちで手術が必要となるのは、約10%ということです。
1万人とすれば、5%です。10人にひとり、あるいは20人にひとりが手術を要する
までに進行する確率がある。ということです。
きちんとした病院にいき、基本的に一日23時間の装具療法を2年~5年間続ける
ならば、10人中の9人、あるいは20人中の19人は、手術をせずに終了する。
というように読み説くことができるわけです。
(備考 : 上記はあくまでも5000人、1万人という推測値をもとにした確率です。
このブログ内でも紹介している別の文献値をもとにすれば、装具療法から手術を
必要とするまでに進行する確率は約20%、5人にひとり。という確率になります)
ここでは手術における合併症に目を向けたいと思うのですが、全ての年齢層の
総合である 16157例のうち1383例 (8.6%)に合併症が発生していた、ということは
グラフから読み取れることは、合併症の大半は、年齢層の高い中高年~老齢の
患者さんの手術で発生している。ということが言えることになります。
私は前回の「医療の限界」の記事のなかで、医療から不確実性は排除できない
ということを述べました。
つまり、 0才~9才 59例
10才~19才 549例
この手術例のなかに、合併症はゼロではないということです。
と、同時に、その発生率は、8.6% でもなく、さらにかなり小さい確率では
合併症もありえる。
ということが言えるわけです。
ネットが広く使われるようになってから過去20年前後の年月のなかで、側ワン整体
が患者のフリをして、あるいは、いまだに測湾整体自身が、側弯症の手術は怖い、
側弯症の手術をして下半身不随になった患者を知っている、手術なんてすべきでは
ない、手術などしなても整体で測わんは治る、というようなことを頻繁にネットに
氾濫させてきたために、いまだに間違ったイメージが定着しているといえます。
もちろん、側弯症の手術は、いわゆる大手術の範疇ですから、どこの病院で手術
してもらうか、という選択は絶対的に大切な要素であることには違いはありません
しかし、側弯症手術は危険だからしないほうがいい。という言説は、側ワン整体の
測ワン整体たる体質を如実に現した喧伝にすぎない。ということは理解していただ
けると思います。
(次回に続く)
日本脊椎脊髄病学会が2001年1月1日から同年12月31日までの一年間に全国で実施
された脊椎手術の実態調査を行い、それを「脊椎手術合併症の実態」というタイトル
で報告書にまとめたものを入手しました。
これから何回かにわけて、その内容を皆さんにご紹介したいと思います。
調査方法 : アンケート調査
対象 : 全国736施設に予備調査を行い協力回答の得られた313施設より集計
手術件数 : 上記313施設において 2001年中に行われた手術は 16516例
分析件数 : 16516例のうちデータ不備359例を除外した 16157例を分析した
合併症発生率:16157例中の1383例 (8.6%)に発生していた
今回は添付したグラフ(図1 年齢分布)をベースに私august03としての私見を
述べさせていただきます。
この報告書のタイトルにありますように、この調査は脊椎手術における「合併症」
を調査分析したものであるわけですが、この報告書内に登場する「発生率8.6%」等
の数値は、このグラフにる全ての年齢層を合算したものである。ということを
皆さんはまず第一に記憶しておいてください。と、いいますのは、この報告書では
様々な切り口からの分析が行われているのですが、皆さんがもっとも関心のある
であろう、こども達の手術での合併症はどれだけの発生率なのか? という切り口
での分析数値はでてこないからです。
グラフの年齢分布によれば
0才~9才 59例
10才~19才 549例
となっており、皆さんのこども達が仮に手術をすることになつた場合、
過去のデータではありますが、この数値がひとつの参考値になるわけです。
このデータからは 10才~19才 549例 が思春期特発性側弯症に対する手術で
あるかどうかまでは読み取れません。しかし、おそらくこの数値がその手術数に
近似したものであろう、という類推はできると思います。
いまこの時点で、全国でどれくらいのこども達が思春期特発性側弯症の治療の為に
装具療法を行っているか、その実態を明らかにする「数値」は存在しません。
おそらくこれくらいではないか、という類推するために参考となる数値は幾つか
ありますが、いずれにしても推測の域をでません。
その意味では、お母さんがたがお子さんを病院の側わん症外来に訪れたときの
こども達の人数から、全国にはどれくらいの患者がいるのだろう、と想像したとき
の数値と、大きな違いはないかもしれません。
少なくとも、全国には数千人~1万人のこの間に入るだけのこども達が装具療法を
していると私には想像されます。
仮に5000人とすれば、そのうちで手術が必要となるのは、約10%ということです。
1万人とすれば、5%です。10人にひとり、あるいは20人にひとりが手術を要する
までに進行する確率がある。ということです。
きちんとした病院にいき、基本的に一日23時間の装具療法を2年~5年間続ける
ならば、10人中の9人、あるいは20人中の19人は、手術をせずに終了する。
というように読み説くことができるわけです。
(備考 : 上記はあくまでも5000人、1万人という推測値をもとにした確率です。
このブログ内でも紹介している別の文献値をもとにすれば、装具療法から手術を
必要とするまでに進行する確率は約20%、5人にひとり。という確率になります)
ここでは手術における合併症に目を向けたいと思うのですが、全ての年齢層の
総合である 16157例のうち1383例 (8.6%)に合併症が発生していた、ということは
グラフから読み取れることは、合併症の大半は、年齢層の高い中高年~老齢の
患者さんの手術で発生している。ということが言えることになります。
私は前回の「医療の限界」の記事のなかで、医療から不確実性は排除できない
ということを述べました。
つまり、 0才~9才 59例
10才~19才 549例
この手術例のなかに、合併症はゼロではないということです。
と、同時に、その発生率は、8.6% でもなく、さらにかなり小さい確率では
合併症もありえる。
ということが言えるわけです。
ネットが広く使われるようになってから過去20年前後の年月のなかで、側ワン整体
が患者のフリをして、あるいは、いまだに測湾整体自身が、側弯症の手術は怖い、
側弯症の手術をして下半身不随になった患者を知っている、手術なんてすべきでは
ない、手術などしなても整体で測わんは治る、というようなことを頻繁にネットに
氾濫させてきたために、いまだに間違ったイメージが定着しているといえます。
もちろん、側弯症の手術は、いわゆる大手術の範疇ですから、どこの病院で手術
してもらうか、という選択は絶対的に大切な要素であることには違いはありません
しかし、側弯症手術は危険だからしないほうがいい。という言説は、側ワン整体の
測ワン整体たる体質を如実に現した喧伝にすぎない。ということは理解していただ
けると思います。
(次回に続く)