9年前に弟が亡くなった、
58歳の若さ、残念だった、
その13年前、45歳の時に,S字結腸癌の手術で、2つの大きな病根をとった、
弟抜きで医師の説明を受けて、
悪いところは全部切除しましたが、肝臓にも転移している様子、
長くて1年かな?・・・・・
言えない、姉と相談しても、本人には、やはり言えない!
あと1年かも、なんて言えない!
抗がん剤も使わず、好きなことをやらせてくださいと主治医、
傷口がふさがり、本人がやりたいならとゴルフOK,
お酒も少しなら、たばこもやめられないならOK,
そっか!もう残り少ない命、なんでもあり・・・・・なの?
1年、2年、そして13年目、
体調を崩した、再発?
緊急入院、どこにもない、がんが消えている??
その代わりに小腸がふさがり、真っ黒に変色していて、
どうにもならなく、11時間かけて全摘出した、
「腸閉そく」だった、小腸を摘出したら、生きてはいられない、
医師から、半年かな?と告げられ、
食事はもうできない、一口も、もう一生何も食べられない、水も飲むことができない、
氷と飴をなめる事だけ許された弟は
半年の治療を受けて、亡くなった、
今回もやはり告知できなかった、
言いたいことがあるだろう、
入院中、こんな姿は友達に見せたく無い、
もう少し元気になったら、来てもらうよ!
一番近い友人が二人、顔を見せてくれるだけ、
会っておきたい人いたんだろうに!
どんな風に終わりたい?
あったのかもしれない、
勝手な姉と私の考えだけで、決めてしまった。
9年たった今でも、それでよかったのか?
考える。
弟は気が付いてなかった?
「もう何も食べれなのよ!」そんな言葉に、
「大丈夫だよ、この病気にあう食べ物があるはず、
退院したら、研究してみるよ、
今一番食べたいもの?そうだな、俺の特製和風ハンバーグかな?」
調理人の弟はそう言った。
紫陽花のが満開の雨の夜、弟は亡くなった。
ごめんね、教えてあげたほうが良かった?
bonji