高校の時
先生が授業中に話してくれた
自分の恋物語…
その時
彼と彼女は付き合っていて
とても仲良くて
毎日がとても楽しくて
きっと離れる事はないだろうと思っていた
ある時彼は
先生になるために
遠く離れた所に行く事になった
「一緒に来てくれる?」
彼の言葉に
「はい」と彼女は答えた
その日
駅のホームにふたり
行く先の列車が目の前に止まった
荷物を持ち
ふたりで列車に乗り
座席に座った
出発を知らせるベルが鳴り
ドアが閉じようとする
その瞬間
彼女は
走って列車を降りた…
こんな映画のような事もあるんだと
その時の彼女の気持ちもわからないまま
切なさと憧れを感じた
ある時
帰省する列車で
偶然隣に座った人との話…
「彼女はいるんですか?」
の私の問いに
「いるよ」との返事
「結婚するんですか?」
「なかなかそう上手くはいかない…」
一緒にいたいと願うふたりを
妨げる何があるんだろうと思った
あの時の自分の歳の
倍以上生きてきた今
列車を降りた彼女の気持ちも
何となく分かるようになった…
自分が思うように
人生は上手いかない事も
たくさんあるんだと知った…
時間の流れの中で
今日分からない事が
明日分かるかも知れない
今日見えないことが
明日になれば見えるかもしれない
明日にはわからなくても
いつか
雲が晴れるように
分かる時が来るかも知れない
そう思うと
明日という日は
とっても素敵な日なんだと
思えてきます