世の中の他人は浪曲を良く知らない

世の中の他人は浪曲を良く知らない他人が多いと思う。
ただただテーブル掛けの前で唸ればいいと思い込んでいる。
隣に三味線の曲師がいるのだ。
その曲師が適当の三味線を弾いていると思い込んでいる他人もいるようです。
関東節と関西節とあることすらも知らないようです。
細かく分ければ中京節もあるのです。
三味線の弾き方も音も関東節と関西節では違うのです。
やたらに三味線を弾けばいいと言うものでもなく、浪曲師と曲師の間には阿吽の呼吸があり、曲師が途中で入れる合いの手のような掛け声も人それぞれです。
単に着物を着て唸ればいいと言うものでもなく、そこには声と節と啖呵と言うものがプラスされるのです。
基本着物を着たり、袴を履いたりします。
浴衣ということはありません。
外題に沿って季節に合わせて着物や帯を選びます。
だみ声で声をつぶして唸ればいいと言うものでもありません。
いわゆるミュージカルのような要素や独り芝居のような要素も加わるのです。
私がここで説明するより、一度浅草の木馬亭に浪曲の定席を聴きに行くことをお勧めします。
浪曲の何たるかを知らずしてむやみやたらに浪曲を語る資格は無いと思われます。
私などはまだまだ素人に近い浪曲ファンです。