入家の儀式も終わり、新郎新婦とインドのご両親は次の披露宴の準備で忙しくなる。
披露宴は1週間後と聞いていたので、我々夫婦は結婚式の儀式のみ参加し、披露宴は参加しない。披露宴は時間も長く人が多いタフな儀式みたいなので、慣れない我々夫婦は足手まといになるだけだろう。
その貴重な二日間、婿殿と娘がパトナ観光に連れていってくれることとなった。動物園はどうか?と提案されたが、動物園のトラや象を見ても面白くない。有名な仏教の聖地ナーランダに行きたいと思ったが、遠くて時間がかかるらしい。忙しい娘夫婦をそんなに拘束できない。
ググってみた結果、パトナ市内の以下の観光をお願いした。
・ガート
若いころインドを放浪した友人の菊池さんから「ぜひガートをお勧めする」と言われていたので、ガンジス川にあるガートで右手だけでも沐浴をしたいと思った。
・博物館
その土地の歴史や文化を知るには博物館が一番。
・シク教寺院
パトナ・観光 でググったら、シク教寺院がトップに出てきた。白い綺麗な建物で一見の価値はありそう。シク教も日本ではなじみが薄く一度見てみたい。
ビハール州博物館
入館の際にセキュリティチェックがあり、大きなバッグはクロークに預ける必要があった。ペットボトルの水もセキュリティを通過できない。
入館の費用は婿殿が払ってくれたが、外国人とインド人では、かなり値段の差があった。
入館してまずは展示エリア全体の説明があるエリアで婿殿の説明を聞く。
大まかにムスリムが支配した時代とイギリスが支配した時代、その他と別れており、古代からイギリス統治後までの展示がエリアを分けて展示・説明してある。
本物かどうかわからないが、昔からのものがよく残されているもだと感心した。
展示の説明は英語とヒンディー語。google翻訳&googleレンズを使って翻訳し説明を読んだが、電波の入りが悪いところもあって大変だった。せめてWifiが解放されていればと思った。
ムスリムの時代、イギリス統治時代に、ヒンズー教や仏教の寺院や聖地は破壊されて復元という歴史もあり、イギリス統治時代には海外に出て行ったインド人もいて、移住先各地で連携したコミュニティをつくって子供たちに文化を継承していった旨の説明もあった。
博物館の中は清潔で、博物館の建設には日本の会社もかかわったらしい。「ひまわり」という発電システムの説明もあった。日本に帰国して調べたら槇文彦さんという日本で著名な建築家も関わった建物だったようだ。
現代美術の展示もあった。
パトナにいる日本人は珍しいのか、休憩していたら話しかけられ一緒に写真をとらせてくれと頼まれた。
日本語で「ありがとうございます」と子供からお礼を言われた。
また、子供らのお父さんから、「希望があれば、どこでも案内しますよ」と提案されたが、この後娘と会う約束があると言って断った。
博物館のおかげでインドの知識が増えたと実感できた。
ガート(沐浴場)
ガートに行きたいというと、「バラナシで言ってくれたら案内したのに」と婿殿から言われた。結婚式の後だったので疲れていたのと、事前に宿泊する場所もしらなかったので、計画できず断念したのだ。バラナシのガートは日本人の観光客もよく訪れており、ブログやyoutubeで見ることができたが、正直結婚式の後の疲れたタイミングで観光しなくてよかった。疲れて集中力を欠く中スリや病気の方が怖い。
パトナのガートにいくと、人は比較的すくなく、気負いせずにゆっくりと見学できた。
残念ながら沐浴している人はおらず、祈祷している人は数人いらっしゃった。
ボートはチャーターできるそうだが、人をのせすぎて沈没して死人がでることもあると聞かされた。私は乗ってみたかったが、汚く古い船を見て嫁さんや娘は嫌そうな顔をしている。こりゃ無理だな。
川で洗濯するのは日常の風景みたいで、川べりにはたくさんの洗濯物が干してあった。
家族の反対を押し切り右手だけ沐浴したが、車に戻ってアルコール消毒液を渡され消毒するように勧められた。
機会があれば、1日ガートで観察してみたいと思った。
シク教寺院(Sahib)
喧騒と渋滞の中、シク教寺院へ到着。
ここは靴を預かってくれるサービスがあって助かった。寺院に入るたびに靴を紛失しないかヒヤヒヤしていた。嫁さんは足の甲を疲労骨折しており、固定具を靴にいれている。固定具を無くすと大変なので、靴を脱ぐ際はバッグに固定具を入れていた。
シク教寺院に入る際は、頭を隠す必要がある。自分はたまたまバッグに風呂敷をいれていたので、それで頭を隠した。
寺院では、昼食の無料施しがあり、ご馳走になった。床に直に座ってごはんを食べるのはインドスタイルらしい。
うっかり生野菜を断れなかったので、どうしようか悩んでいたら、婿殿が食べてくれた。生野菜はお腹を壊す可能性がある。そして残すのはダメらしい。
食事を食べた人は、食器を洗ったり、野菜の下ごしらえの手伝いをするらしいが、我々は異教徒の観光でもあり、気後れしてその場を後にした。
寺院の建物の中では礼拝の儀式が行われていた。写真は禁止と書いてあったので、写真はとらなかったが、寺院の人が、寺院の中を説明してくれて、寺院の出口で寄付をお願いされた。
寺院の中で供物となるお菓子を買って、再び礼拝堂に行き、お菓子の一部を供物として提供。残りは自分らで持ち帰って食べるという習わしのようだ。
寺院の出口には、ドラえもんがいた。
オートリキシャ試乗
市内でスーパーに立ち寄った後、オートリキシャに試乗させてもらった。
なかなかスリルがあり面白い。狭くて混雑したインドの道にはうってつけな乗り物だろう。狭い道と言ったが、通常道は広く、屋台や駐車車両が道を狭くしているだけである。
ヘビーなインド旅行は、そろそろ終わる。