鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

バーチャルYouTuberのすゝめ(自分がなる方の意味で)・その2「3Dモデルが動く動画を作ろう」

2020-09-08 21:34:04 | その他サブカルチャー
前回に引き続き、バーチャルYouTuber(VTuber)になる、つまりVTuberとしてのコンテンツをどう制作していくかというお話です。
その1では「名乗ってしまったもの勝ち」の精神で紙芝居動画でのVTuberデビューについてお話をさせていただきましたが、あれはあれで低スペックのPCでコンテンツが作成できるというメリットはあるものの(なにしろどっからどう見ても低スペックであるドン・キホーテの「ジブン専用PC&タブレットU1」でも紙芝居動画なら作れるのです)、それ単独で我はVTuber、と名乗るのが気持ち的に厳しいこともまた事実であろうかと思われます。全身の動きをトレースするとか表情を実際の顔に連動させるとかは別として、とりあえず今回はアバターを静止画ではなく動画として活用する、ということについて考えていきたいと思います。

動くアバターという点ではFaceRigとかを使う方法もありますが、あれはソフト本体を購入しなければならないので今回はパス。無料で導入でき、かつ自分の好みでアバターをアレンジできるという点で、前回に引き続きカスタムキャストを利用した方法をご説明していきたいと思います。というか、自分がそれでやってるので実体験に即した話がやりやすいんですよね。



カスタムキャストを利用する場合、キャラクターの設定なんかは前回ご説明したスクリーンショットの撮影に至る過程とほとんど同じなのでそこは省略します。わかんなかったら他のサイトとかでの解説を参照してください(他力本願
最低限「背景をアバターの色と違うタイプの単色にする」ことと「ブルームを0にする」ことにだけ注意していただければ大体大丈夫です。アンチエイリアスとかグラフィッククオリティとかは各自お使いの端末の性能とご相談ください。
キャプチャの撮影は「配信」画面で行うのがよいでしょう。nicocasアプリを入れていなければ勝手に外部サイトで配信されることはないので大丈夫です。



カスタムキャストのキャプチャを動画として利用する上で注意したいのは、「リップシンクの設定をどうするか」と「フリック設定をどうするか」です。
リップシンクは音声認識と映像認識の二種類がありますが、私は音声認識を利用しています。これは私がカスタムキャストをエミュレータで利用しているPCにカメラを接続していないからという単純な理由でして、どちらを選ぶかはご自分の住環境などに即して決めていただければよいでしょう。音声認識にした場合、動画作成で自分の声を活用したい方は同時に録音まで済ませてしまえば手間が省けます。



フリック設定については、私は正直フリックによる表情/ポーズ変化をほぼ活用していないのでよくわかりません。だってPCでキャプチャしてる時にフリックするとマウスカーソルが録画に入っちゃうし、どの向きにどの表情/ポーズを登録したかとかいちいち覚えるの面倒なんだもの(酷い
後でトリミングするような位置、つまり画面のめっちゃ下の方かめっちゃ上の方で操作すればフリック操作もカメラ操作もできるのですが、いちいちマウスカーソルを撮影範囲外に迂回させて移動するのもプチ面倒ですし、どっちかを犠牲にするとしたらフリックによる変化よりもカメラぐりぐりして体の向きとか変える方が楽なので、私は画面の変化はもっぱらそれに頼っています。スマホ/タブレットで撮影する際にはカーソルがないのでどうとでもなると思いますが、エミュレータかませてPCで撮影する際にはカメラ位置の変化とフリック操作はどっちかだけに限定した方が事故らなくていいような気がします。



ここまで設定したうえで「配信」画面にたどり着くと、アバターの顔がでかでかと画面に貼り付いているのでビビると思います(特にカメラのないPCで操作している、つまり私と同じ環境の場合)。これはジャイロカメラ(3Dモデル)が有効になっているからなので、落ち着いて右上にある半透明の歯車ボタンからカメラ設定を開いて無効にしておきましょう。

