朝食のために料理をするなら普通ですが、そうではないシチュエーションの曲がアイドル歌謡には存在します。まずはキャンディーズの「オムレツを作りましょう」。
これは付き合ってる彼氏が初めて家に来るという曲ですが、家というのは彼女が一人暮らしの部屋に来るわけではなく、親と同居の自宅に来るという状況。初めて彼が来るので父親もソワソワしてるところでなぜか彼女はオムレツを作るわけですが、タマネギを切ったりするのでプレーンオムレツではないですね。
それにしても、そういう状況でオムレツを作るのもよくわからないのですが、ケチャップで「LOVE」の字を書いたりします。そうなると、彼女が早起きして作ってケチャップで文字まで書いてあるオムレツを、彼氏は完全に冷めた状況で食べるわけですか。知らんけど。
なお、これはアルバム曲なのですが、明るい曲調でユニゾンがバッチリ、要所でハーモニーも決めるというまことにキャンディーズらしい曲です。私はスマホのアラーム音にこの曲を使ってたりします。ちなみに私はタマネギ入りのオムレツは好きではありません。
もう1曲は石川ひとみさんの「マーシーシチュー」。これは「午後のデートをぼんやり待ってられない」という彼女がシチューを作るわけですが、私はいまだにマーシーシチューがどういうものか知りません。曲の内容から想像するにタマネギとかロリエとかコーンスターチが入ってることだけはわかりますが。
これは3rdアルバムの「ひとみ・・・」に収録されてて、レコードではそのB面がナレーション入りで、デートに出かける女の子の朝から帰り道までの様子が綴られています。その2曲目がこれなのですが、「彼の苦手なセロリは入れずに作る」とか「彼をまいらすコツ」とかあるので、明らかに彼氏に食べさせる前提になってます。
しかし、この後出かけて町で待ち合わせ、その後ディスコに行って、最後は彼氏に送って貰うという流れ。ここでのシチュエーションもB面1曲目の「ひとみの朝」という曲から察するに、実家にいて最低母親とは同居してるのが確実なので、夜中に送ってくれた彼氏を部屋に引っ張り込んでシチューを食べさせるという話ではないんですね。
ということで、この時作ったマーシーシチューはどうなったのでしょう? と、深く考えるような問題ではないですか。何よりも私の場合「マーシー」と聞くと田代マーシーを思い出してしまうのでいけません。先日「マーシーの薬物リハビリ日記」という本を読んだばかりなので。
いずれにしても、彼氏が家に来るにしてもデートで外に出かけるにしても、その午前中の女子はおめかしに忙しいわけで、実際は料理なんかはしないだろうと大人になって思うのでした。アイドルポップスに夢を見るのは若者の特権ですね。(なのか?)