ホワイエでコーヒーを飲みながら♪

観劇の感想もろもろな備忘録。
「つれづれな日々のつぶやき♪」からお引越し中。

『乱鶯』ストーリーと感想

2021-08-15 16:57:11 | テレビ
WOWOWライブで2021.7.27(火)放送の舞台 劇団☆新感線ゲキ×シネ『乱鶯』を録画したものを観ました。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【ストーリー】
鶯の十三郎(古田新太)は盗賊の頭領でありながら、人を殺めず、女を犯さず、取られて困る者からは決して盗まないことでその名が知られていた。しかし、悪事をたくらむ北町奉行所の与力、黒部源四郎(大谷亮介)の差し金で、一味は皆殺しの目に遭う。十三郎も瀕死の傷を負うが、幕府目付の小橋貞右衛門(山本亨)と、居酒屋・鶴田屋を営む勘助(粟根まこと)、お加代(稲森いずみ)の夫婦に助けられる。
それから7年がたち、素性を隠し源三郎と名乗っていた十三郎は、鶴田屋の板前として働いていた。そこに、火縄の砂吉(橋本じゅん)という盗賊を追っているという御先手組組頭の小橋勝之助(大東駿介)が現われる。勝之助が恩人である貞右衛門の息子だと知り、彼に手柄を立てさせようと考えた十三郎は、砂吉が押し込み強盗を企てているという情報を得て、おかみのお幸(高田聖子)や、女中のおりつ(清水くるみ)がいる呉服屋・丹下屋に潜入することにする。


【感想】
冒頭とラストのプロジェクションマッピング、音楽がとてもよい。雰囲気があり、気持ちがすっともっていかれる感じがする。
良質な江戸の時代劇。CSの時代劇専門チャンネルやWOWOW制作のスペシャルドラマを観ているようだった。泣けた。。

とにかく主演の古田新太がよい! キレキレの殺陣、凄み、立ち振舞いすべてに大人の男の色気が漂う。
他の劇団員や客演もそれぞれ上手いし味があってよい。


『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』ストーリーと感想

2021-08-14 16:46:17 | テレビ
WOWOWライブで2021.7.27(火)放送の舞台『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』を録画したものを観ました。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【ストーリー】
時は江戸時代、将軍は家○の頃。“女歌舞伎”の一座が人気を博しており、看板役者は出雲のお国。お国の夢はお城で将軍の御前で舞うこと。だが、“女歌舞伎“は幕府の取締りが厳しくなってきていた。
死体を買い腑分けをしたい男や売れない幽霊作家、由比正雪の一派やらが一座に関わり絡まりながら物語は進んでいく。
やがて、一座は『足跡姫』という演目をお城で上演することになるが…。


【感想】
ごくごくシンプルな美術、言葉遊び、早口の台詞、早い動きなど、夢の遊眠社からNODA・MAPに続くらしさが全開! NODA・MAP作品の中では比較的わかりやすいストーリーだったと思う。
言葉遊びは早口の台詞が続くので、ぼ~っとしていると聞き逃してしまう。「体臭と大衆」、「(筋肉の)筋と(脚本の)筋」、「母の音と母音」、「生きたいと行きたい」、「足跡姫のアートと足アート」などなど。
お国の体に乗り移った“足跡姫”が、どんどんお国を侵食していくのが怖い…。

ラストシーン、猿若が姉のお国を抱きしめながら発する台詞はカタルシス。

宮沢りえはお国と足跡姫の二役をほぼ同時進行で演じていて、演じ分けも大変だったと思う。美しいビジュアルから出てくる狂気は凄みがある。エロティックなところもいやらしくなく色っぽい。
妻夫木聡(NODA・MAPの常連)、古田新太、佐藤隆太、鈴木杏、池谷のぶえ、中村扇雀らの魅力的で実力のある俳優陣がそれぞれの持ち味を生かしていてよかったと思う。
なかなかないのだ…。それぞれ出自が違い、ホームグラウンドが違うと、全体のまとまりが悪くてざらついた口当たりになる作品も少なくない。変に悪目立ちしている俳優とかがいると最悪だし…。


【余談】
宮沢りえと古田新太はシアターコクーン・オンレパートリー2013『盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-』でがっつり共演していたな~と思い出した。このときの共演者に、後にやらかしてしまった某俳優がいたこともある意味感慨深い。
山下容莉枝は夢の遊眠社の俳優だったな~とか思いながら観ていた。野田作品にはどれくらいぶりの参加だったんだろう?

