Canal'sブログ

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ハンターカヤック2HP使い始めレビュー

2021-06-02 | ハンターカヤック2HP

ハンターカヤック2HPを買って3か月が過ぎた。

艤装も一段落つき、天候と睨めっこしつつ釣行計画を実行している最中だ。今年は梅雨の入りが早くガッカリしたが、幸いなことに週末と晴れの周期が良い具合になり、日焼けした顔が元に戻る暇がない。

何度か釣行に使ってとても気に入ったので、現時点のレビュー(感想)を書いておこう。

(1)製造販売元(フォーシーさん)のサポート

 マリン業界、特にプレジャーボート関係は良い印象をもっていなかったが、フォーシーさんの対応は素晴らしい。製造工程でハルにピンホールが空いている可能性があると連絡があり、迅速に交換していただいた。ホームページには1年保証、生産物賠償責任保険加入店と書いてあるが、表記に偽りなしである。他にも細かな部分での質問やパーツについても、迅速に対応していただいた。感謝である。

 とあるカヤック販売&スクールのユーチューブで、初心者向けのカヤック購入ガイドの説明映像があった。カヤック新艇の2割位は、浸水等不具合があるので、販売店で見極めてお客様に提供している旨の説明だった。2割も不具合があるのかと驚いたが、命を預ける艇なので、信頼おけるショップで買うべきだと、購入後に強く感じた。

 

(2)艇の安定性

 スモールボートやカヤックの経験がないので、ピント外れな事を書いているかもしれない事をまず記しておく。

 エンジンをつけるとサイドフロート推奨とあったので、純正のサイドフロートをつけている。価格が高い純正にした理由は、速度とバランスのとれた安定性を求めたからである。艇のスペックは長さ280cm、幅83cm、重量32K。長さも幅もこころもとない。しかし安定性は、他のFRP、ポリのスモールボートに比べて遜色ない。しっかり取り付けることができ、バランスを配慮された純正サイドフロートの恩恵が大きいのであろう。スモールボートの仲間と一緒に微妙に厳しい海況で海に出たが、不安を感じる場面はなかった。海峡で潮波が立つ場所、大型船や漁船の引き波も特に問題はない。

 一度、バウ沈した事があった。波がたつ堤防先端部分に全速で突っ込むという、バカな真似をしたからである。しまったと思ったときは遅くバウが波に突っ込み海水がコックピットに大量にたまった。不沈構造と後述する自動排水機能があるので、慌てる事はなかったが、艇の船形と短さが裏目にでたのが原因だったのだと感じている。波切と抵抗を少なくするために船首はスマートだが、その分、波に突っ込みやすい。短い艇なので、追い波で船首は下を向き操船に神経を使う。ただ、船形や長さは、あっちを立てればこちらが立たずという面があるので、船形に応じた操船を心がければ問題ないだろうと考えている。

 頑丈さという点では、すでに実績ありである。フォーシーさんのユーチューブでは、落下や打撃試験をされているが、自分でも試した。試したというよりミスをしてカートップする際に倒してアスファルトに打ち付けてしまったのである。しまったと思って艇をチェックしたが、スリ傷程度で済んでいる。その後海に出ても浸水はない。

(3)特筆すべき自動排水機能

  水面に近い艇なので、向かい風や波の立つ場所では海水がコックピットに侵入してくる。おそらく他のスモールボートやカヤックも同じ状況なんだろう。カヤックはスカッパーホールがある艇が多いので、そこから自動排水できるのであろうか。スモールボートはシングルデッキだと自動排水機能を実装しているという話を聞いた事ない。ビルジポンプをつけたり、バケツや灯油ポンプでしのいでいると聞いた事はよくある。

  ハンターカヤック2HPは走らせる事で負圧による自動排水機能となるが、これがとても便利である。走行中に波が打ち込んできても気にする必要はない。荒天の時の心の余裕となり安全にもつながる。

  艤装をシンプルにするため、余計なものをつけず、コックピットで魚を〆る。魚を〆た後に清掃するのはバケツで水を汲んでコックピットに流して少し走らせれば排水されて綺麗な状態になる。

 

(4)走行性能

  フォーシーさんがアップしているユーチューブのデモ映像を見ると、2馬力でもかなり速度が出ている。艇の形状からプレーニングしやすいのであろう。かなり期待していた。

  しかし、ホンダ2馬力と私が乗ったハンターカヤック2HPは、せいぜいMax8-9Km/hである。もうすこしエンジンパワーをあげるか、プロペラのピッチをあげたらプレーニングできるかもしれないと思うが、艇に予備検はついていないので馬力を上げる事はできない。プロペラのピッチは他メーカーのものを付けたら上げる事はできるが製造中止しているそうで、中古でも高い値段で取引されている。効果もあまり期待できないので、面倒になり試していない。自分の体重を落とすのは病気でもしない限り無理だし、艇に乗せている荷物も最小限に絞っている。

  仲間と海にでても、置いていかれる事はないし、まぁ、期待しなければ、特に問題ない。ゴムボートでもジョイクラフトから2馬力でプレーニングするという艇が出ているが、体重と荷物を考えると難しいであろう。

(5)カートップボートとして

  スズキエブリィにタフレックのルーフキャリアをつけて、艇とサイドフロートをカートップで積載している。頑丈にできている艇なので、若干重たいが、一人でカートップするのも苦痛になるほどではない。エブリィカートップにはジャストフィット、そして、私のように初老に近い年齢でも優しい艇である。

  ただ、一人で担ぐ事はかなり難しい。ロープをかけて担ぐ事はできるかもしれないが、長さと幅がある32Kgは結構体に堪える。人間歳をとると重たいものは持たないに限る。関節や筋力は若いころと比べてかなり劣化していると考えてよい。