
●「わたしたちの教科書」第10話「少年の立つ法廷」
「悪いいじめっ子は、僕が処刑する。」
雨木真澄(風吹ジュン)が、私立の翔嘉学園中学校で教鞭をとっていた時、
同校に在籍していた長男・音也(五十嵐隼士)が、刺傷(?)事件を
起こしたという過去。
これと来週の予告を考え合わせると、音也は、いじめを実力行使で排除しよう
とする人間に思えます。
でも、母親と同じ学校という点がちょっと引っ掛かる。
もしかしたら音也は、いじめに対して動いてくれない教師、そして母親に
業を煮やして、自ら行動に移したのかもしれません。
そしてこれは飛躍し過ぎでしょうが、教師でもある母親を困らせるヤツを
退治するという、母親へのねじれた愛情かもしれません。
音也登場の時に、「爪を噛む仕草」をかぶせたように、音也と雨木真澄って
似てるような気がします。お互いがお互いの事を思っているのに、
「あって欲しい姿」にならない事に、ストレスを感じている・・
熊沢先生(佐藤二朗)親子のような、気持ちのすれ違いを感じてしまいます。
仁科朋美(谷村美月)が、音也を知っているかのような場面もありましたが、
(おそらく)2001年(6年前)に事件を起こしてる音也と、その年には
10歳未満であったろう仁科朋美が、顔見知りというのは、腑に落ちません。
例えば、音也の「写真」がネットに流失し、それをクラスの誰かが
現在の副校長の息子と認識し、仁科朋美も知っていた、という可能性も
あるかもしれません。というか、仁科朋美が、ネット関係の変な動き一切を
担ってるというセンも捨て切れないですよね。
そう仮定すると、妙に辻褄が合う事が多い。
でも、これは妄想であって欲しいです(笑)
ただこのドラマでは、先読みしたり、過去のドラマの型にはめて
考えるのは危険ですね。
先入観を持っていては、見えない部分が出来てしまう。
山田加寿子(鈴木かすみ)が送り続けてた、サインを見落とすように。
初回を見た時、そのポーちゃんは、ただの「変わり者」と片付けてました。
加寿子→かすこ以前から、彼女は自分の名前が、平凡に思えて
嫌だったのかもしれませんね。
「名前」に関するエピソードは、長部、長谷部でもありましたよね。
脚本家の坂元裕二さんは、ものすごい量の取材をされたそうです。
驚きの連続だったとか。
このドラマにちりばめてあるエピソードは、実際に起きたものを
モデルにしたものも、多いんだろうと思います。
だから自分なら気づけただろうか?自分も今までこんなサインを
見落としてたり、感情のすれ違いがなかっただろうかと、
考えながら見ていった方が、有益かもしれません。
そして今回は何と言っても、そのポーちゃん。
「私、再会した先生に言おうと思ってた・・
あんたまだ先生続けてたんだ。まだ先生続けてたんだ・・
向いてないのによく頑張ったねって。」
このシーン、エールは、多分ずっと忘れられません。