ホワイエでコーヒーを飲みながら♪

観劇の感想もろもろな備忘録。
「つれづれな日々のつぶやき♪」からお引越し中。

今年のる・ひまわりは太っ腹!またも無料配信決定のお知らせ♪

2020-10-27 11:41:55 | 配信
今年はこの時節柄、たくさんの公演、イベントが中止や休止、延期に追い込まれていてキャストやスタッフ、関係各所に多大な不安と損失を与えたことと思います。そんな中で、演劇・映画・イベントなどの企画、製作、運営、宣伝 を行う会社る・ひまわりが公式YouTubeで過去の演劇作品を有料配信や無料配信をして下さっています。
ありがたいです。。感謝です。

過去の2作品を一日限りですが、無料で配信することになったそうです♪
すでに1作品は配信済みですが、もう1作品あります。ご興味のある方は是非♡


2020.10.25(日)15:00~23:59 配信 



2020.11.1(日)15:00~23:59 配信



どちらも2.5次元舞台や特撮、ライダー、ジュノン出身の若手キャストが中心の年末お祭り舞台です。今では東宝ミュージカルや帝国劇場、日生劇場の舞台に出演されている方もいらっしゃいます。
悲しいことにこの出演者の中には、すでにお亡くなりになられたり、俳優を廃業された方もいらっしゃいます。時の流れというのは哀しくもあり、残酷でもありますね…。

実は『晦日明治座 納め・る祭』は事前イベントの『納祭塾』にも参加したのに、その直後に体調を崩して公演に行けなかったという苦い思い出のある舞台です。確かその後に行われた上映会には行ったと思います。

『大江戸鍋祭』は気になっていて、どうしようかな~と迷っているうちにチケットが完売してしまい劇場では観られなかった作品です。リベンジでDVDは購入しましたけどね♪

どちらも改めて観られて嬉しいです~♪♪ ありがとう!るひま♡
今年の年末お祭り舞台『忠臣蔵 討入・る祭』も観劇予定に入れています♪
公式サイトはこちら。 → 『忠臣蔵 討入・る祭』
どうかどうか、中止や休止になりませんように~。体調管理して観劇に備えたいと思います。



『ZEROTOPIA』ストーリーと感想

2020-10-10 15:19:22 | テレビ
WOWOWライブで2020.9.17(木)放送の舞台 地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15『ZEROTOPIA』を録画したものを観ました。
感想を備忘録として書きます。

※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【番組の詳細】
岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット「地球ゴージャス」の2018年公演。柚希礼音、西川貴教、新田真剣佑ら豪華俳優陣が集結。今回はWキャストの宮澤佐江の回を放送。 


【ストーリー】
大き豪華客船が沈んだ…。生き残った人間達が辿り着いたその島は、地図にない、色彩もない島だった。
打ち上げられた男女数名はそれぞれ心の奥底に、過去に体験した地獄に対する怒りや憎悪を秘めていた。罪を隠す女、恨みを隠す男、悲しみを隠す男、狂気を隠す女、何も隠さない男、そして企みを隠す男。
 ひとつひとつ剥き出しになっていく彼らの隠された過去。そして彼らは知る。客船は沈没したのではなく、沈没させられ、この島に流れ着かされたのだと…。色を失った地図にない島に…。
彼らは何故集められたのか?心の奥底に巣食う闇を抱えて生きてきた彼らに、魔の手が近づく…。


【感想】
美術はとてもシンプル、見上げる断崖絶壁と海岸。岩肌に絡みつくように生長した大木の根。時折、聞こえる波の音。転換はほとんどない。
オープニング。背景に白い布、プロジェクションマッピングで蛍光グリーン、ブルー、赤の光が波打つように映し出される。西川貴教の歌唱とバックダンサーが踊っている。ここから物語が始まる。

地図にない、花も咲かず色彩のない島に流れ着いた彼らは、次第に交流して助け合って暮らしていく。彼らの命を繋ぐのは、客船に残された食料と島にふんだんにあるヤシの実だ。実はこのヤシの実は恐ろしい陰謀の鍵だった。
ドラキュラのような姿の謎の男(ヒュー)が現れ、彼らを過去の世界へ誘い、心を揺さぶる。忘れようとしていた、封印していた過去を掘り起こしていく。
ジュンに言う言葉が残酷だ…。「捨てきれなかった夢と残酷な現実。苛立ちがつのる」と。辛いな…。
彼らは過去に地獄を見てきて心に闇を抱え、心に開かずの扉が生まれた。この扉をこじ開けさせたのは、ヤシの実に含まれる脳に作用する化学物質だった。悲しみは憎悪に、そして怒りへと変容する。これこそがヒューの狙い。実験の最終段階だ。
ただ、ワンだけは全く効かない。彼には辛い過去がない。楽しく生きてきたから。ワンはヤシの実を捨て、皆の呪縛を解く。
この島は最新の化学兵器工場の島だった。人の心の怒りを抽出して、最新の化学兵器を製造する計画を実行している。
怒りを抽出されると感情がなくなる。人に危害を加えることのない無害な生きものになる。「平和的正義」の名のもとに。誰のため?それはもう人間ではない。
怒りを爆発させヒューたちと戦うロマン。ここで伏線が回収される。オープニングのシーンはここだったのだ。
地球が怒り色彩をなくしたと言うヒュー。ヒューは人類は地球にとってテロリスト、人類にとってヒューはテロリスト。ヒューは全てを“ゼロ”にする“ゼロトピア”を目指していた。
戦いはヒューたちの敗北で終焉を迎える。怒り、憎しみから許すへ、そして“ゼロトピア”を“ユートピア”へと変えていくのだ。
絶望から希望に向かっていくラスト。胸が熱くなった…。

