小さな紙に一輪の露草の絵
切ないくらい綺麗だった
恥ずかしそうに笑う顔には
いつもと違う
細い心が見えたような気がした
放課後に
ふと見つけた
原稿用紙の隅に書かれた文字
二階の教室の窓から校庭見つめ
その文字の意味を考えていた
廊下の壁にもたれ
すっと横に来た子との
少し気まずいような空気に
「失恋しちゃったかも。。」なんて言ったら
「俺もだよ、今」って言ったから
びっくりな偶然に
少し嬉しいような気分になって
「お互い頑張ろうよ!」
ずっとずっとずっと後になって
偶然?なんて思ったりして
日が暮れた空
一緒に見上げ
不思議な蒼さに気がついた
思い出す時間は
幼い子どもの心とも違う
まだ大人の心でもない
中途半端な
隙間の時間
でも
一番輝いている時間かもしれない
気がつけば
息子がその時の私と同じ年
一緒に皆既日食の番組を見ながら
今
どんな時間を過ごしているのだろう
これから
どんな時間を過ごして行くのだろうと
あの時の自分に重ね合わせ
欠けていく太陽を見ながら
不思議な気分になった
いつか。。。
また皆既日食が見られる日
今日の日の事を
少しは思い出してくれるだろうか