鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

蒐集品を晒してみる・その13 韓国・朝鮮戦争英雄リトルエンジェルスメダル

2016-12-20 23:59:44 | 日記


今回ご紹介するのは、少々ややこしい来歴のメダルです。軍事系のメダルである一方で、宗教系のメダルにも分類されうるものでしょう。
このメダルは2010年ごろ、韓国の朝鮮戦争60周年メモリアルプロジェクト(the Korean War 60th Anniversary Memorial Project)が、朝鮮戦争に国連軍として参加した16カ国を巡るリトルエンジェルス芸術団(The Little Angels Children’s Folk Ballet of Korea)の世界ツアーを企画・実行した際、朝鮮戦争当時の従軍者や関係者等に贈ったメダルです。つまり、韓国の民間団体が製作・授与した記念メダルなのですが、その主体となっているリトルエンジェルス芸術団というのがちょっと面白い団体なのです。

実はこの団体、1962年に文鮮明によって創設された、統一教会(世界基督教統一神霊協会。現在は世界平和統一家庭連合に名称を変更)関係の団体なのですね。すなわちこのメダルは、統一教会のメダルという側面と、朝鮮戦争関係のメダルという二つの側面をあわせ持っていることになるわけです。とはいえ、授与対象は先にも述べたように朝鮮戦争関係者が主なので、どちらかというと宗教的側面は薄いといえるでしょう。



リトルエンジェルス芸術団は16カ国公演の中でかなりの数のメダルを贈与したようで、マッカーサー財団の会長であるアーサー・ディアモンステイン(Arthur Diamonstein)やサンディエゴ市長のジェリー・サンダース(Jerry Sanders)、そしてなんとフィリピン大統領のベニグノ・アキノ3世(Benigno Aquino III)もこのメダルを贈られています(肩書はすべて授与当時)。どこからそんな金が出たんだという気もしますが、そこがまあ宗教関係団体の強みではありましょう。実際の資金の流れは分かりませんが、日本で募金や朝鮮人参を売りさばいた寄付金がこういうところにも流れているんでしょうな。

さて、メダルの解説です。リボンと本章の間には天使の羽をかたどったような鈕があり、またリボンには中綬章によく見られるような金具で固定されています。リボン自体も首の後ろ側で金具を引っかけて固定するようになっており、ここも中綬章によく見られるタイプのデザインとなっています。
本章は周囲を金で縁取られた赤いクロスパティーと緑色の斜め十字を組み合わせたような形で、中央部に円形部品を配してあります。斜め十字と円の組み合わせは、以前統一教会で使われていたシンボルマークをなんとなく連想させます。中央の円形部品は紺色で縁取られ、そこに「THE LITTLE ANGELS」「KOREA」と金文字が書かれています。その内側には、赤・黄・青の三色で描かれた太極文様(三太極というようです)を中心に、幾何学的な文様が配されています。



カラフルな表面に比べて、裏面はかなりシンプル。中央にムクゲの花が描かれ、その周りに「MEDAL OF HONOUR」「SEOUL.KOREA」と書かれています。ここの「MEDAL OF HONOUR」はアメリカの名誉勲章や日本の褒章とは関係なく、単純に「栄章」を表す意味で書かれたものでしょう。



メダルを収める箱にも特に箱書きなどはありません。ビロード張りですが、至ってシンプル。

      


蓋を開けるとこんな感じです。章を収める部分にくぼみがあり、この箱が当時からのものであることが分かります。

UVレジンで(オタクな)アクセサリーを作る。

2016-12-18 16:07:47 | その他サブカルチャー
ここ一ヶ月ばかりの事ですが、UVレジンでアクセサリーを作るのにハマっています。
UVレジンというのは紫外線を照射すると固まるアクリル系樹脂で、その特性からハンドメイドのアクセサリーなどを作るのに用いられます。
最近ではダイソーやセリアなどの百円ショップにも売っているとのことで試しにやってみたら、これがまあ見事にハマりまして。



例えばこんなの。ミスタードーナツの紙袋を背景にして、東條英機の写真と金属製のネコ、樹脂製のバラのパーツを組み合わせています。
紙袋と写真以外はすべて百円ショップの素材。素材も単品で売っている訳ではないですし、UVレジンの液も数回程度は使える量なので、金額的な負担もそこまで大きくはないのが魅力的です。それにこんなアクセサリー、普通のお店では絶対に手に入らないですしね。売ってるところがあったら逆に教えてください。買占めに行きます。

閑話休題。じゃあこれ、どんなふうに作っているかというのを(自分用の備忘録を兼ねて)ご説明していきましょう。



まずこんな風に、ミール皿(アクセサリーの土台となる部品。金属製や樹脂製のものがある)に背景となる紙を貼り付け、その上にアクセサリーにしたい人物写真やキャラの画像を貼り付けます。貼り付けるには薄く伸ばしたレジン液を接着剤代わりに用いますが、多分糊で貼っちゃっても大丈夫です。まあ、そこから後で劣化してくる可能性もあるので無理にお勧めはしませんが。またここで貼り付ける人物写真やキャラの画像ですが、基本的に普通のコピー用紙に印刷したものは使わない方が無難かと思います。私は使ったことがないのでわかりませんが、水溶性のインクだとにじむ恐れがあります。また、印刷用紙はレジン液が染み込むと色が少し暗くなり、また白い部分が透けやすくなります。最初に紹介した英機レジン(私は東條英機の肖像画・写真を使ったレジンをこう呼んでいます)でも、写真の裏に貼ってある背景の柄が透けて見えているのが分かるかと思います。効果としては面白いのでわざとやるのもありですが、透けさせたくない場合はコピー用紙を二枚重ねにして厚みを出してから写真・画像を切り出した方がよいでしょう。

で、画像を貼り付け、素材の配置が終わったらその上にUVレジン液を盛ります。結構粘度がありますからこぼれることはないと思いますが、念のため出し過ぎに注意するようにしてください。液の中に気泡が入ってしまった場合、爪楊枝を使って潰します。爪楊枝は素材の配置にも便利なので、レジンアクセサリーを作る際には必需品ですね。私はこの時点ではダイソーのラメ入りレジンを使うことが多いです。



レジン液を盛ったら、紫外線で固めます。日光で固めてもいいのですが、天候や時間帯にも左右されますし、最近はもっぱらネットで買ったUVライトを使っています。送料込みでも2000円しない程度の価格で手に入りますし、これだと長くても10分~15分くらいで固まるので、なかなか重宝です。

ある程度時間がたったら取り出してみて、爪楊枝の背でつついて固まり具合を確かめます。固まっていないようならもうしばらく紫外線をあてましょう。無事に固まっているようなら、その上にさらに仕上げのコーティングをします。私はセリアのクリアUVレジンハードタイプを盛って再度ライトで硬化させていますが、UVレジンは日光などに含まれている紫外線でも徐々に劣化していくそうなので、UVカットのネイル用トップコートを塗ってみてもいいかもしれませんね。

以下、こんな感じの歴史&キャラものアクセサリーが作れますよ…という例です。















「自分のセンスで何かを作る」というのは結構面白いですし、上でも述べましたように「とりあえずやってみよう」レベルならそんなに費用も掛かりません(無論、凝りだしたらそれなりにお金はかかりますが、それについてはどんな趣味も共通です)。もし興味を持たれたら、一度お近くの百円ショップでUVレジン液を探してトライしてみることをお勧めします。