ホワイエでコーヒーを飲みながら♪

観劇の感想もろもろな備忘録。
「つれづれな日々のつぶやき♪」からお引越し中。

『鎌塚氏、振り下ろす』ストーリーと感想

2014-07-18 09:47:54 | 劇場・多目的ホール
M&O playsプロデュース『鎌塚氏、振り下ろす』を本多劇場にて、7月16日(水)開演14:00を観劇しました。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。






【作・演出】倉持裕
【スタッフ】照明:笠原俊幸 / 美術:中根聡子 / 音響:高塩顕 / 舞台監督:幸光順平
衣裳:戸田京子 / ヘアメイク:大和田一美
【出演】三宅弘城、ともさかりえ、片桐仁、広岡由里子、玉置孝匡、ベンガル、北村有起哉
【ストーリー】
これは貴族制度が続いている世界の話。日本有数の名家、中之院公爵家での出来事。
「完璧なる執事」として名高い鎌塚アカシは、今、突如、国家の命運を左右するキーマンとなった公爵に仕えている。
しかし、主人は神経衰弱。なんとか励まそうとするが、目立った成果は上がらない。そこでアカシは、アイドル女中の上見ケシキと、先代の中之院家に仕えたこともある「伝説の執事」であり、彼の実の父親を屋敷に呼ぶことにした。
そんなある日、堂田男爵夫妻と従者スミキチの魔の手がいつも通り忍び寄り……。


【感想】
客入れはBGM風の曲。
美術は、全体が額縁仕立て。濃い色の唐草模様の透かし彫り。可動式で上下左右に動きセットの大きさに合わせている。
盆の上には中之院邸宅が直方体状に設置。内階段や屋上もあり。回転するたびに場面が転換し、外観、居間、ゲストルーム、執事長室、使用人部屋、応接室、子供部屋などに変わる。

キャストが他役を兼ねず一役のみで演じる、王道のシュチュエーションコメディ。ひたすらどたばたわたわた。それが空回りしたり、誤解がさらに事態を複雑にして面妖な展開になっていく。
わかりやすく、伏線もきっちりと回収、観劇が初めての方でも構えることなく気軽に楽しめるかと。
コメディなので笑いは満載なのに、親子関係や政治に携わる人々について考えさえられたりもする。伝わらなかった父と息子のそれぞれの想いとか。
ラスト、中央のドアが全開になり、光沢のあるグリーンの紙吹雪が一気に吹き出すのが美しい。ちょっと、『ビューティフル・サンディ』のラストを思い出したり。
後味が爽やかでほっとする作品。次回作もありそうな予感♪

キャスト全員がれぞれ魅力的なキャラクターを演じられていておもしろい!
特に、三宅弘城が絶品。あの身体能力!ジャンプも高いし、アクションもキレッキレ!
ともさかりえ、可憐でかわいらしく、濃いネイビーブルー?のロングドレス(メイド服)がお似合い♪ 屋上でマイク片手に歌う「Woman」(薬師丸ひろ子の楽曲)も唐突なのに違和感ありそうでなく。
片桐仁と広岡由里子は登場した途端に、「これは笑っていいんですよ~」と提示してくれる衣装&ヘアメイク。この濃くて下衆なキャラクターがかなり好き♪ 片桐仁の見えない設定の使用人吉岡に「吉岡~!」と逆ギレするところや、広岡由里子の頭にパスタを乗っけられて「いい匂い。。」と彷徨うところが爆笑もの。
玉置孝匡、不憫キャラ。
ベンガル、佇まいだけで和んでしまう。台詞を噛んでしまい、首まで真っ赤になりながら必死で芝居を続けてたのが愛しい。
北村有起哉、シリアスも素敵だけど意外にもコメディ向きなのでは? 

カーテンコールは3回。


【画像】

パンフレット 1000円。表紙にリンゴのイラストをエンボスで。同じデザインのTシャツも物販で販売されていた。
中之院公爵邸見取り図や倉持裕、三宅弘城、ともさかりえの対談など。安齋肇のイラストがシュール。




当日パンフレット。スケジュール、キャストと役名など。




【余談】
ホールには大小の祝花がたくさん。送り主がさすがに豪華だったなぁ~。
劇場によっては祝花を置けないところもあるが、あればホールやホワイエが華やぐ。なにより「どなたから送られたのかな~?」とか思って眺めるのも楽しみだ。
あと、カメラが入っていたので撮影日だったらしい。
本多劇場のホールは冷房が入ってないので蒸し風呂状態。開場までは、すぐお隣のショピングセンターに避難するのがよろしいかと。結構多くの方が避難されていたし。


【リンク】
ぴあの記事はこちら → ぴあニュース 1.   ぴあニュース 2.