2012年12月5日に逝去した十八代目中村勘三郎へのオマージュとなっているらしい。野田は勘三郎の葬儀で、今は亡き十代目坂東三津五郎の弔辞のなかで「肉体の芸術ってつらいね、死んだら何にも残らないんだものな」という言葉が脳裏に残り続けていたという。
その場限りで消えていく消えもの。それが演劇。切ないがだからこそ愛しく美しいのだと思う。こんなご時世だけど決して「不要」などではない!と声を大にして言いたい。

『七夕のおはなしと朗読劇』ストーリーと感想

2021-08-08 16:20:16 | 配信
e+で配信の2021.7.17(土)開催『七夕のおはなしと朗読劇』を観ました。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。








【ストーリー】
第一部:「御菓子をあげ・る」 鬼になった王子とお菓子のおはなし
とある国を治める王と王子のお話。王子は王と后、民たちからもとても愛されていた。帝王学を学び、その無理がたたったのか幼くして亡くなってしまう。
寂しさや悲しさを抱えたままの王子の魂は、成仏できずに鬼となり国に災いをもたらす。父王はそれに気づき荒れ狂う鬼に、そっと王子の好きだった“さくべえ”というお菓子を渡すのだった…。鬼は王子へと姿を変えていき、父王と和解し国を守る存在になった。

第二部:「あなたに会え・る」 天女に恋した牛飼いのおはなし
牛飼いの牽牛と天女のなでしこのお話。
牽牛は野心家。「このまま牛飼いで終わるつもりはない!」と某夢の国のようなレジャー施設を作りたいと思っている。
たまたま水浴びをしていた天女たちを見かけ、羽衣を無くしてしまった天女なでしこと恋におちる。彼女は天帝の娘だった。
牽牛はいつまでも蜜月が続くものと思っていたが、なでしこの寂しさそうな様子に不安を覚える。やがて天女がなでしこの羽衣を持ってくるが、なでしこには内緒にして隠してしまった。それが発覚してしまい、なでしこは傷つき羽衣をまとい天へ帰っていってしまった…。

第三部:「空から見て・る」 天の国に住む彦星と織姫夫婦のおはなし
天帝の5番目の娘 織姫と彦星のお話。
織姫は独創的な織物を作る機織り。彦星はグルテンフリーのスイーツを作るかたわら、副業でラジオDJをやっている。運命的な出会いから二人は恋人同士になり、やがて結婚する。
二人は超LOVELOVE♡ 仕事もそっちのけでだらだらと遊び呆ける始末。父の天帝は怒り、二人を引き離してしまう。心を入れ替えた二人は仕事に励み、天帝から年に一度だけの逢瀬を許してもらうことに。
7月7日の七夕の日、二人は一年分の積もり積もった話に花を咲かせるのだった。


【感想】
第一部:「御菓子をあげ・る」 鬼になった王子とお菓子のおはなし
泣けた…。誰も悪くない、でも哀しい。
人の心は仏のようにも鬼のようにもなりえるものだから…。

第二部:「あなたに会え・る」 天女に恋した牛飼いのおはなし
牽牛にいらっとしつつ、織姫の一途さに涙しつつ、そんな男ぽいぽい!しちゃいなよ~と思ってしまう。
野心、一途さ、傷つき、怒り、悲しみ、後悔、改心。いろいろな感情がミックスされていて、短いお話なのに考えさせられる。

第三部:「空から見て・る」 天の国に住む彦星と織姫夫婦のおはなし
一番気分的に楽に観られたお話。チャラそうで実は真面目だった彦星、変わり者扱いされていたのが機織りで自分を肯定できた織姫。
自分にとって大切なことはなに?と問われているような気がする。

林剛史が無茶ぶりされ、困りながらアドリブで歌う姿が可愛い♡ る・ひまわりの年末舞台でもよく見かける姿がまたここに♪
台詞を噛みまくったり、笑いを堪えられなくて後ろを向いたり。これもデジャブ。
辻本祐樹の織姫が機織りするときの「ぱったん、ぱったん」が可愛い♡ 相変わらずあざとい。褒めているよ~。
木ノ本嶺浩は苦悩する表情がよい、滲み出る感じが。
このキャスト3人はいいな~♪ 共演も多いから気心が知れているのだろうし、個性が重ならないところがいいのかもしれないな~。よいバランス♪

おまけのキャスト3人が短冊に書いた願い事。うんうん♪なのもあり、ふふっ♡となるのもあり。叶うとよいね。


【余談】
チケットが速攻完売の瞬殺だったらしい。だろうな~。
真夏だし、この時節がら購入しようかどうか悩んでいたけど、参戦しても100%無理だったと思う。
配信があって嬉しいけど、本音をいえば生で観劇したかったな~。