その木戸は、私が生まれた家のそれとそっくりでした。
彼女がそっと木戸に手をかけた時、
「チリンチリンチリン」という懐かしい音色が体中に響き渡るのを感じたのです。
幼い時、毎日聞いていたあの音と同じでした。
そして私の目に飛び込んできたのは、
とても広い澄んだ空間を笑顔で飛び交っている大勢の鳥さんたちでした。
そこはもはや竹林ではなくなり、まるで植物園のような暖かい世界でした。
彼らは、とても楽しそうに飛び回っています。
時にはじゃれあい、時にはたわわに実った秋の木の実をついばみ、時には木の枝に
とまって羽づくろいをしていました。
そこは、本当に澄んだ世界で、自由そのものに見えました。
殆ど表情のない鳥さんなのに、明らかに皆心の底から笑っているのです。
「ちえまるさん、あの時、あなたがお花の中に私をうずめてくださいました。
そのすぐ後に、お花の精が私をここへ運んでくださったのです。
あのまま地面の上にいたら、ここへは来れなかったでしょう。
本当に有難う御座いました。心から感謝しています。
ちえまるさんのお陰で、今、私は本当に幸せです。
それをお伝えしたかったのです。」
彼女のつぶらな瞳から、水晶のように美しい球体が零れ落ちました。
それを目の当たりにした私は感激で涙が溢れ出し、何も見えなくなってしまいました。
つづく
彼女がそっと木戸に手をかけた時、
「チリンチリンチリン」という懐かしい音色が体中に響き渡るのを感じたのです。
幼い時、毎日聞いていたあの音と同じでした。
そして私の目に飛び込んできたのは、
とても広い澄んだ空間を笑顔で飛び交っている大勢の鳥さんたちでした。
そこはもはや竹林ではなくなり、まるで植物園のような暖かい世界でした。
彼らは、とても楽しそうに飛び回っています。
時にはじゃれあい、時にはたわわに実った秋の木の実をついばみ、時には木の枝に
とまって羽づくろいをしていました。
そこは、本当に澄んだ世界で、自由そのものに見えました。
殆ど表情のない鳥さんなのに、明らかに皆心の底から笑っているのです。
「ちえまるさん、あの時、あなたがお花の中に私をうずめてくださいました。
そのすぐ後に、お花の精が私をここへ運んでくださったのです。
あのまま地面の上にいたら、ここへは来れなかったでしょう。
本当に有難う御座いました。心から感謝しています。
ちえまるさんのお陰で、今、私は本当に幸せです。
それをお伝えしたかったのです。」
彼女のつぶらな瞳から、水晶のように美しい球体が零れ落ちました。
それを目の当たりにした私は感激で涙が溢れ出し、何も見えなくなってしまいました。
つづく