リチウム化の工事を終えて、これまでの鉛バッテリーと性能や特徴も違うので、簡単にまとめたものを渡した。
特徴については、RENOGYの説明署の中にあるものもあれば、経験的なものもある。
使い方については、既設の機器を使っているのでこのZIL520独自のものも含まれる。
ブログに載せるにあたり少し書き足した。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの特徴
①安全性が高い
安定性の高いリチウム材料を使用しているので、発火や爆発が起こりにくい。
結晶構造が強固で崩壊しにくい。
エネルギー密度は他のリチウムより低いため、穴が開いたり劣化しても発熱白煙までに留まり発火爆発しなくて安全。
バッテリー内部に安全保護システム(BMS)があり、高電圧保護、低電圧保護、過電流保護、高温保護、短絡保護、様々な保護機能が付いており、バッテリーの充電/放電を管理。
②長寿命、低自己放電
充放電回数は4000サイクルで、貯蔵と耐久性に優れた性能を持ち、 自己放電は少ない。
鉛蓄電池の自己放電率が月に約20%なのに対し、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの自己放電率は月に1%程度。
容量90%まで電気を取り出せる。
③ 豊富なエネルギー量
同容量の鉛バッテリーと比べて、重量が1/3となり、エネルギー量は通常の鉛蓄電池の4倍近い。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、大電流に強く、持続性もあり、また急速充電を得意としている。
④ リン酸鉄リチウムバッテリーは一般的な鉛バッテリーよりも電圧が0.5Vくらい高い。
(鉛バッテリー 12.8V リン酸鉄リチウムバッテリー 13.3V程度)
⑤ 鉛バッテリーは常時満充電にする方が長持ちするが、リチウムバッテリーは残量が30~50%で保存するのが一番長持ちする。
⑥ 鉛バッテリーは充電で均等化してセルバランスを保つ。
リン酸鉄リチウムバッテリーは充電の度に満充電する必要はないが、セルを満充電にして電圧をそろえることによりセルバランスが崩れるのを防止する。
満充電になってそのまま電圧を掛けるのはセルにストレスを与える。
⑦ リチウムバッテリーは低温に弱く、放電はマイナス20度くらいまでは可能。
充電は0度以下ではリチウムバッテリーの性能劣化を招くので、一般的にはBMSの設定で充電できなくしている。
リチウムバッテリーの使い方について (このZIL520独自のものも含まれる)
① キャンピングカーを使わないとき(自宅)は、ソーラーパネルの充電をオフにする。
ソーラーパネルは毎日満充電(14.4V)まで電圧を上げるのは必ずしもリチウムバッテリーのために良くない。
② 長期間使用しなかった場合は、満充電してから使用する。
長期間使用しなくて、バッテリー残量が少ない場合に残量が10%以下まで使うとセルバランスが崩れやすい。(残量20%以上で充電することを推奨)
③ キャンピングカーを長期間(数か月)使用しない場合は、リチウムバッテリーは使用しない状態(バッテリー自体の電源を落とす)にする。
そのときのバッテリーの残量は30~50%が理想だが、30~90%で可。
④ バッテリーの残量が少なくなったら電子レンジ等の大電力を使用するのは控える。
その場合は、エンジンを掛けて走行充電をしながら使用する。
⑤ 月に一度は満充電(ソーラー、走行充電、すぐれもの充電器、AC充電器)を行い、セルのバランスを整える。(長期間使用しない場合は別)
このときに、バッテリー電圧を14.2V以上に上げる。
⑥ 自宅に駐車中にキャンピングカーの冷蔵庫を使用する場合は、AC電源に接続してキャンピングカーのメインスイッチを入れる。
すぐれもの充電器が鉛バッテリーのフロート充電状態を維持(13.2~13.3V)
このとき、鉛バッテリーの場合は満充電だが、リチウムバッテリーの場合は電量は80~90%の状態。
すぐれもの充電器はバッテリー電圧が13.2V以下にならないと働かない。
メインスイッチ ON (バッテリープロテクターが働いてキャンカーの電源が入る状態)
バッテリーの電圧が13.2V以下になると、すぐれもの充電器が充電を開始し、13.3V程度で停止する。
メインスイッチ OFF
バッテリーの電圧が13.2V以下になると、すぐれもの充電器が充電を開始し、14.4V程度まで電圧を上げて満充電を行う。
⑦ リン酸鉄リチウムバッテリーの充電は摂氏 0~55度 放電はマイナス20~60度の範囲で行う。
リチウムイオン電池は低温で充電した場合、正極から出たリチウムイオンが負極に吸収されにくくなり、リチウム金属が析出し事故が発生しやすくなる。
また高温だと充電電流による温度上昇で電池が高温になる場合がある。
今年も早くも新潟は大雪となっている。
冬にリチウムバッテリーを取付けるときにはじっくりヒーター付を検討するが、夏ではとかく大目に見がち。
気温が0度を切る地方に住んでいるならヒーター付にしたら何も考えなくていい。
ヒーターが筐体内のセルにまかれているので昇温も早い。
リチウムバッテリーは軽いといっても、こんな固まりが一旦冷えたら外側から少々温めてもすぐには温度は上がらないのは容易に想像できる。
ブロ友さんのキャンカーリチウム化はこれでいったんは終了だが、暑くなってからバッテリー室のダクト工事か、換気ファン取付け工事が発生するかもしれない。
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リチウムバッテリーを零下で使うとよくないといわれていますが、どんなふうになるか今一よく分かりません。
また事故につながる場合はどうなるのでしょうか。
やはりヒート付にしたほうがよさそうですね。
寒い地域の経験値は少なくキャンかーバッテリー庫
の温度がマイナス10度以下には簡単になるのでしょうか 床からの冷えがどのくらいなのか想像もつきません
逆に夏の暑い時期には充電装置や インバーターの熱で50度位にはなりそうですね 経験では庫内でファンを回して50度を超えたことはありません。
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デンドライト(樹枝状結晶)という木の枝のような結晶が内部に発生し、バッテリー性能が劣化します。
するとセルバランスが崩れて充電しても特定のセルが電圧暴走して全体のバッテリー容量が少なくなります。
極端な例では、セパレーターを突き破って内部でショート(短絡)を引き起こして使い物にならなくなるらしいです。
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やはり切羽詰まらないと浮かびません。
営利目的ではありませんし、また責任も取れません。
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