
(小川糸著)
★★★★★(ベアの満足度)
かき氷、ぶたばら飯、松茸、みそ汁、
ハートコロリット、パリのご飯、きりたんぽと
美味しそうな食事が出て来る短編集。
私は短編は嫌いだ。
物語に入り込んだ瞬間に物語が終ってしまい
さみしい気持ちでいっぱいになるから。
でも、この短編はどれも大好きだった。
書かれているお話が今も続いている気がするのは
おいしい食事のせいだろうか?
中でも、余命宣告された母が
幼稚園児にお味噌汁の作り方を教えるお話。
なぜ、ダシからお味噌汁を作らせていたのか
結婚直前にその理由がわかった時には
電車の中で泣きそうになった。
「ようこそ、ちきゅう食堂へ」というエッセイは
この本の資料集めだったのかとわかるところも
面白い!
本に出て来るぶたばら飯、お腹いっぱい食べたいなあ。
その後ろにあるきゅんとした気持ちを感じながら、
幸せになるんだよと送り出したくなる。