自分の音声/口パクやカメラ操作、フリック操作によってアバターが自分の思い通りに操作できるようになっていることを確認したら、画面の動画撮影に移ります。PCでNoxPlayerを利用している場合は公式に画面の動画撮影機能があるのでそれを利用するのが一番簡単でしょう。スマホ/タブレットの場合はAZスクリーンレコーダーなんかのアプリを活用してください。
話す内容は事前に台本化しておくか、そうでなければその場で喋った内容を別に録音しておき、必要に応じて文字起こしするということになります。VOICEROIDなんかを活用する場合は先に台本と音声を作っておいて、聞きながら口パクする(もしくは台本を読み上げる)のも手でしょう。私は音声の最終確認も兼ねてこの方法を採っています。

後は適当な背景に撮影したアバターの動画をオーバーレイして適宜トリミングしてクロマキー処理して追加のオーバーレイ画像や音声や音楽とくっつけて字幕つけて動画にしてアップロードすればOKです。簡単ですね。
…いやまあ、はい。ここを手順としてさらっと流すわけにはいかないですね。ただ、この部分は使うソフトによって機能も使い勝手も(ついでに価格も)千差万別なので、説明しづらいのが事実です。私はCorelのVideoStudioを使っていますが、これは別件で使うために既に持っていたソフトを流用しているからで、VTuberとしての動画を作成するために最適化されたソフトはもっと他にいろいろあると思います。無料ソフトとしてはAviUtl、有料ソフトとしてはFilmora辺りが有名なところでしょうか。ニコニコとかYouTubeとかにもレビューとか使用方法の解説動画とか上がってますし、使ってない私があれこれ言うよりもそういう方の説明を見た方がわかりやすいと思いますのであえてここでは深く触れません。あえてね、あえて。

というわけで、今回はこの辺までにしておきたいと思います。
ありがとうございました。起立、礼、着席。

バーチャルYouTuberのすゝめ(自分がなる方の意味で)・その1「とにかくVの者を名乗れ、話はそこからだ」

2020-09-07 02:14:55 | その他サブカルチャー
前回の記事で「いつの間にか令和2年に~」とか書いてましたが、気づけばもう秋ですね。
COVID-19のせいですっかり虚無と化した2020年ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は前回の記事を書いた数週間後に家を追い出されてパンデミックが収まるまでアパートでの仮住まいを余儀なくされることとなっております。早く帰りたい。

さておき、ここ数か月でいろんなことが激変しておりますが、それ以前、ここ数年ほど前からネット上で話題になって今やすっかり定着したものがありますね。
そう、「バーチャルYouTuber(VTuber)」です(強引な話の展開)。

VTuber。この言葉がどのような存在を指し示すものであるかという定義はいまだに若干の混乱がありますが、企業Vだの個人Vだの収益化がどうのスパチャがどうのみたいな話はひとまず置いておいて、広義では「投稿者とイコールであるところのバーチャルなキャラクターのアバターを用いて動画コンテンツを作成し、それを公開している人」程度の意味になりますでしょうか。

私、個々のVTuberにはそこまで関心がないというか、認知はしていても配信めっちゃ見る!というような推しはいないのですが、その全体としてのありようは非常に好もしく思っております。
以前からTwitterでは何度か言っていることではあるんですが、人類にとって性別や容姿は生活にとって無視し得ざる重要な要素であるにもかかわらず、その本質的な再配分や再選択は現時点ではかなり困難、というか実質的に不可能です。美容整形や性転換は所与のものとしての肉体に一定の変化をもたらし得るものですが、未だ十全とは言い難いところがあります。しかるに、バーチャルの世界においては自らの疑似的な肉体に相当するアバターを比較的手軽にリデザインし、おおむね自らの思うように構築することができるわけで、そこでは現実における自らの肉体的なあり方に囚われなくてよいわけです。自らの性別、容姿、背景となる設定を自ら作り出し、自由に構成することができる(企業Vとかだと自由の制限はあるでしょうし、使用するアプリやアバターの作成・発注等に係る費用とかの問題もあるでしょうが、現実世界で自分の肉体を変化させるよりは手間はかからないんじゃないでしょうか)。VTuberという存在は人類への光明です。未来への福音です。わかったか。わかったらそこのお前もVTuberになれ。

