鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

蒐集品を晒してみる・その12 日本・聖教文化賞

2015-10-24 16:33:37 | 蒐集品


今回ご紹介するのは皆さんご存知の宗教団体、創価学会の「聖教文化賞」です。学会系のメダルに関しては何種類かよく市場に流通しているものもあるんですが、不思議なことになぜか蒐集家向けの解説というのはあまり見かけないんですね。この記事が少しでも創価メダルを集める皆さんのお役に立てれば幸いです。

さて、聖教文化賞は聖教新聞社によって1971年4月24日に制定された表彰制度です。同年4月22日には聖教文化講演会が開始されていますから、恐らくこれに併せる形で制定されたものでしょう。
現在までの授与人数は不明ですが、聖教新聞の印刷を受託している(株)高速オフセットの奥田千代太郎社長と秋山文一相談役(授与年不詳)、福島民報の小針暦二社長(授与年不詳)小説家・歌人の石塚友二(1986年)、パナマのチュー理事長(1986年)、建築家のHamid Shirvani(1999年)、ガーナ共和国のトツビ・ポーク3世駐日大使(2000年)、中国新聞社の川本一之社長と今中亘特別顧問(2008年)などに授与されていることが分かっています。もっとも大使などの地位ある人々に対する授与はほとんど儀礼的なもので、実際には創価学会の信徒獲得や聖教新聞の部数拡大などの功績が顕著な人、また長期にわたって創価学会に貢献した人に対して授与される賞であると思われます。この辺、具体的な授与基準が示されていないので何ともあいまいという他ありませんが、実例としてはこの座談会の話題として取り上げられている「岩手県の山深い地域で、聖教新聞の配達に使命を燃やす」「配達暦15年」の人物に授与されていますね。

メダルの方に話を移しましょう。"THE SEIKYO CULTURE PRIZE"という文字と、ギリシャ彫刻風の図像、それから植物の絵が刻印されています。人物像については文化活動の神ということでアポローンかとも思われますが、確言することは出来ません。ただ、アポローンだとすれば、その後ろに刻まれている植物は月桂樹だと思われます。



裏面には東京・信濃町にある聖教新聞社の建物と、「聖教新聞社 名誉社主 池田大作」の文字が刻まれています。この表彰が創価学会によるものというよりも、聖教新聞社を授与主体とする形で行われていることがここで示されています。



メダルが収められているケースの内側には金文字で「Seikyo Culture Award 聖教文化賞」の文字があります。
…ん? メダル本体には"THE SEIKYO CUKTURE PRIZE"とありましたよね? PrizeとAward、どっちが正式名称なんでしょうか?

蒐集品を晒してみる・その11 韓国・第11回OSEAL大会記念バッジ

2015-10-17 10:19:57 | 蒐集品


前回に引き続きまして、ライオンズクラブの第11回OSEAL大会に関連するバッジです。
なんといっても目を引くのが大胆に造形された朝鮮半島の形と、その上部にデザインされた韓国の国旗。もとより韓国は朝鮮半島全体を自国の領土と規定し、北朝鮮を「北傀」扱いしていたりする国なので当然と言えば当然なのですが、やはり反共感あふれる逸品に仕上がっております。
中央のマークはライオンズクラブのシンボルマークで、下部の花は韓国の国花であるムクゲでしょうか。左右のライオンはライオンズクラブを象徴するものでしょう。一番下のリボンには"SEOUL BANDO KOREA"と、開催地の地名が記されています。安全ピン式。

蒐集品を晒してみる・その10 韓国・第11回OSEAL大会記念メダル

2015-10-15 20:17:41 | 蒐集品


めちゃめちゃ久しぶりですが、手元にある蒐集品のご紹介をば。
これは1972年の9月28日から30日にかけて韓国のソウルで開催された、第11回OSEAL(Orient & Southeast Asian Lions)大会の記念メダルです。
OSEALというのは「東洋・東南アジア・ライオンズ」の略称でして、このメダルの綬にもライオンズクラブのマーク金具が取り付けられています。



メダル部分の拡大写真。少し分かりにくいですが、中央の三色巴紋の周りには"TOGETHERNESS AND MUTUAL RESPECT"(一体感と相互尊重)という言葉と共に、大会の開催地である"SEOUL-KOREA"の地名が記されています。
注目すべきはその外周にある参加国の国旗で、開催国である韓国のとなりに南ベトナム(ベトナム共和国)の国旗が配置されています。南ベトナムの首都・サイゴンが陥落し、この国旗が用いられなくなったのは1975年のこと。このメダルが作られてからわずか3年後ということになります。当時この大会に参加していたであろう南ベトナムのメンバーのその後が気になるところです。
ちなみに韓国と南ベトナム以外の国旗は、時計回りにタイ、シンガポール、フィリピン、マレーシア、日本、英領香港、中華民国(台湾)、ブルネイ。時代背景もあるでしょうが、なんとはなしに反共感の漂うメダルになっています。