ひなたぼっこねこ

のんびり のんびり
ひなたぼっこ。。。

心残り

2018-06-29 21:45:30 | 記憶


   なぜ

   なぜ忘れられないのだろうと思った

   一瞬のその時間は

   風が髪を揺らすくらいの

   何でもない事だと

   思っていたのに

   それは

   時が経つほど

   はっきりと思い出せて

   そこに置いてきた

   心残りは

   

   時が過ぎて

   場所が変わっても

   また

   同じことを繰り返し

   また心残りを置いてきた



   あぁそうか

   忘れてはいけないもかもしれない
 
   私はそのために

   繰り返した

   心残り

   忘れないように

   繰り返さないように



   何よりも大切だから

   私は忘れないでいよう

   心残りはもう

   心残りではなくなっていく

   

 
   

   

   


   


   

   

   


   
 
   

   



   

青いトラック

2018-05-25 23:38:04 | 記憶


  自転車で

  向かい風の中

  よいしょよいしょと走っていた

  横を車が次々と通りすぎていく

  ふっと

  とても懐かしい気持ちになった

  横を走っていったのは

  年季が入った青いトラック

  荷台の積み荷

  音と匂いと

  あ、おんなじだ

  そう思って

  くすっと笑ってしまった

  久しぶりに思い出した

  実家にあった青いトラック

  トラックじゃなくって
  
  ダンプって言ってたんだけどね

  

  

お彼岸

2017-09-22 17:41:35 | 記憶



   義母の姿を見ることがある

   義父の中に

   夫の中に

   そして私の中にも
 
   手のしぐさ

   表情

   言葉使い

   日常の中の

   ほんの一瞬

   そんな瞬間に

   はっとする

   義母がいると思う

   
   亡くなっても

   人の中に生きている

   その意味は

   本当のところ分からないんだけれど

   思い出とともに

   まだ一緒に生きている

   そう感じたりする


   義母は本当に綺麗に何も残さなくて

   亡くなる前

   何か残るものをと思い

   小さな絵を一枚

   ねだって描いてもらった

   でもね

   何もなくても

   義母はちゃんと

   みんなの中に生きている

   今はそう思う

   続いていくっていうことは
  
   こういう事なのかな

 
   明日はお彼岸の中日

   義母はきっと笑って

   みんなを見てるだろうな

   

   

   

   
   

慰霊祭

2012-03-19 23:33:56 | 記憶







宮城野区の中野小学校区の合同慰霊祭が
昨日18日営まれました

小学校の時計は止まったまま…
あの日を
あの時間を 
あの悲しみを
忘れることはできません
犠牲になったたくさんの尊い命
どうか
どうか安らかにお眠りください



青空

2008-06-30 13:13:17 | 記憶
          
          青空が見えると

          海が見たくなる


          空に続く

          水平線

          白い波

          砂浜

          足元の砂をさらっていった

          波の音はどこまでも

          耳の奥から消えなくて

          振り返り

          振り返り

          見た海

          砂浜に

          いないはずの人を見て

          聞こえないはずの声を聞く


          今日は

          海が見たくなるような

          澄んだ青空です


          

いつも…

2006-11-22 16:34:57 | 記憶

          初めて貰った花は 
          赤い薔薇一輪

          学校帰り
          人通りの多い道は恥ずかしいから
          人の少ない道に入ってから
          自転車に二人乗り
          坂道はさすがに無理ね
          時々歩きながら
          何処かの家の窓の明かりに浮かんだ
          椿の花を見つけて
          「綺麗だね」
          話しながら帰った

          娘が生まれた日
          窓の外には桜の花

          息子の生まれる日
          病院に向かう車の窓から見えた
          これから満開になろうとする
          梅の花

          小さな手を握り
          黄色い蒲公英とふわふわの綿毛
          探して歩いた買い物帰り

          紅葉の頃
          七五三の写真には
          四季桜

          思い出には
          いつも花がありました
          これまでも
          きっとこれからも…

          とっても
          とっても
          恥ずかしがりやの人が
          「薔薇の花一輪下さい…」
          どんな顔して
          お店の人に言ったのかと
          時々心の中でうふふ…と考えたりします

          横目でチラッ…とその人の顔を見ながらね

          

          
          
          
    
          
          
          
           

寒い日は…

2006-11-04 08:15:00 | 記憶
     
         いつからいたのか忘れてしまったけれど
         家には猫がいました
         ミィという名前の猫

         私が小学生の時
         ミィが子猫を生みました
         ダンボールの中を妹達とそ~っとのぞくと
         小さい子猫が3匹ミャ~ミャ~ないています

         「名前をつけようよ!」
         私達はいろんな名前を考えて…
         隣のお店にあった自動販売機のジュース
         ちょっとお気に入りだった
         カルピコソーダ (知ってる?)
         それでね
         カルとピコとソーダ
         っていう名前にしました

         少しして
         もらわれていった子猫たち
         家に残ったのは
         ピコ
          
         みんな猫が好きだから
         夕食の後は
         誰のお膝の上にピコがのるのか
         早い者勝ち
         かわいいかわいいピコ

         ピコが病気になって…
         いなくなってしまった時は
         かわいそうだから
         もう猫はいい…
         みんなそう思ったけれど

         やっぱり猫がいないのは寂しくて
          
         次に家に来た猫は
         少しシャムが入っているような
         すらっとした猫でした
         名前は…
         ピコにしました
         みんなも何だか
         元気になったようでした

         ピコおいで!
         今日は誰のお膝の上?
         夜になると
         そ~っとお布団の上に丸くなる
         寒い夜には
         そ~っとお布団の中に入ってくる
          
         下宿生活を始めてからは
         家に帰るたびに
         ピコ覚えてるかな~
         心配…

         ある日電話で 
         ピコ…
         悲しい知らせ

         そしてまた暫くして

         家の誰かが
         連れて来たって…

         ピコ?
         ううん…ごんた

         ごんた…
         ごんた?
        
