鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

「プロレタリアの少年少女たちへ」

2009-05-18 21:23:31 | 日記
土曜日に埼玉県の熊谷から上長瀞まで40kmを歩くという某高校の年中行事に参加してまいりました。東ドイツ軍国境警備隊中尉の制服で。
ええ、もう汗だくで倒れるかと思いましたよ。ウールだから全然風を通さないし。
曇りだから良かったようなもののあれで晴れだったら間違いなく今頃は病院のベッドの上ですな。

さて、そんな強行軍の翌日に同好の士たるN参謀殿とM氏と共に高崎の古書店&骨董屋巡りと洒落込みました。洒落込むなんて言うほど大層なものでもないですが、鮎川の地元には骨董屋だのといった気の利いた店は無いのでこういう機会は有難いものなのです。

詳しい話を書くと色々と危うい点(何)もありますので掻い摘んで行程のみを書きますと、高崎駅で参謀殿、M氏と合流後にレンタサイクルで「みやま書店」ともう一軒の古書店を漁った後M氏宅へ。M氏ご自慢の蒐集品を拝見―特にどれとは言いませんが…どこから手に入れたんですか、あんな物(汗)―した後、昼食をとって国道17号沿い近くの骨董会館へ。その後また一軒の古書店に立ち寄って駅で解散、という一日でした。

色々と面白いものが手に入りましたが、以下その一覧。

①雑誌「歴史写真」昭和十一年三月号
②同六月号 特集・エチオピヤの敗亡
③スペインに武器を 人民戦線とフランスの《革命》/ジャン・プラデル著
④復刻版・新京案内/編輯兼発行人 永見文太郎
⑤日本を知れ/蘇峰 徳富猪一郎著
⑥現代思想戦史論/野村重臣著
⑦雑誌「丸」平成元年八月号
⑧スターリン 家族の肖像/福田ますみ著
⑨軍用カメラ大図鑑 Vol.2 ドイツ軍用カメラ編/中山蛙+野田忠司+今井今朝春著
⑩赤い旗/槙本楠郎著
⑪軍猪口「支那事変凱旋記念」日章旗と五色旗

…えらく本に偏った購入内容ですが、気にしたら負けです。
で、この中でも特にぶっ飛んだ内容で気に入ったのが10番の「赤い旗」。
タイトルからしてアレですが、裏表紙には駄目押しの如く赤旗に鎌と鎚のマーク。
で、中表紙には…ん? 「プロレタリア童謡集」?
そうです。なんとこの本は何を思ったか少年少女たちに共産主義思想を植え付けるために著された「プロレタリア童謡集」なのです!
特に前書きの一部を引いて見ましょう。


プロレタリアの少年少女たちへ

貧しい子供たちよ。
おぢさんは、みんなが大へん可愛い。この本は君たちに読んでもらひ、歌つてもらうために書いたのだ。金持の子供なんか読まなくたつていい。
おぢさんは君たちのお父さんやお母さんと同じやうに貧乏だ。
(中略)
ではみんなよ、早く大きくなつて、君たちも勇敢なプロレタリアの闘士となつて、君たちや君たちのお父さんお母さんを苦しめてゐる奴らを叩きのめしてくれ!


いやあ、中身全部すっ飛ばした最初と最後だけでこれですよ。いい味出してますね。まずもってこんな見るからにイデオロギイ丸だしな本を「貧しい子供たち」が買ったのかどうか疑問ですが、そもそもこの本自体が出版直後に発禁処分を食らってますので(昭和五年。ちなみに鮎川が買ったのは後の昭和五十三年にほるぷ出版から復刻出版されたものです)実際どうだったかは知る由もありません。
で、やっぱり中身の詩も凄い。


一寸法師

足袋の穴から
指が出た

一寸法師の
よごれ顔

へへのの・も・への・と
書いてやれ


これなんぞはユーモアがあって面白いですが、こんなのも。


とるとるづくし(第二連)

とるとるづくしではじめましょ
地主はいばつて年貢米とる
金持ァ遊んでて利子をとる
あつても無くても税はとる
ブルジヨア・にぎり拳
今においらが、あれをとる
  ええ、あれをとる!


プロレタリア丸出しです。さすがにこんな歌を好んで歌う子供もいないのでは…。
極めつけはこちら。


おんまコッコ

おんまコッコ
ハイドード
おんまはマルクス
エンゲルス
リイプクネヒトも
四つん這ひ
乗りては赤毛の
チビのジヤン
(後連略)


マルクスとエンゲルスとリープクネヒトが馬の名前に!(笑)
下手をしたら逆に蔑んでるようにも見えてしまいますが。
とても我々には真似の出来ない芸当でしょう。
で、この本には付録として「プロレタリア童謡の活用に関する覚書」が収録されているんですが、その中にこんな一節が。


