ホワイエでコーヒーを飲みながら♪

観劇の感想もろもろな備忘録。
「つれづれな日々のつぶやき♪」からお引越し中。

『泡』ストーリーと感想

2012-07-16 09:42:47 | 劇場・多目的ホール
劇団東京フェスティバル第10回公演『泡』を下北沢OFFOFFシアターにて、7月14日昼の回を観劇してきました。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【作・演出】
きたむらけんじ


【出演】
朝倉伸二、小林美江、雨宮良、高畑こと美、滝寛式、竹尾一真、川俣しのぶ、近江谷太朗


【あらすじに代えて】
公式HPより抜粋。
ソープへ行きたい!
2012年2月。東日本大震災から1年を迎えるにあたり、ボクが放送作家として関わらせてもらっているラジオ番組で福島県を取材しようということになった。さて、どこへ行こうか…。行くなら、あまり大手メディアが取り上げないような視点で取材したい。いろいろな案があるなかで、ボクが引っかかったのは「小名浜のソープランド街が一時期、原発事故復旧のための作業員たちで大盛況だった」という噂。
調べてみると、盛況だったのは、復旧作業が本格化した5月から6月にかけて、ほんの2ヶ月足らずのこと。それ以降は、東電から作業員たちに対して夜間の外出禁止令が出たため、ソープ街から人通りが消えたという。震災と津波、そして原発事故で、あらゆる産業が大打撃を受けて復旧もままならないといわれていた頃、ほんのいっとき活況だった街がある。
そこから見えて来る震災の姿があるのではないか…。「小名浜のソープへ行きましょう!」こうして小名浜行きが決まった。
人生は「泡」を避けては通れない
「ソープランドで人気No.1の泡姫(ソープ嬢)は美人とは限らないんだよ」。取材を終えて帰り支度を始めたボクたちに、ソープランドのオーナーは語ってくれた。では、どんな泡姫がNo.1なのか? ボクらは帰り支度の手を止めてオーナーの話に聞き入った。その答えは、すべての社会人に当てはまる「仕事の真理」だった。その瞬間、ボクはソープの世界に引き込まれた。それから1ヶ月後、再び小名浜の地にいた。目的は戯曲執筆のためという個人的なものへと変わっていた。漁業関係の方からは東京電力から支払われている休業補償の実態や、小名浜のソープ街と漁師のつながりについてお話を伺った。さらに、別のソープランドでは復興と風俗店の意外な関係を知ることになる。そうした取材を通して、ボクはひとつの視点を手に入れた「人生は泡を避けては通れない」それはいったい、どういう意味か?OFFOFFシアターでお確かめ下さい。


【ストーリー】
東日本大震災後の福島県小名浜のソープランド「艶姫」。そこの店長、女将、ソープ嬢、お客たちが繰り広げる悲喜こもごも。


【感想】
客入れの曲が、猪苗代湖ズ「I love you & I need you ふくしま」がかかっていて、なんだかそれだけでぐっときてしまった。
震災による傷跡を残したままのソープ「艶姫」。だけど、風俗店ということで融資がおりずに、結局、店長が定期を解約してリフォーム費用を捻出したり。操業できない漁師たち。仮にできても小名浜に水揚げするとそれだけで価値が下がってしまう…。
知らなかったことが多いことにも愕然としつつ、現在進行形の復興と現実の厳しさを、笑いに包みながら最後まで観せてくれた。
脚本と演出によっては、暗く、やり場のない怒りと憤りが渦巻いてもおかしくないお話。それを、決してそうはもっていかずに、伝えたいことは伝え、希望を残したラストにしたのがとてもよかったと思った。
役者たちは映像でもおなじみの方々も多く、芸達者で上手い!とても、台本の仕上がりが遅くて台詞をいれるのが大変だったとは思えない仕上がりだった。(出典:近江谷太朗のブログ♪)
個人的には、雨宮良さんのミルク(辛子添え)を飲むシーンがツボ。ご本人も意を決して飲んでいるさまがよ~くわかったし。
近江谷太朗が演じるソープの常連さんがあまりにも似合いすぎて、とてもついこの間まで、キャラメルボックス『容疑者Xの献身』で天才数学者石神を演じていた同一人物とは思えなかったほど。


【余談】
OFFOFFシアターは今回がお初。キャパ80足らずの小さな劇場で全体の狭さといい、照明の感じといい、あ~なんだか大学の演劇サークルを思い出した。
キャパが小さく公演日程が少ないうえに評判がよかったようで、当日券もあまり出なくなっていたとか。
公演のフライヤーはきたむらけんじが小名浜取材の際に撮影した、街の風景を加工をしたものだそう。昭和レトロなタイル貼りのむき出しになったお風呂場が映っている。なんともいえない気持ちになる…。
忘れないこと。考えること。行動すること。
今もそしてこれからもきっと、大切なこと。。

キャラメルボックスの岡田達也も観劇にいらしてたそうだ。(出典:近江谷太朗さん&岡田達也さんのブログ♪)はい、全然、気づきませんでしたぁ~残念。

この記事をアップしてからしばらくして、劇団東京フェスティバルのHPにふらっと行ってみたらば、あら?ここが、「舞台『泡』お客さまのご感想」の記事にリンクが貼られていた。びっくりするやら気恥ずかしいやら。。
それはそうと、どうも来年、再演されるらしい。では、また行かねばなりませんね~♪


【画像いろいろ】

パンフレット&チケット♪




たくさんのフライヤー♪劇場ごとに違うテイストなのがおもしろいところ。