子供の頃から家にテレビがあったが、昔の真空管式のラジオもあって夜にラジオ放送を聞くのが好きだった。
真空管式のラジオは、アンテナとして長い線をつなげばAM放送がいい音で聞こえていたし、短波放送も聞くことが出来た。
短波放送は、夜になると外国の放送が聞こえるので耳を澄ませて聞いた。
ノイズ混じりの音で、フェージングを伴うので信号が弱い時などは何を言っているか分からない。
それでも一生けん命に聞いた記憶がある。
中学生になって同じようにラジオを聴く友人の親のつてで、アマチュア無線をしている人のところへ遊びに行く機会を得た。
大きなアンテナが自宅にあって立派な受信機を目にした。
初めて見るすごい設備で、うちのラジオとは全く違う。
昼間なのに沢山の放送やアマチュア無線の通信が聞こえるのに驚いた。
そのときはじめて目にしたものが、アメリカのコリンズという会社のもので75S-3というもの。
とても高価で、その時の大卒の初任給が18,000円くらいのときに価格は680ドルだった。
1ドルが360円の時代だから244,800円で一年間働いても買えないくらい高価。
そのときの印象があまりにも強烈だったので、いつまでも記憶に残っている。
それからかなり経ってから、同じ型の中古の受信機を手に入れた。
時代とともに次から次に高性能なものが出てきて、今更真空管を使わなくても優秀なデバイスはたくさんある。
しかし、昔子供の頃に見た強烈なイメージが頭から消えることがなかったので、どうしても欲しかった。
上ぶたを開けると赤く点灯した真空管が目に入る。
ダイヤルをゆっくり回すと聞こえる海外からの電波。
信号を受信するとメーターがスーッと振れる。
時々こんな古い受信機をさわると、昔ラジオを聞いて遠い外国への想いを巡らせたことを思いだす。
快適化やトラブル事例はこちらに沢山あります。
↓ ランキングに参加していますのでどちらか一つクリックして応援、お願いします。