切子細工のガラスのコップに水を入れ
色の変わる灯りをぽとり沈めた
電気の灯りを消す
切子細工の灯りが静かにまわりに反射して
ゆっくり灯りの色が変わっていく
不思議ね
小さな灯り
それだけなのに
遠くの音や
外で鳴く虫の声が
いつもより響いてくる
多くのものを求めすぎていると感じた
失う事を怖いと感じていると思った
必要なものはほんの少しなのかもしれなくて
手放すことで見えてくる
多くのものがあると思った
光と闇
光の中にいたいと思うけれど
光の中にいることで見えないものが
闇の中にいることで
知ることができるのかもしれない
闇の中にいることで
光を感じることができるのかもしれない
光と闇は背中合わせでなく
一緒なのかもしれない
ゆっくり色が変わっていく
切子細工の中の灯りを見ながら
そんなことを考えていた