6/7(水) 20:51配信
<キャサリン妃一家とコッカー・スパニエル、カミラ王妃と犬の刺繍、故エリザベス女王とコーギー。イギリス王室と犬の絆について>

POOL New-REUTERS
キャサリン妃の弟のジェームズ・ミドルトンさんが自身の心の病気、そして甥と姪について珍しく語ったことが話題となった。
【写真】キャサリン妃の弟ジェームズ・ミドルトンさん
ジェームズさんはキャサリン妃とウィリアム王子(当時)の結婚式で朗読をして注目を集めて以来、メンタルヘルスへの意識を高める活動を行っている。そして今回、自身のうつ病の経験や家族、そして犬たちから支えられたことを語った。 ジェームズさんは自身のうつ病を「心の癌」と表現し、今でもそのことについて話すことに困難を感じているとも述べている。
慈善団体「ペット・アズ・セラピー(Pets as Therapy)」のアンバサダーを務めるジェームズさんは次のように語った。 「回復期とリハビリ期において、犬が果たした役割は大きなものでした。特に愛犬エラは、私が朝起きる理由にもなっていました。たとえ雨が降っていても、服を着て散歩に行かなくてはならないからです」
現在、エラの子孫にあたるコッカースパニエルを飼っており、生まれた子犬は家族や親しい友人に引き取られているという。そのうちの2匹はケンジントン宮殿で暮らしている。
キャサリン妃とウィリアム皇太子の最初の飼い犬は、ジェームズさんから結婚時に贈られた黒いコッカー・スパニエルの「ルポ」だった。 ルポは2020年に亡くなるまでジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子の3人の子供たち一緒に暮らし、写真もたびたび公表されてきた。
そして2021年には、「オーラ」という名の2匹目の子犬を贈られている。 ジェームズさんは犬と甥と姪について、次のように語っている。
「犬との生活を楽しみ、その恩恵を受けられることを本当に嬉しく思います。彼らが犬を飼うことができたことは幸運だと思います」
イギリス王室メンバーが動物好きであることは有名だ。カミラ王妃は戴冠式のドレスに大好きなジャック・ラッセル・テリアを刺繍したほどの犬好きだ。また、チャールズ国王の妹のアン王女は馬術のオリンピック選手であり、馬好きで有名。
しかし、過去1世紀で最も有名な王室のペットは、故エリザベス2世女王が生涯を通じて愛したコーギーであろう。エリザベス女王は18歳から96歳で亡くなる2022年までコーギーを飼い続けていた。
1933年、「スーザン」と名付けた子犬を贈られた女王は、生涯を通じてスーザンとその子孫を30匹以上も飼っていた。2010年代に入って女王自身が高齢になると犬の世話が難しくなるため、新しく飼うことはないと考えられていた。
しかし、新型コロナウイルス禍の2021年、次男のアンドルー王子が長老犬「キャンディ」と母のお供として新たに「ミック」と「サンディ」の2匹の子犬を女王に贈ったのだった。 キャンディは2022年7月に18歳で亡くなり、女王はとても悲しんだという。
健康状態が思わしくなく、スコットランドのバルモラル城を離れられず、ウィンザー城でのキャンディの埋葬に参列することができなかったことが伝えられている。 キャンディのあとを追うようにエリザベス女王はその2カ月後に逝去。
ミックとサンディは女王の葬儀当日、聖ジョージ礼拝堂に向かう行列をウィンザー城の外から見守った。 ミックとサンディは現在、アンドリュー王子とその元妻セーラ・ファーガソンが引き取り、ウィンザー・グレート・パークのロイヤル・ロッジでともに暮らしている。
ジェームズ・クロフォード=スミス
最終更新:6/7(水) 21:29ニューズウィーク日本版
『デイリー・ミラー』紙などを発刊する親会社を相手に取り、裁判中のヘンリー王子。審問2日目を終えた王子は裁判の終盤、感情が込み上げ、言葉が詰まったと報じられた。
By Emily Burack 2023/06/08

Neil MockfordGetty Images
電話の盗聴などの被害に遭ったとして、『デイリー・ミラー』紙などを発刊するミラー・グループ・ニュースペーパーズ(MGN)を訴えているヘンリー王子。ロンドンの裁判所で審問2日目を終えた王子は裁判の終盤、感情的になり「証言台で言葉に詰まったように見えた」と法廷内の様子を『BBC』が報じた。
「デヴィッド・シャーボーン弁護士が数分前にヘンリー王子に対する質問を終えたが、王子は少し言葉に詰まったように見えた。自身の弁護士であるシャーボーンに、この2日間証言台に立った感想を聞かれると、王子はひと呼吸置いてから、『大変でした』と返答した」
同じく、『New York Times』も法廷内から、王子は「囁くように『大変でした』とシャーボーン弁護士に返答した」と報じた。
ヘンリー王子はこの日の裁判で、次のように証言した。
「生まれてからずっと、タブロイド紙は私を誤解し、自分たちの不正行為を隠してきました」
この発言のあと、シャーボーン弁護士は、MGNが違法に入手した情報を基に書かれたとされる147本の記事を法廷に提出した。その大部分は1991年〜2011年に書かれたものであることから、MGNは裁判を起こすには遅すぎると主張している。
ヘンリー王子は陳述書で次のように訴えた。
「10代や20代前半の頃、私はメディアが書く見出しやステレオタイプな見方に媚びへつらっているような気持ちになりました。
メディアは、私にまつわる馬鹿げた記事を書いて、人々はその内容を信じました。どうせメディア側が世間に信じ込ませるのなら、私はメディアが書くその“罪”を実際に犯してしまおう、と思ってしまいました。
その考え方は悪循環で、タブロイド紙は常に、この“傷ついた”若者である私をうまく操作して愚かなことをやらせ、それを記事にして新聞を売った。振り返ってみれば、そのような彼らの振る舞いは非常に卑劣です」
審問はあと数週間続き、判事が裁定を下すのは早くても2023年6月末になると思われる。
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Translation: Mitsuko Kanno from Town &Country.com