最近、ブランデンブルク協奏曲また聞きたくなり、-その3-になってしまいました。このCDは、以前に買っていた、サイトウ・キネン・チェンバープレイヤーズ(音楽監督:ワルター・ファン・ハウヴェ)による演奏の「J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)」(KINNG:KICC 379-80)(録音:2001年9月3、4、5日、松本ザ・ハーモニーホール)です。
最初に聞いたときに、あまり特別にいい印象がなかったため、ちょっと聞き流しただけて、棚にしまっておいたのですが、今回、改めて聞き直してみると、結構良いと思いました。超高級なペルシャ製の絨毯の複雑な紋様の折り目を見たり触ったりしているような雰囲気で、各演奏者のレベルも高く、音の響きも繊細で、空間の広がりも感じます。このCDが発売された時、確かレコ芸の評価は今一で、特選には選ばれていなかったと記憶しているのですが...。このブランデンブルク協奏曲は指揮者なしで演奏することが多いのですが、このサイトウ・キネンも指揮者なしの演奏で、このことが今回の演奏に躍動感が少し欠け、全体の一体感の乏しいのでは....というような内容の記載があったように思います。バッハの室内楽のような小編成の楽曲に指揮者が必要かどうかは私には良く分からないのですが、合同練習を頻回に行い、お互いの個性を熟知しないと、指揮者がいない場合、お互いに息を合わせることに神経を使いすぎて生き生きとした演奏が出来ないのではと想像しています。解説書を見ますと、各メンバーは皆さん凄いプロフィールの持ち主で、非常に素晴らしい演奏ですが、欲を言えば、もう少し楽しさや躍動感があれば完璧ではないかと勝手に考えてます。