『うちの犬はサイコロを振るのをやめた』ストーリーと感想

2014-07-10 14:09:48 | 劇場・多目的ホール
ポップンマッシュルームチキン野郎『うちの犬はサイコロを振るのをやめた』を駅前劇場にて、7月9日(水)開演15:00開演を観劇しました。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【作・演出】吹原幸太
【照明】萩原賢一郎(アルティプラノ)
【音響】山下菜美子(mintAvenue inc.)・五十川由佳
【音楽】西山宏幸(ブルドッキングヘッドロック)
【舞台美術】仁平祐也
【衣装】サイトウマサミ・増田赤カブト
【映像制作】スタヂオけろり
【舞台監督】今井聰
【演出助手】朝比奈史樹
【予告編監督】吉田ハレラマ
【写真撮影】菅原康太
【デザイン】瀬川祐
【出演】加藤慎吾、増田赤カブト、小岩崎小恵、サイショモンドダスト★、野口オリジナル、CR岡本物語、NPO法人、渡辺裕太、井上ほたてひも、横尾下下、高橋ゆき、吹原幸太(以上、ポップンマッシュルームチキン野郎)
【ゲスト】今井孝祐、美津乃あわ、藤田慶輔(ナイスコンプレックス)、仁田原早苗、吉田翔吾、辰己晴彦
【特別出演】萩野崇
【ストーリー】
ダグラス・マッカーサー君が「いくら何でもデカすぎじゃね?」というコーンパイプをスースーしていた第二次大戦直後の日本。
横浜の片隅で、一匹の犬が自由気ままにも程がある暮らしをかましていた。彼の名前は、ゴルバチョフ。 今は無き満州国に生を受け、『未来を見渡せる』能力のせいで時代に翻弄されたワケアリの男(オス)だ。
脳まで溶け出しそうなある暑い夏の日、ゴルバチョフはシヅ子と名乗る一人の女と出会う。 その出会いが彼を幸せの絶頂に導いた時、眼前に広がった未来のビジョンは、ゴルバチョフを最期の衝動へと突き動かすのだった!

【感想】
客入れのパフォーマンス。
バー?スナック?のマスターとお客が会話。実はマスターはかつてそこそこ有名なミュージシャン。(タイムリーな)チャゲ&飛鳥のチャゲ。
黒いサングラスをかけハットをかぶり、マイク片手に歌う「SAY YES」。ほとんど歌っていないけど~。
ASKAがベージュのロングコート(風のロングカーディガン)で店に現れ、二人で「YAH YAH YAH」を熱唱。

美術は全体が額縁仕立て。中央奥が凹んでおり、そのすぐ横、下手側は照明があたるとシースルーになる。ここに謎の男(血まみれの軍服姿)が幻影として浮かび上がる。上手・下手の両サイドが回転ドア。場面転換や出はけに使用される。ぐるぐると回転する演出も。
プロジェクションマッピングでタイトルのアニメーションが映し出される。

音楽は客入れのときに、チャゲ&飛鳥、美川憲一「さそり座の女」 。零戦のシーンには「風の谷のナウシカ」の楽曲。劇中で歌もあり。

最初のほうで某国をネタにする場面があり、えっ?大丈夫?と余計な心配をしてしまう。絶対に映像(TVや映画)では無理だな~と思った。

「計算」「バグ」「高脂質」「頭痛」がキーワード。
日本軍の実験手術により予知能力をもってしまった、シベリアンハスキー犬ゴルバチョフのヒーロー物語。でも、基本救いがないひどいお話。
戦争が舞台だが重くなりそうでならず、暗くなりそうでならず、相変わらず笑いはたっぷり。ただし、731部隊も出てくるし、場面によっては拷問やその後の無残な姿もあり。
シヅ子はかわいいし、ゴルバチョフは健気。個人的にはマッサージチェアが好き♪
ラストはずるい泣けた…。
救いがないけど、ないなりにあるような気がする。言葉にするのが難しい、そんな感じ。 
佐野洋子の『100万回生きたねこ』やNODA・MAPの『エッグ』をふと思い出したりした。
帰宅してからもしっかりと心に残る作品。

劇団員の方も客演の方もみなキラキラ輝いていて魅力的♪
客演の美津乃あわ、クレオパトラ木村というダンサー役で歌って踊ってオーラ全開!
あの濃いアイメークはご本人の定番なの?劇団鹿殺し『無休電車』のときにも観たので。
特別出演の萩野崇、すらっとした長身に整った顔立ちでカーキ色の軍服が似合うこと♪ 冷酷な軍人を好演されて♪

カーテンコールは1回。吹原幸太からご挨拶。
この日はアフターイベント付き。アフターなのにまさかの40分!
最初は増田赤カブトがレディー・ガガ、ほかのみなさんがバックダンサーでパフォーマンス。久しぶりだったとかで、振りは結構間違っていたのはご愛敬。
その後、行司衣装の吹原、増田のお二人でMC。お題でパフォーマンス?小芝居?とクイズ。
そのあまりな内容は、ラストの余韻を見事に粉砕し尽くし、苦笑&爆笑。詳しくは書かないけどかなりな下ネタ(全裸@男性キャスト)だったということで。
特に客演の萩野崇、元仮面ライダー(東映系正義の味方)はそんなことしてはいけないのでは~! 東京ハートブレイカーズ『チルドレン』ではあんなに素敵なお姿だったのに。 
音楽の西山宏幸も東京ハートブレイカーズ『サイレント・フェスタ』に出演されてたはず。
最後は小岩崎小恵、紅い肩出しドレスで沢田研二「勝手にしやがれ」を歌って終了。
満腹。今回もお腹いっぱい♪


【画像】

フライヤー裏、トップ画像は表。




チケット 整理番号順に入場なので、当日精算組は一番最後。




当日パンフレット ゴルバチョフがポージング♪
吹原のご挨拶、登場人物紹介、今後のご予定など。




パンフレット A4判 フルカラー 2000円
登場人物・キャストの紹介、萩野×美津乃×今井×吹原の対談、小岩崎が描く少女漫画、脚本など。ちなみにこの漫画は美内すずえ先生(ガラスの仮面)+大和和紀先生(はいからさんが通る)+こしたてつひろ先生(ドッジ弾平)風。




【余談】
夏の駅前劇場は覚悟がいる! 入場待ち列が階段の壁際で、3階で受付を済ませて列の最後尾はほぼ1階。
劇場内は冷房(場所によっては冷気が直接あたる)が効いているのでいいのだだが、階段は蒸し風呂状態なのでうだるような暑さ。
こればっかりは何回行っても慣れないなぁ~。


【リンク】