ホワイエでコーヒーを飲みながら♪

観劇の感想もろもろな備忘録
「つれづれな日々のつぶやき♪」からお引越し中

『シンる・ひま オリジナ・るミュージカ・る~明治座で逆風に帆を張・る!!』ストーリーと感想

2022-04-30 10:25:20 | 配信
『シンる・ひま オリジナ・るミュージカ・る~明治座で逆風に帆を張・る!!』を配信にて観劇しました。配信の公演名は、「『シンる』オンライン振り返・る上映会」です。第一部と演出・出演の原田優一さんの振り返りトークがあります。第二部のショーはありません。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【脚本】
赤澤ムック


【演出・出演】
原田優一


【音楽】
オレノグラフティ


【出演】
内藤大希(W主演)、平野良(W主演)、佐奈宏紀、松田岳、前川優希、櫻井圭登、井深克彦、鯨井康介、大山真志、伊藤裕一、spi、原田優一、小野田龍之介、松村雄基、粟根まこと、辻本祐樹、坂本健児、水夏希


【ストーリー】
時は平安末期、人々は疲弊している。数年前に朝廷が起こした些細ないざこざは、平家と源氏という武士の棟梁たちを巻き込んでの大きな戦となった。
戦は落ち着き、平家の世の中となったが、人々の暮らしはままならないまま。明日を迎えることすら不安なその日暮らしを送っていた。
そんな時代の東国に、源氏の御曹司であった源頼朝が島流しとなった。東国一の領主であった北条一族の次男、北条義時は、父の時政に命令されるまま、頼朝の側近として仕えることとなるが…。
武士の棟梁の御曹司にもかかわらず、すぐに誰かに感情移入しては泣く、涙もろい源頼朝と、東国の天才と謳われるも、辛辣な策略家、北条義時。
周囲に理解されずに生きてきた二人が互いの理解者となった時、東国に今まで吹いたことのない風が吹き始める。
頼朝と義時、二人と、二人が守りたいと願った仲間たちによる鎌倉幕府出航のお話。


【感想】
美術はシンプル。
白と灰色、黒のモノクロが基調。階段の上に踊り場のような舞台、左右にアーチ状の構造物。盆で回転する。
天井付近に大きな雲、そこにプロジェクションマッピングで炎などが映し出される。

オープニングは、たくさんの寒色系のフットライトが放射状に上に伸びて綺麗。

音楽の力はすごいな~と感じた。普段はストレートプレイを観劇することが多いので、なおさらかもしれない。
歌で台詞や感情表現をするので、台詞もストーリーもわかりやすく、す~っと頭に入ってくる。展開が早くてもついていけるのだ。
ミュージカルが主戦場の方々が多いので、見ごたえ、聴きごたえがあった。え?これは本当にるひま?年末の祭りシリーズですか?と思うこともしばしば。すごすぎて。

2013年の年末公演『歳末明治座る・フェア~年末だよ!みんな集合~』 も同じ時代を扱っていた。その時とキャストもかぶっていたので、時々、あれ?この方は○○の役もしてたよね?と思ったり思わなかったり。
安達盛長役の辻本祐樹は『る・フェア』では源頼朝役を演じていて、「政子ぉ~」と呼ぶシーンにデジャブかと。


【余談】
2019年は明治座で観劇できたが、2020年はコロナで劇場での観劇を自粛して配信で観劇。2021年は体調不良で劇場にも行けず、配信も観ることができなかった。残念。
毎年、楽しみにしている舞台だけど、年末は急にくる寒さと忙しさで体調を崩しがち。気をつけてはいても無理なこともある。
今年こそは劇場に、明治座に行きたい! 由緒ある明治座の雰囲気が好き♪ お弁当もおいしいし♪


【リンク】
【シン る・ひま】オリジナ・るミュージカ・る『明治座で逆風に帆を張・る!!』


『象』ストーリーと感想

2022-04-17 10:58:17 | 劇場・多目的ホール
『象』を神奈川芸術劇場KAAT にて、4月16日(土)12:00開演を観劇しました。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。




