今までリュートのための作品はあまり真剣に聞いてこなかったのですが、たまたまDHMからの再版の「リュート作品全集」(BVCD-38086-87)(リュート:コンラート・ユングヘーネル)が出ていたので買ってみました(レコード芸術・特選だったようです)。通称リュート組曲は4曲あります。以下、解説書(浜田三彦氏)によれば、第1番は、1710年代のバッハの若い時の作品といわれているようです。この曲は明らかにリュート、あるいはリュートの音色を求めた鍵盤楽器、ラウテン・ヴェルク(どんな楽器か良く分かりません.....)の音質を想定して作曲されたようです。第2番は当時からリュートで演奏されていた可能性の高い作品のようです(タブラチュアという、五線譜ではないリュート特有の文字譜、数字譜が存在するようです)。第3番は無伴奏チェロ組曲第5番の編曲で、第4番は無伴奏バイオリンパルティータ第3番の編曲です。ユングヘーネルは13弦の典型的なバロック・リュートを使っているようですが、新バッハ全集にある譜面に忠実な演奏家は、低音にもう1弦を加えた14弦のリュートを使用しているです。本物のリュートを見たことも、触ったこともない私にとってはチンプンカンプンですが.......。
難しいことは別にして、とにかく聞いてみると、繊細で、柔らかで、厳かなリュートの音は神秘的です。最近、4、5回繰り返して聞いてみました。天気のいい日の昼間に、自動車の騒音の中で聞く雰囲気の曲ではないので、夜の静かな時に聞いてみました。昼間に聞くときには、カーテンを閉めて、部屋を暗くして、耳をそばだてて聞く方が音色に集中出来そうです。昨夜もこの曲を聴きながら寝てしまいました....。無伴奏チェロ組曲と同様、全部一挙に聞くには、少しだけ気合が入りそうです。途中でテレビをつけたくなるか、寝てしまうか、どちらかになってしまいそうです。今度は、雨の日に家に籠って静かに聴こうかなぁと思っています。