小学生の修学旅行以来、約30年ぶりの伊勢神宮。
ここ外宮の「豊受大御神」の正宮を囲っている木の壁が、唯一記憶に残るもの。
あとは二見の夫婦岩付近のお土産屋さん。
身体もトホホな「後厄」にあたる42歳で再度来てみると、
なるほど、ここがパワースポットと呼ばれることを実感。
表参道から正宮に続く御道にある第一鳥居。
もうここだけで圧倒。
途中の木陰から、不思議な光りの反射が・・・
見上げると樹齢500年はあろうかと思われる大木。
しかも地上約5mくらいで二股に分かれてる・・・
ヒェ~っ。
極めつけは正宮の前にある、三ツ石。
手をかざすと、ピリピリピリってくるねんよ。
あったかい感じもするねん。
もう、超パワースポットだ。
首と腰に入念にパワーをすり込んでおいた。
いにしえに、幾多の参拝客が行き来した、
この石畳一つ一つに歴史の重みを感じます。
エイっ!
最初は、「伊勢うどん」。
「腰がなくてやわらかい」という前評判。
腰がない、というより、滑っとした食感。
湯に入れた白玉っぽいかな。
いづれにしても、真っ黒な出汁は、鰹風味が効いてて、
意外にさっぱりしている。
その出汁がやわらかうどんに染み入って、
なんとも絶妙な旨さを醸し出していた。
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伊勢の名物といえば、赤福餅だけど、
実は「ういろ」が有名。
ここ虎屋は大正13年(「ういろ」は昭和13年から)創業の老舗。
名古屋の「ういろう」とちょっと違う感じ。
あのもっちり感は少しばかり控えめで、味もあっさりしてて、
これまた美味しい。
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おかげ横丁にある「豚捨」。
ここの「牛丼」は、かねてから情報収集してたので、
満を持してGO。
甘すぎない程度に絡められたタレが、
「伊勢牛」と呼ばれる、やわらかいお肉に絶妙に絡まっていた。
超絶に旨い、というわけではないが、そんじょそこらの「牛丼」とは
ひと味もふた味も異なる、質の高いしっとりした甘さと兼ね備えた一品。
“豚捨”。なんてふてぶてしい屋号だろうか。
その昔、豚を飼っていた捨吉という男が食肉店をはじめた。
人読んで「豚捨・・・ぶたすて」。
それがいつの間にか屋号になった。
ところがおかしな伝説も生まれた。
この店の牛肉があまりにもうまいから「豚なんて捨てちまえ!」と客が豚肉を投げ捨てた。
というのが豚捨のはじまりだという。
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伊勢に行く前日に発見した「スイーツ」。
「はんじゅう」だ。
まぁ、「御座候(回転焼き)」と近いものがある。
皮はほんのりと甘くてもっちりした食感で、
ぎっしりつまったコシあんと味のアンサンブルを奏でていた。
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あと、「地ビール」。
神都麥酒
フランス産のペールモルトを中心に、その他2種類ほどをブレンドし、
伊勢志摩産の古代米(黒米)を使用してるそう。
ちょっと薬っぽい味が、たまらなくハマル味だった。
さて、最後に、「宿」。
今回、ネットでいろいろ調べたところ、これといった安宿がなかったのだか、
ここ「星出館」なる民宿が「マクロビオ食」を出してて、一泊二食で7000円ほど。
これはよさげと思い、ここに宿泊。
築85年のその宿は、確かに内装や外見など、昭和レトロな味を染み出させていた。
ここは外国人の客も多いらしいが、この時期は閑散期。
そして、宿の客は、我々のみ・・・・
宿の女将さん、ひとりで切り盛りしてる状態。
確かに「ごはん」はマクロビ的。
でも、アジの干物や普通の漬物など、ほかはいたってシンプルな民宿飯だった。
まぁ、美味しかったけど・・・・
とにかく、ここの女将。
超個性的。
ざっくばらんでフランク、
決して一流宿のサービスなどを期待してはいけません。
そうすれば、きっと「昭和レトロに浸れる安宿」になるでしょう。
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まぁ、しかし、ここ伊勢市。
時期外れということもあるでしょうが、「限界都市」を彷彿させる、
終わってる感が漂ってました。
もちろん、伊勢神宮は今も昔も変わらずにステキなところ。
レンタル・サイクルを借りてまわれば、一日(僕らは半日)で充分に
外宮・内宮をゆっくりまわれます。