餅つき、墓参り、正月の買い物・・・とだんだんと忙しい年の瀬です。
合間に読んだ本です。
【「ですから、アテナイの皆さん、私がいま自分のために弁明しているという認識は的外れなのであって、私は皆さんのために弁明しているのです。私に有罪票を投じることで、神が皆さんに授けた贈り物に対して皆さんが過ちを犯してしまわぬようにと、弁明を行なっているのです」
・・・2400年前のアテナイにタイムトリップして、哲学者ソクラテスの名前を不滅のものにした
一世一代の演説に耳を傾けてみませんか?】
「うへ、超むずかしそう~」と思って、今まで手を付けなかった作品ですが、どんなもんだか興味はあって
kindleで150円と安いので読んでみました。
あれ?全然むずかしくない すごく読みやすい。(翻訳のおかげ?)
有名な「無知の知」はソクラテスの言ったこと(「無知の知」という言葉は使ってないけど)だったのですね。
「たしかに私もあの人もたぶん善美の事柄については何ひとつ知らない。だけど、あの人が知らないのに自分は何か知っていると思っているのに対して、私は自分が知らないのをそのとおりに知らないと思っているんだから。どうやら、自分が知らないことを知らないと思っているというほんの小さな点で、私はあの人よりも智恵があるらしい」
まったくソクラテスの言う通りなのだけど、自分は知っているとか正しいとか思っている人(エゴが強い人)はそんなこと(あなたは本当は知っていないとか正しくないとか)言われれば、否定された、馬鹿にされたと思って怒るわけですね。(ほんとは怒る必要ないんだけどエゴが強いと怒るんだな)
「私はその場所でも、その人や他の多くの人から憎まれるはめになりました」
で、恨みを持つ人たちから訴えられたソクラテスは、裁判で弁明というか、自分の考え(正当性)を述べるわけです。
>神はこの神託の中で「人間の知恵の価値などほとんどなきに等しいものである」とおっしゃているのです。・・・・・・「人間どもよ、ちょうどソクラテスのように、自分は真実には知恵の点で何も価値もない存在だと悟った者が、お前たちの中で最も知恵のある者なのだ」と。そういうわけで、私はいまなお歩き回り、神に従ってこの街の人や外国の人の中から「この人なら知恵があるのでは」と思える人を探し求め、吟味を行っているのです。そしてその人が知者だと思えなければ、その場合は神のお手伝いをして、その人に「知者ではない」ということを示しているのです。
議論をふっかけられた人の中には大きなお世話と思う人もいたでしょう。ほっといてくれ~って思ったでしょうな。神のお手伝いはしなくていいですぅ。
まあ、色んな人がいるわけだから、ソクラテスさんも人を見て、話が出来ない(聞く耳をもたない)人なら相手をしなければ(吟味?しなければ)よかったのかも知れませんね。相手にされた人にとっては、大きなお世話だったのでしょう。ソクラテスの賢さがわかる若者が、彼を「知者である」と讃えたのも気にくわなかったのでしょうね。若者を洗脳してるとかなんとか思われた?
ソクラテスが間違っていたとしたら、どうしたら問題が平和的に解決するか納得してもらえるかとか、どうしたらこの人が幸せになるかとか、人の幸せだけを考えて行動したのではなく、神のお手伝いをして人を裁いた(吟味した)ところでしょうかね。(人を裁こうとしたから自分も裁かれたのかもね。)
無知の知は納得。でも、目的ややり方が受け入れられなかった。
基本はやさしさであり、それは人(お互い)の自由を認めること。
・・てことかな??
でも、死刑はないよなあ・・・。まあ、2400年前だからね。
小説を読んでるみたいで、面白かった
星4つ
「ソクラテスの弁明」、大昔少しかじったことがあるような、ないような。
まるちゃんの投稿文を拝読して思うのは、西洋では神という絶対的なものがあります。
ところが私は西洋の神を理解していません。
そんなことから「ソクラテスの弁明」を理解するのは、私には無理なような気がします。(苦笑)
私も、神を理解してないのでソクラテスさんが神の神託によって神のお手伝い・・・ってところが理解できないです。
宗教が絡むとむずかしいですね。^^;
無知の知、ということは分かります。ただ、個人的なことのように思うんですが・・・
なんで裁判になるのでしょうねえ。^^;(2400年前のローマ?には宗教、思想、言論の自由がなかったんでしょうねえ)
でも、なかなか面白いです。
久々に聞いた無知の知ですが、私は、ソクラテスの奥さんが悪妻で其のストレスから多くの人に議論を挑み?連戦連勝でしたが、ソクラレテスは論破しても奢らず、其処から出て来たのが自分が無知と知っている人間が知らない・理解していな人より優れている其れが無知の知だったかなと記憶しています。プラトンもイデア論で実存して一般に視覚に映るのは完全でなく未完で完成形はイデアに存在するとして、其れを神と定義付けていた様に此れ又記憶しております。そんな訳で、ソクラテスは逃げる事も出来たのに裁判で徹底抗戦をして死刑となりでしたが、当時は奴隷制度も有りの社会の形態も有りの、知識人は働く必要もなくで、様々な思惑等も絡み死刑となったかなと推測しております。序乍、キャパが狭いと此の様な死刑ともなり、他者の考えも受け止めるだけの度量がなければ駄目かなとも思います。自民党が東京・朝日・毎日を只々気に入らんと攻撃を加えているのにも通じるかなと此れ又追加をしときます。
なるほど~。
悪妻の話も聞いたことがあるような・・・。本人は弁明の中では言ってませんでしたが。(当然か^^;)
>論破しても奢らず
>他者の考えも受け止めるだけの度量がなければ駄目かな
ですよね。