上海湖心亭の安渓鉄観音
鉄観音を淹れて写真を撮ろうかと思ったんですが
あまりの暑さにお湯を沸かす気力もなく…
旅行時の写真で代用
この所、中国歴史ドラマ「康熙王朝(こうきおうちょう)」を見ています。 主演の陳道明(チェンダオミン)は張芸謀(チャンイーモウ)の「英雄-HERO-」で始皇帝を演じていた俳優さんです。私の中では、ずーっと「続・西太后」の同治帝の情けないイメージが強かったので、この始皇帝っぷりのあまりの凛々しさに正直ビックリしました(笑)。
康熙帝(こうきてい/愛新覚羅・玄/あいしんかくら・げんよう(アイシンギョロ・シュエンイエ))は、太祖・努爾哈斉(ヌルハチ)から数えて4代目、北京に入ってからの皇帝としては父、順治帝(じゅんちてい/愛新覚羅・福臨/あいしんかくら・ふくりん(アイシンギョロ・フーリン))に続き2代目。ヌルハチ、ホンタイジ(皇太極)までは満州族らしい名前ですが、順治帝からは漢族っぽい名前になってますねぇ。
8歳で即位してから、内は重臣の専横、明朝の旧臣・三藩の乱、台湾併合等の諸問題を解決。外はモンゴル部族の懐柔、ロシアとの国境制定、チベットの内紛への介入等、清朝の基礎を磐石にした皇帝。唐の太祖李世民(りせいみん)と並び賞される名君ですね。
これまでも康煕もののドラマは数本ありましたが、康熙王朝は内容も硬め。所々中国の歴史文化を理解していないと解らないシーンもありますが、大まかな歴史の流れを知るにはいいドラマだと思います。相変わらずBGMのセンスの無さは正統派中国ドラマって感じですが(笑)、でも、最近の中国ドラマは格段に質が向上しましたよねぇ。昔のチープな作りも味があって好きですが、歴史ドラマは洗練されている方がいい。
「康熙王朝」には、時々市井の茶館や自室でお茶を飲むシーンがあります。多くは北京のシーン。蓋碗をすすっているだけなので、何を飲んでるのか判らないんですが(笑)、身分の高い人ばかりなので、多分緑茶を飲んでるのかな…。満州族の漢族化は凄いですよねぇ。
台湾制圧の辺りは福建に舞台が移るので、鉄観音が登場します。福建総督に抜擢された姚啓聖(ようけいせい)は元々福建の出身。大のお茶好きで、総督就任早々、在地の部下に「献上茶のいい物はあるか」なんて聞いたり、自ら鉄観音を淹れて同僚に振舞ったり、急須(茶壷)に口をつけて直接お茶を飲んだりと、結構興味深いシーンがあります。ここまでやるってことは、姚啓聖は無類のお茶好きって記録が残ってるんでしょうねぇ。(清代の歴史は詳しくないので…(^_^;))
急須はその形状から、元は文人の使う水差し(硯に水を足すもの)だったのではないかと、お茶関係の本で読んだことがありますが、急須に口をつけて飲むシーンを見ると、そうかも…なんて思ってしまいます。お茶好き姚啓聖の淹れる鉄観音はかなり濃そうな感じ…。しかし、急須の注ぎ口をくわえて鉄観音を飲むなんて、超弩級のお茶好きですよねぇ(笑)。
中国のおじさん達お茶好きなら普通にやってますよ。
口くわえて直接飲む急須も開発されてるらしいですよ。