(吉田修一著)
★★★★(ベアの満足度)
小泉今日子さんの書評を読み、読みたくなった本。
読み終え、「悪人」の著者と気づく。
どおりで、何が正しいでしょうか?
と読者にゆだねる余白があるはずだ。
6ヶ月の赤ちゃんと一緒に夫を追って、
五島から、博多、東京と旅をするが、みつからない。
歌舞伎町で途方に暮れていると声をかける若者がいた。
チェリスト、ホステス、国会議員、やくざ。
登場人物は多岐に渡る。
こないだ水商売ものの本を、主人公に感情移入できず、
途中で投げ出したので、出だしでこれもか~と
思ったけど、全然違った。
つながりのない人物が少しずつつながっていくのが面白い!
最後の最後で猿蟹合戦の理由がわかった。
すかっとする話には毒がある。
毒も満載で、痛みを伴うが、最後はすかっとしたお話でした。