         家に帰ってごんたに会った
   
         ごんた…だった

         ごんたは
         たぶんうちの猫…だったと思うけど
         他の家に行ってもご飯をねだり
         誰かの家の縁側でお昼寝をしたり
         どこかの家でいたずらをして
         こらっ!て怒られたりしていた
         でも
         怒られても
         にゃ~ん!と足にまとわり付いて
         ごわ~ん!!

         いたずらっこだったけど
         何だかにくめないごんた

         冬の寒い日
         ごんたがいなくなって
         みんなで探したんだって
         ごんたは
         家の掘りごたつの中で
         眠るように…

         電話で聞いて
         悲しかった

         ほんとにごんたは…
         ごんただよね~
         って今でもみんなで
         ちょっと笑ってしまう
         ごんたのいろんな思い出

         寒い日は
         お布団の中に
         ミィみたいな
         ごんたみたいな…???
         フカフカのにゃんこがいるといいのにな~
         って思います



         

         

          
          
          
          
          
          
      
          
          
          
          
          

名前

2006-10-22 20:18:52 | 記憶
          
          欲しいと言っていた日記帳を持って
          待ち合わせの場所へ急いだ
          どこに行こうかなんて決めていなくて
          何となく?東京タワー
          気が遠くなりそうな高さと
          隙間無くある建物
          人の気配が感じられないような
          不思議な感じがした
          それから浅草へ
          …会話が途切れるのが不安だったのか
          それとも
          気持ちを隠すためだったのだろうか
          たくさんの人の中に紛れるように歩いていた
          一人で前を歩いている背中を見ながら
          見失わないように少し早足で歩いた
          …人込みの中
          その背中が見えなくなりそうになった時
          少しの不安が心の中に…
          思わず後姿に名前を呼んだ
          …
          私は
          私の口から出た名前にはっとして
          動けなくなった
          気がついて戻ってくる姿
          何ともいえない顔を今でも覚えている
          私は
          その時
          その場所にいない人の名前を呼んでしまった
          無意識に…
          多分一番驚いたのは自分自身かも知れない
          気のせいだと言い訳をして
          何も無かったように歩き始めたけれど
          心の中の気まずさは消えない
          …帰り際
          駅の隅のベンチ
          その日始めての二人っきりに
          少し話をして帰った
          ただ…
          ごめんなさいを言うためだけに
          過ごした一日

          名前を間違えた事は
          恥ずかしくって
          ずっと内緒の
          …
          筈だった
          のに
          …
          15年以上も経ってから
          不意に言われた

          あの時
          私が呼んだ名前の主に
          「名前、間違えたんだって?」

          …
          …

          「……えへっ

          その名前の主は…

          今
          いつも傍にいて
          名前を呼んだら
          すぐ振り向いてくれます

          もう名前を間違うことはないでしょう
 
          多分ね…





          
          
          
          


          
          
         
          
          
          
          
          

トントントン…

2006-06-14 13:45:54 | 記憶
            
            
            トントントン…

            母と一緒に台所
            ふたりで食事の支度

            トントントン…

            私のキャベツの千切りの音に
            ふっと手を止めて
            母が言った

            「キャベツの千切り、はやいね~
             どこで覚えたの?」

            「どこでって…
             お母さんの千切りの音を聞いて…」

            たったそれだけの会話に
            母は何だかとっても嬉しそう

            その後母は
            このキャベツの千切りの音の話を
            近所の母の友達に
            にこにこしながら話していました

            トントントン…

            キャベツを見ると思い出す        
            だからキャベツの千切りはちょっと楽しい

            トントントン…

                               
       
             
           高校の頃の話です

            今もトントントン…と
            キャベツの千切りしてるのに…

            娘のキャベツの千切りは…

            …ふつうそれはね
             短冊切りって言うんだよ…
            …はぁ…


     

写真

2006-05-22 21:00:11 | 記憶
          
          ふっと思い出す一枚の写真
          たぶん
          幼稚園の頃のもの
          
          帽子をかぶって
          長靴はいて…

          家の仕事はトラックに乗って出掛けます
          いってらっしゃい!と言うよりも
          仕事についていくのが大好きで
          小さい頃
          時々一緒に連れて行ってもらいました

          お弁当の時間や
          「一服しよう!」
          の時間が楽しみ!

          でも子供心に憧れたのは…

          墨壺から糸を引いて
          指でパチンと
          糸を弾いて印をつける事

          祖父や父のその指先が
          とっても大切な事をしているようで
          やってみたかったんだけど
          言葉にはできなかったような…

          だから…
          大きなスコップも手に負えないから
          小さなシャベルで
          砂をさくさく穴掘りしてた

          祖父が自慢だったのは

          「うちで建てた塀は
           宮城県沖地震でも倒れなかったんだ」

          数えるほどしか見たことはないけれど
          母が持っていた
          白黒の…

          小さい私と
          若い祖父と
          若い少し照れくさそうな父
          一緒に笑って映っている

          ふっと思い出す一枚の写真