即ち一句のスローガンを眞に児童の心に植えつける為には、我々は幾十幾百の童謡を作り、それを読ませ、歌はせ、聞かせなければならぬかわからないのである。


人はそれを洗脳というんですよ、楠本さん!
しかも本人としては洗脳という感覚がまったく無いらしいのがさらに恐ろしいところです。
ちなみにこの本、行った三つの古書店のうち二つで見つけたので結構出回っているらしいです。興味の出た方は探してみるのもまた一興でしょう。

ソ連軍制服が届きましたよ。

2009-05-15 01:45:05 | 軍事
と言う訳でタイトルのように本日(時間的には昨日ですが)ソ連軍制服ともうひとつ別個に落札した輸入物ビデオが届きました。
と言う訳で、紹介と解説をば。



ヤフオクに出品された方の話によるとモスクワで購入されたとのこと。
肩章はWWⅡ時に改定された地味な野戦型と同型になっています。
制服にも用いるようになったのは確か1969年辺りからなので、それ以降に作られたか着用されたということになるでしょうか。
資料が見つからないので今のところ言えるのは階級が佐官らしいと言うことだけです。
兵科色のラインは赤なので陸軍だと言うことが分かります。



記章部の拡大写真。
左下のバッジはソ連軍親衛隊員章(グバルディア)。
いわゆる親衛部隊の隊員章で、ある意味エリートの証でもあります。
襟章の色は赤紫ですが、これが何科をあらわすのかがいまいち不詳。



略綬に関してはまとまった資料があまり無いため確証が持てないのですが、表にまとめるとこうなります。

レーニン生誕100年記念メダル 大祖国戦勝30周年記念メダル 大祖国戦勝20周年記念メダル
大祖国戦争労働献身記章    ソ連軍40年記念章        武装勢力設立50周年章
勤続10年章            勤続15年章            勤続20年章

このうち一番古いのが大祖国戦争労働献身記章で、1941-1945の対独戦で勇敢な働きにより勝利に寄与した兵士・民間人に与えられたものです。つまりこの軍服の持ち主は少なくとも大祖国戦争を経験した設定になるわけです。設定とか言うとアレですが。
いやー、ソ連軍装関係の資料って意外と少ないもんですな。
今回の記事に関して何か補足・訂正など御座いましたら是非にお知らせください。




で、話変わってこれが別個に落札した輸入ビデオです。タイトルは「The Occult history of The Third Reich」。
要するにトゥーレ協会だの聖杯だの祖国遺産協会だの聖槍十三騎士団((C)Dies Irae/light)だのといったナチス関連のオカルト話の集大成…らしいです。
らしいです、というのはつまり全編通して字幕も無しの完全リスニング英語なので内容が極めて把握しづらいからです。まあ映像を見てるだけでも十二分に楽しいんですが。

ねんがんの それんぐんぷく を てにいれたぞ!

2009-05-10 16:54:03 | 軍事
前回東ドイツのものを云々と言っておきながらソ連軍服ですか!
節操無いですね鮎川さん!

いや、ヤフオクで検索中に偶然見つけましてね。
上衣1000円、下衣700円位だったのでこれ幸いと入札できるギリギリの金額(有料会員では無いので4999円が入札の上限なんです)で入札しておいたところ、無事に上衣2300円、下衣2200円で落札できました。
まだ送料含めた振り込み金額も分からん状態ですが、今から届くのが楽しみでなりません。

ところで今日は私の祖父の一周忌だったんですが、ちょっと思ったこと。
法事やらの後で参列者一同で会食(精進落としとか)をするときの料理って必ずといっていいほどご飯の量が不十分なんですよね。
特に今回なんか魚の照り焼きやら帆立のマヨネーズ和え焼きやらやけにご飯に会いそうなものばかり出て来たのに、肝心のご飯が来たのがそれらを全部食べ終わった後なんですもの。しかもなにやら妙にむにゅむにゅとした生暖かい寿司。
孤独のグルメじゃありませんが一種の拷問かと思いましたよ。ええ。

だす・どりってらいひ。

2009-05-06 00:06:29 | 日記
アルファベット表記だとDas Dritte Reich。
英語だとThe Third Reich。つまりドイツ第三帝国。
お前はいきなり何を言っているんだ。

のっけから訳の分からないことを書いてしまってすいません。
このブログの主、鮎川玲治と申します。以降よしなに。
しょっぱなの書き込みからお分かりのように歴史好きの軍事好きです。
おまけに漫画アニメゲームなどのサブカルチャーから各地の神社仏閣巡り、果ては古銭切手の収集にいたるまで根っからの趣味人でもあります。
で、このブログはそんな私のまとまりのない趣味に関してとりあえずまとめていくところとして解説したようなわけでして。話題があっちゃこっちゃへよく飛びますがその辺は勘弁してやってください。
今のところ最重要の課題は5月16日の某イベントまでに着用予定の東ドイツ軍装備一式で不足しているものを入手する事ですな。

おお、そういえば第三帝国も東ドイツも略称がDDRだ。新たなる発見。