ある精神科医が「一杯飲み屋と井戸端会議が復活すれば、医者は楽になる。」と、本に書いていた。
この枕からわかるように、健常者は困った隣人に苦しんでいる。
当事者だってそれは同様だ。
日常で困った連中にまとわりつかれて、ほとほと手を焼いている当事者だっているのだ。
さて。ここで余談を挿入しよう。
薬物療法や衝撃療法は、ボーダー化した文句を言うゾンビを作る。
それから逃れるために、勤務医は医局制度という庇護の下に、関連病院を転々とする医師もいないこともないのだ。
そんな援助者に恵まれない当事者は、実に哀れだ。
閑話休題。
当事者は、diseasesとdefectに苦しんでいる。
当事者の直面する問題は、薬物療法でdiseasesが収まった後のdefectだ。
健常者でも手を焼く人間関係に、defectを持った人たちが直面しなくてはならない。
嫌人権行使とも言うべき、症状の再発や感情爆発はこれ故に起こる。
ただこれらのスキルは、医者やコメディカルがどうにかできる問題ではなく、患者自身が持っている対人パラダイムを変えなければならない。
侵襲的な治療や加齢によって、対応力を失う前に、対人パラダイムを変えなければならない。
そんなことを思ったいけもとであった。