【脚本】
齋藤孝


【演出】
小林且弥


【出演】
安西慎太郎、眞嶋秀斗※、鎌滝恵利、伊藤裕一、伊藤修子、木ノ本嶺浩、大堀こういち
※菅原健から眞嶋秀斗に変更。


【ストーリー】
 廃業することとなった「びっくりサーカス・ノア」。
解団の日に集った団員は、今後の生活への不安や不満を口にしながら後片付けをしている。
殺伐とした空気を払拭するように、不遇の過去を持つ見習いクラウンがパフォーマンスを披露することになるのだが、サーカス団所有の象が業者に引き取られていないことが判明する。
金を持ち逃げしたオーナーとは連絡がつかず、残された団員で象の処遇を話し合うのだが…。


【感想】
客入れの楽曲はチルアウト。
客席は4面のブロックに分かれており、中央に舞台が作られている。
美術はシンプル、転換はなし。
劇場中央に四角い舞台、床はトリコロールカラーに塗られている。地面とおぼしき床にはゴミが散乱し、あちらこちらに片づけの途中なのか、箱に物が放りこまれている。
天井まで続く長い梯子。上にいくに従って段の幅が広がっていき、その頂点から四方に、緩やかなカーブを描いて暖色系の小さいライトをつけたロープが垂れ下がっている。
照明はシンプルでムービングのような派手さはないが、特にラストシーンは美しい。

小さなサーカス団という狭いコミュニティで起こる人間模様が、時に辛辣、時に怖く…。やたらと「ファミリー!」を連呼する団長が矛盾の塊で無責任。
ほかの団員もそれぞれに事情を抱えていて、エゴやら嫉妬やらを剥き出しにして罵倒したり、取っ組み合ったりと醜い。唯一、事務員のまりだけがまともで救われる。
スケープゴートにされるのは、子供時代に父親から暴力を受けた被虐待者、クラウン見習いの松山。心に深い癒されない傷を負い、トラウマを抱えている松山。いつも相手の顔色を窺い、へらへらと作り笑いをし、「すみません」を連呼する。
それが、相手の苛立ちを増加させ、嗜虐性を刺激しているとも知らずに…。
これはサーカス団の最後の一日を描いているが、実はそこここに転がっている光景なのだと思う。学校で職場で家庭で。
処分されそうになっている象のアデナイは松山の姿でもある。アデナイは体も大きく力も強いのに、閉じ込められている狭い檻の中から出ようとしない。
アデナイは‘出ていく’ことを諦めたのだ…。逃げ出すことを…。
松山がアデナイを逃がすことを決めたとき、彼自身も過去、現在の苦境から逃げ出そうとしたのではないだろうか?
ラスト。たったひとりサーカスに残った松山が梯子をゆっくり、ゆっくりと登っていく。暖色系のスポットライトを一身に浴びながら登っていく姿が美しく、哀しい…。
それは絶望なのか?希望なのか?

キャスト全員が魅力的で目が離せない。誰が欠けてもこの舞台は成り立たないと感じた。
ひとりひとりについて言及すると、ものすご~く長いことになりそうなので割愛させていただくことに。どなたも素敵だった♡

カーテンコールの後、アフタートークが20分。
小林且弥、木ノ本嶺浩、大堀こういち、眞嶋秀斗が登壇。事前にいただいたお題が箱に入っていて、それをひとりひとり引いては答える形式。
稽古の裏話も聞けておもしろかった。20分があっという間♪


【余談と画像】
今回の公演はいつになくトラブル続きで、開演が危ぶまれていた。実は幕が上がるまで心配で、ぎりぎりまでチケットの購入を控えていた。
なんとか15日から無事に開演となり、16日のマチネを観劇できてよかった。本当に。
主演の安西慎太郎の怪我が心配だったけど、どこを怪我していたのかわからないほどの動きを魅せてくれて、役者ってすごいなぁ。。と。

チケットは半券に名前と電話番号を記入して渡す。もしものときの対策だから
今はみんなこれだね。
フライヤーだけでも欲しかったけど、見たら一枚もなかったよ~。残念。







パンフレット 1800円。当日は購入できなかったので、後日、る・ひまわりのオンラインショップで購入。
特にオールキャストスペシャルトークがおもしろかったな~。




観劇後に1階のカフェで休憩。アフタヌーンティー♪
ピンクのリボンはいただく前に取るシステム。自分で。




【リンク】