弁護女子。~越谷の女性弁護士の日々~

越谷市の弁護士(離婚・親権・面会交流・養育費・財産分与・不貞問題等を主に扱っております)の生井澤葵の日々を綴ります。

時の止まった家。

2017-10-08 | 【相続財産管理人】
相続財産管理人の仕事をしておりますと、

被相続人・・・つまり亡くなった方の、遺した物件がある場合、

その物件に入って調査をすることになります

亡くなる際に、

ご家族がいて面倒を見てくれていたものの、

被相続人に借金が多く、相続人みなさんが相続放棄したという事案の場合、

ご自宅はあまり荒れていません

一方、

本当に身寄りがない1人暮らしだった方の場合、

ご自宅の状況は・・・悩ましいものです。



覚悟を決めて入院された、被相続人の方のお家に入った際には、

本当にキレイに家の中が整えられていました。

腐敗した食材もなく、冷蔵庫も空にして、入院をされたようでした。

恐らく、「戻れない可能性がある」と思って、準備をされたんだな・・・と、

切なくなりました。

ただ、

人が数年入らない家は、どうしてもホコリまみれで、

マスクとスリッパが必要です。



一方で、

突然倒れた方の家は、また切ないものです。

生けられていた花は枯れ、

机の上にあった、食べかけのプリンは深緑色になって乾いていました。

私がより切なくなったのは、

ドラム式洗濯機に洗濯物が入ったままの状態だったことです。

洗濯機が回っている時に倒れたのでしょうか。

洗濯をされていたのですから、まさか自分が亡くなるとは思っていなかったのだと思います。


相続財産管理人の弁護士は、

そこでメランコリーになることが仕事ではありません

常識と野生の勘で、金目のものを探すのです

お上品に書けば、

被相続人が遺した遺産を調査するために、

銀行の通帳等を探すのです。



この1人で物件に入る時の心細さは、

女性弁護士ならみなさん感じるもののようです


私はあまりに心細いので、

任意売却に協力していただく不動産屋さんにお願いをして、

査定に入る時に合わせて、一緒に中に入っていただいております

本当にありがたいことです