今回も歌唱とダンスのシーンが多く、エンターテイメントとして魅せる舞台。特に、柚希礼音のキレのある魅せるダンスと歌唱は素敵だった。


【余談】
>人に危害を加えることのない無害な生きものになる。「平和的正義」の名のもとに。誰のため?それはもう人間ではない。
佐藤史生の漫画『ワン・ゼロ』を思い出した。コンピューター制御の曼荼羅が人類をカルマから解き放つ装置として登場する。「無害な草を喰む羊たち。それは誰のため?」と疑問を抱き、神と魔の戦いに加わる高校生たちの話。

>ヒューは人類は地球にとってテロリスト、人類にとってヒューはテロリスト。ヒューは全てを“ゼロ”にする“ゼロトピア”を目指していた。
ドラマと映画にもなった『スペック』を思い出した。ガイアの存在と思惑が根底にある話。


【リンク】




『星の大地に降る涙』ストーリーと感想

2020-10-04 15:34:26 | テレビ
WOWOWライブで2020.9.18(金)放送の舞台 地球ゴージャスvol.10『星の大地に降る涙』を録画したものを観ました。
感想を備忘録として書きます。

※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【番組の詳細】
演劇ユニット“地球ゴージャス”が歴史ファンタジーに挑戦。三浦春馬ら人気俳優をゲストに迎え、魅力たっぷりの舞台をお送りする。


【ストーリー】
理想を求める国の戦の中で、たくさんの血と涙が大地を濡らした時代。戦いに敗れ記憶をなくした青年が、流れついた小さな島で、名も無き民と神の子を宿した女性と出会う。
しかし、彼の記憶が戻るとき、そこには悲劇が待っていた…。
 時代のうねりに抗って必死に生きようとする人間達を描く、地球ゴージャス初の歴史ファンタジー。


【感想】
地球ゴージャス25周年祝祭公演『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』 を先に観ていたので、時間的には逆になったがストーリーなどがあらかじめわかっていて、俳優の表情やダンスのパフォーマンスに集中できてよかったかもしれない。

美術はシンプルでほぼほぼ転換はなし。背景は大きなダークブラウンのグラデーションのごつごつした洞窟。岩の間から青い空と海が観える。
この洞窟は左右に可動して、無地の背景にプロジェクションマッピングが映し出される。

ミュージカルとは銘打ってないが、歌うシーンもありミュージカル風だと思う。ダンスシーンも多く、群舞でのキレキレなダンスは圧巻!

印象的なシーンも多い、特に始まりのシーンなど。
ワイヤーで吊られ、叫びながら落ちていく男(シャチ)がシルエットで現れる。舞台奥では大太鼓を叩く男、その前に赤い禿髪、黒い洋装の軍服に身を包んだ兵達。銀色に光る盾と杖を持ち、太鼓に合わせて一糸乱れぬ群舞をする。
浜辺に打ち上げられた半裸の男(シャチ)。彼を見つけた島の女ステラがそっと服を掛ける。
ここから物語が始まる。

島に打ち上げられ、記憶を無くしていた倭人のシャチとトド。時が経つにつれ、次第に島の民タバラと馴染んでいく。
しかし、記憶を取り戻した二人は自分の名前と所属する場所を思い出す。トドは新選組隊長土方歳三、シャチは隊員だった。タバラの民を虐殺し、彼らが「星の大地」と呼んで慈しんできた土地を破壊し、そこから追い立てた張本人たちだった。
理想を掲げ、正義と大義の名の下に行われる虐殺と破壊。それは相手にとっては悪と理不尽の極みでしかない。ここがとても悲しい…。

赤ん坊を胸に抱いたステラが絶望したシャチに言う、「家族をつくるの。そのとき世界は共存できる」。悲しみと怒りの向こうに、微かに見える希望の光が美しい…。

ラスト。虐殺されたタバラの民が生き返り?笑顔で現れ、紙吹雪の雪が降り出す。星の大地に雪が降りそそぎ、大地を真っ白に埋め尽くし再生するのだという。
悲しみの混ざった温かさというのか…。そんな気持ちになった。


【余談】
この作品は2009.7.8に上演、2009.9.19にWOWOWで放送されていて、今回は再放送されたもの。冒頭にこの旨のテロップが流れていた。

三浦春馬はなんて綺麗な澄んだ眼をしているのだろう…。繊細さと感受性の強さが手に取るようにわかってしまう…。
もう、この世に存在しないことが信じられない。
心からご冥福をお祈りいたします。


【リンク】