ホワイエでコーヒーを飲みながら♪

観劇の感想もろもろな備忘録。
「つれづれな日々のつぶやき♪」からお引越し中。

『大江戸喧嘩纏』感想

2021-09-21 16:02:08 | テレビ
日テレプラスで2021.7.27(火)放送の劇団朱雀『大江戸喧嘩纏』を録画したものを観ました。

感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【概要】
大衆演劇専用劇場「ぎふ葵劇場」が 2020年12月に九年間の歴史に幕を下ろすことになり、その幕引き公演を早乙女太一率いる『劇団朱雀』が担う。早乙女太一にとって自分や周囲が変化する時期に公演をしていた劇場で、昨年の復活公演と共に歩んできたもっとも思い入れのある劇場でもある。
一部は女形の舞踊ショー、二部は日替わり芝居、三部は全員出演による舞踊ショーと、多彩な魅力が満載!


【感想】
大衆演劇自体はそんなに興味はないけど、早乙女太一が役者としてとても魅力的なので録画して観た。
一部は女形の舞踊ショー、とにかく美しい♡
二部は日替わり芝居、江戸の火消し同士の争いとその結末。
客演の須賀健太。脛を叩かれるシーンで「カンカン!」と叩かれすぎて痛かったのか、衣装の下に脛当てを装着していた。だけど、「よぉ~し!!」と軽くキレ気味に脛当てを外す。可哀想なような可愛いような。
三部は全員出演による舞踊ショー、早乙女太一はダンスもキレッキレ♪ 須賀健太のローラースケート姿はかつての某Jアイドルグループのパロ…。いやリスペクト?? おまけに全然滑れていないという。

早乙女太一の女形はため息が出るほど美しい♡ 立ち姿、所作どれをとっても綺麗なのだ。殺陣もキレッキレだし♡
こんなに艶っぽく色気がだらだらと垂れ流しなのに、いやらしくない役者は珍しいと思う。

こういう演劇は楽しいね~♪ 日頃のうさを晴らせるね♪


【余談】
「幕引き公演」は「まくひき」ではなく、「まくびき」なのね。知らなかった。ずっと、「まくひき」だと思っていたよ~。
ひとつお利口になったな。
もうひとつの公演の記事はこちら。→「『身代わりカンパチ仁義』感想」


『湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。』ストーリーと感想

2021-09-13 10:17:55 | 劇場・多目的ホール
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。』をKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて、9月12日(日)12:30開演を観劇しました。


ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【作】
野木萌葱


【演出】
シライケイタ


【出演】
玉城裕規、岡本玲、森優作/渡辺哲、山本享、ラサール石井、村岡希美、大久保鷹、筑波竜一、伊藤公一、那須凛、若杉宏二


【ストーリー】
港町横浜でヤクザの娘、息子と警察官の息子が導かれるように出会い、次第に運命に翻弄されてゆく。ヤクザと警察官、持ちつ持たれつの関係性が壊れるとき、最悪の結末が待っている…。


【感想】
客入れの音楽はないが、すでに物語は始まっていて、ヤクザのチンピラとおぼしき男が忙しなく出たり入ったりを繰り返す。ホテルのバーでは支配人とメイドが、けだるそうに飲みものを飲んでいる。
美術は鯨楼というレトロなホテルのセットが組まれ、家具や照明はアンティークな感じで統一されている。
上手にはラウンジ、牡丹か芍薬の花が描かれた壁、枯山水の屏風、3人掛けのソファ、椅子、ミニテーブル。下手にはバーカウンター、丸テーブルと椅子。真ん中にはL字の階段。2階にはシンプルなベッドがある客室が2室。天井からは、乳白色のシェードがついた和風のシャンデリアが下がっている。
転換はなし。
劇中にタンゴがかかる。銃声が大音量でびっくり!

そろそろとくたびれてきた年頃のヤクザがふたり、警察官がひとり。この3人はずっと癒着していて、持ちつ持たれつの関係を続けていた。その関係性が過去の5億円の行方を巡って軋み始める。それぞれの娘や息子も絡み始め、混迷は一層激しくなっていく。
炙り出されるのはそれぞれの思惑、人間性。3人の男たちはみな小さい…。権力や暴力と暴言で周囲を威圧しているだけの、吠える犬だ。3人とも大人の姿をした寂しい子供。女に甘えて、母親のように背中をさすってもらいたい。
結末はあっさりと、銃声が鳴り響き鯨楼には死体が転がる…。
最後、父親と決別した娘と息子たちは、自分の人生を生きるためにこの鯨楼から、横浜から、自分たちの足で駆け出していく。

現実にありそうなヤクザと警察の癒着にげんなりしつつ、最後は哀しくも痛快な気持ちにさせられる。おもしろい世界観の作品だと思う。

玉城裕規が演じると、どこか狂気混じっているように観える。でもそれがいい♡
那須凛演じる"ひとがた"は、人形師でもある支配人が作った学習型の人形。不思議ちゃんで可愛い♡
渡辺哲は本当に嫌な下衆野郎を演じていて、観ていて嫌~な気持ちになりつつも、作品に重みとリアリティを与えていると思った。さすが大ベテラン!