はい、というわけで今回の記事の本題、「そこのお前がVTuberになるために何をすればよいか・超低スペック版」に入りたいと思います。私は真面目に言っているんだ。

必要なものは次の四つ。

①画面のスクリーンショットが撮れるスマホないしタブレット(Androidエミュレータが動くならPCでも代用可能)
②画像加工ソフト(画像の透過やレイヤー合成がやりたいのでWindowsペイントだと厳しい。GIMPあたり使えば無料で何とかなる?)
③音声合成ソフト(地声でやるならなくてもいい。ボイスチェンジャーでも可。一応無料ソフトもある)
④動画作成ソフト(Windows10標準付属のフォトアプリでいい)

先に述べました通り、今回ご紹介するのは超低スペック版。
「金をかけず、かつ低スペックの機材でVTuberになる」方法です。
人によってはこんなのVじゃねえ!という人もいるでしょうが、そこは「広義のV」で押し通してください。



まず、スマホかタブレットに「カスタムキャスト」をインストールしてください。
アイテム課金制ですが、基本的には無料です。
カスタマイズ画面で好きな感じにアバターモデルを作成してください。この際、各パラメータをどのようにいじったかや、どのパーツを組み合わせたかを記録しておくと、あとで別の端末で同様のアバターを使いたくなった時に便利です。



背景はグリーンバックその他の単色背景に設定します。
また、「設定」で解像度「高」、アンチエイリアス「高」、ブルーム「0」、グラフィッククオリティ「高」に設定しておくといい感じになりますが、ブルーム以外はお使いの端末の性能とご相談ください。重要なのはブルームを「0」にすることで、これをやっておかないと後で背景を切り抜いたときにアバターの輪郭が元のバックの色にぼやけた感じになります。



設定が終わったら、ポーズと表情を変えてスクリーンショットを撮りましょう。
基本的には汎用性の高い立ちポーズと、喜怒哀楽の表情くらいがあればいいでしょう。
ただし、アバターは目パチのアニメーションをしますので、スクリーンショットのタイミングによっては半目とかになりますのでお気を付けください(この画像は悪い例です)。

スクリーンショットを撮ったら、それをPCに移動します(エミュでやってる場合はPCに保存されますのでそのままで大丈夫でしょう)。
そしてこんな感じで周囲の背景色を切り抜いた「立ち絵」を作ります。



次いで、動画の内容となる文章を作成していきます。メモ帳アプリあたりで書いていけばいいですし、最悪その辺の紙とペンでもなんとかなります。
文章が出来上がったら、それを元に動画に必要な画像を作成していきます。
例えばこんな感じですね。





画像加工ソフトで「適当な背景」>「立ち絵」>「テキスト表示ウィンドウ」>「テキスト」の順にレイヤーを重ねるとこんな感じになります。
これを、立ち絵の表情やポーズを変えつつ、テキストの表示に必要な分量だけ同様に作成していく訳ですね。
あとは、動画作成ソフトで画像と別撮りした音声とを組み合わせて動画にするわけです。いわゆる紙芝居動画ですね。

はい、今「こんなのVじゃねえ!」と思った方。いらっしゃると思います。
でもこれ、表示されている立ち絵のアバターが投稿者とイコールである限り、先に述べた広義の定義を満たしていると言える訳ですよ。
VTuberになるということは決して難しくない、動画にする内容さえあれば誰でもVTuberを名乗っていい。
この超低スペック版の方法は、VTuberになる敷居をかなり低くしてくれると思います。
思い立ったらVTuber。この記事をここまで読んだ貴方が、どうぞ素敵なVTuberになれますように。

後半だいぶ失速した気がするけど別に飽きたとかじゃないぞ? ほんとだぞ?