そろそろいけもとの人生も、晩年に入ってきた。
それで考えることは、どうやって残りの人生を愉快に過ごしてあの世に行くかである。
娑婆世界。
別な言い方をすれば忍土の人生は、つらく悲しいことが多い。
そしてその総決算としての死がある。
これは誰も避け得ないことだ。
つらく悲しい忍土や涙の谷の人生の彼岸に、ヤマやエホバの裁きがあり、八大地獄やゲヘナの火責めが待っているという。
なんと慈悲がないことか。
そんな邪教や邪師の戯言など捨て置き、紫堂恭子さんの漫画、グランローヴァに出てくる放浪の賢者のように、人生という道行きを放浪して、脳天気に生きようではないか。
そう、放浪の賢者のように、残りの余生を、脳天気に楽しく生きるのだ。
今までつらく悲しい人生を生きてきた。
師団長決心変更とばかりに、今日から残りの人生を脳天気に生きるのだ。
そんなことを思ったいけもとだった。