【余談と画像】
『湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。』は『みなとよこはまあらぶるいぬのさけび~しんそう、さんにんきちさ。』と読む。"ふりがな"ないと読めないね。
歌舞伎の人気演目がもとになっているらしい。歌舞伎にあまり詳しくないので、物語をよく知らないけど。まだまだ不勉強だな~。

KAAT神奈川芸術劇場はお初の劇場。以前に観劇予定があったけど、諸事情で行けなかった…。今回、別作品だけどリベンジ♪ 赤と黒が基調の素敵な劇場。
大スタジオとあったので、てっきり大ホールかと思っていたら、小ホールクラスだった。池袋の芸術劇場 シアターイーストとかシアターウエスト並み。
おまけに四角く黒いクッションがあるものの、黒のパイプ椅子。これで休憩なしの2時間はお尻が痛い~。今後、観劇予定の方はご注意を。勾配が急なので後方でも観やすいけど。

入場時はチケットを目視でスタッフに確認してもらい、半券は自分でもぎりプラケースに入れる。これも今はどこもこれね。
ライブ配信のためカメラが入っていた。
カーテンコールは2回。混雑を避けるため、最前列から順次退席。これも今はどこもこれね。


案内パネル。大スタジオは5階! エスカレーターで延々と上がるよ~。




フライヤーの表。



裏。




パンフレット1000円。芸術監督の長塚圭史のご挨拶、対談など。




久々に席置きのフライヤーの束。なんかほっとする。いくつか気になるので予定に組み込んでおこうっと♪




『DROP』ストーリーと感想

2021-09-08 10:42:21 | 劇場・多目的ホール
少年社中 第38回公演『DROP』を紀伊國屋ホールにて、9月7日(火)14:00開演を観劇しました。


ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【脚本・演出】
毛利亘宏


【出演】〈Team Humpty〉
赤澤燈、杉山未央、安西慎太郎、森田桐矢、後藤萌咲、堀池直毅、加藤良子、竹内尚文、川本裕之、井俣太良


【ストーリー】
かつて『明日』は卵から生まれていた。
この迷宮は『明日』の卵が孵化する重要な場所だった。
迷宮に捕らえられた5人の男たち。
彼らが脱出する方法はただ一つ…。


【感想】
客入れの音楽はヒーリング系の静かな曲。
美術はとてもシンプル。色はモノクロ。薄いグレーから濃いグレーのグラデーション。アール状で荒い格子の構造物。天井からは、太いこよりのようなものが幾つもぶら下がっている。
転換はなし。
照明は印象的。放射状に放たれる光が美しい。
音響は時折、爆音で入るので少し驚く。重低音な感じで、床も振動しているのが足元の感触でわかる。
衣装は黒。それぞれデザインが凝っている。よく観ると名前が入っているのがわかる。

現実と虚構が入り混じったストーリー。ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』がモチーフ。
最初はこの世界観に入り込めるか?と若干、不安もありつつ、最後まで観劇。
どの登場人物にも共感ができず、特に5人の男たちのくずっぷりに軽く吐き気がする…。ストーリーも暴力表現が多い。苦手な人もいるかもしれない。
小説家の彼女は娘を交通事故で亡くし、痛みを分かち合うはずの夫からは離婚を切り出され、辛い現実に耐えきれず、記憶を失くし、自分の書く小説という迷宮に閉じこもる。そこには、元夫も含めた罪を犯した5人の男たち、忘れられた少女がいる。少女は実は彼女の亡くなった娘だった。
迷宮に閉じ込められた男たちは、卵を5個集めなければここから出られない。もたもたしていれば、水が溢れてきて溺死してしまうのだ。
彼らは手段を選ばない。素手、ナイフ、銃なんでもありだ。なんとしても自分だけは生き残り、卵を5個集めたい!
欲望とエゴの塊な彼らは、姿はともかくとてつもなく醜い…。哀しいが、それも人間のもつ一面なのだ。

愛と憎悪は表裏一体。複雑に絡みあいもつれあう…。
壊れた卵は元には決して戻らない。あったことは決してなかったことにはならない。犯した罪はなくならない。罪は決して贖えない。罰は受けても…。
罪を犯したものと、被害にあったものが、それでも生きていこうとする「喪失」と「再生」の物語。


【余談と画像】
ほぼ1年半ぶりの観劇だった。このご時世で舞台公演は中止が続き、あっても自粛せざるを得ず…。ずっと配信や放送されたものを観ていた。長かったな~。
やっぱり舞台は生が一番! あの劇場特有の空気感。非日常がそこにある。
一日も早く、この状況が終息することを願わずにはいられない。

カーテンコールは1回。というより1回で強制終了。その後、最後列から列順に順次、退席だった。
配信用かDVD用かな~カメラが入っていた。

チケットは劇団先行予約で♪
半券の裏には、事前に名前と電話番号を記入して、自分でもぎって提出。ほかにも感染対策で非接触型検温、アルコール消毒、飲食禁止、チラシの配布もなしなど。


紀伊國屋ホール催物ご案内のパネル♪




パンフレット♪ 2000円。
キャストのバストアップと全身の衣装写真とコメントのみ。シンプル!




紀伊國屋ホールに観劇に来ると、待ち時間に書店内をうろうろして時間をつぶすのも楽しみ♪ ついつい買ってしまうよね~。
最近、勉強中の写真の本。紙袋に入れてもらったので助かった~。パンフレットを入れるサブバッグを持ってくるのを忘れたから。




【リンク】
劇団 少年社中