JR東日本「四季島」上野駅からのルートは? 5/1運行開始、車内など画像65枚
「TRAIN SUITE 四季島」の製造は川崎重工(1〜4号車・8〜10号車)と総合車両製作所(5〜7号車)が担当。電化区間はパンタグラフで架線から集電して走り、非電化区間でモードを切り替え、先頭車に搭載したエンジン発電機からの電気で走る「EDC方式」を採用している。外観は「四季島ゴールド」の車体と独特な形状・配置の窓が特徴となる。
10両編成の先頭車は展望エリア付き動力車で、1号車は「VIEW TERRACE きざし」、10号車は「VIEW TERRACE いぶき」と命名された。ともに三角形の窓を配置し、壁から天井へ広がる窓で変化に富んだ東日本の車窓風景を眺められる。中間車のうち、エントランスとなる5号車は「LOUNGE こもれび」の名称で、穏やかな樹林を思わせる窓の配置や車内の壁が印象的な空間に。調度品として東日本各地に息づく工芸品も取り入れた。
6号車の「DINING しきしま」では、東日本各地の旬の食材を用いたメニューを用意し、車窓風景とともに優雅な食事を演出する。客室は2・3・4・8・9号車に「スイート」(バリアフリー対応の部屋も用意)、7号車に「四季島スイート」「デラックススイート」を配置した。最上級の「四季島スイート」はメゾネットタイプで、階上部を畳敷きの空間とし、特製の檜風呂も設置するなど和のエッセンスを盛り込んだ。
初運行も含む2017年5・6月出発分の旅行商品(びゅうトラベルサービスが販売)は昨年5〜6月に申込受付が行われ、3泊4日コースの旅行代金は「四季島スイート」が2名1室利用で1人95万円、「デラックススイート」が2名1室利用で1人90万円とされた。募集件数187件に対し、1,234件(平均倍率6.6倍)の応募があり、初運行となる5月1日出発3泊4日コースの「四季島スイート」は最高倍率となる76倍だったという。
5月1日出発3泊4日コースは上野駅を11時40分頃に発車予定。列車の発着には、かつて東北・北海道方面の寝台列車が使用した13番線ホームを使用する。乗客は発車まで上野駅のラウンジ「プロローグ四季島」で過ごした後、クルーの案内で13・14番線の間に新設された専用ホーム、通称「新たな旅立ちの13.5番線ホーム」から乗車する。
上野駅を発車した列車は14時10分頃、日光線日光駅に到着。日光東照宮へ下車観光を行い、17時頃に日光駅を発車して北海道へ向かう。2日目は6時20分頃に函館駅に到着し、下車観光としてアイヌ文化公演と北方民族資料館を見学。函館市電の貸切列車で函館駅へ戻り、函館朝市の自由散策も予定されている。函館駅を12時30分頃に発車した後、室蘭本線伊達紋別駅に15時20分頃に到着し、ここでニセコエリア宿泊の乗客が下車。室蘭本線登別駅には16時10分頃に着き、ここで登別温泉宿泊の乗客が下車する。
3日目、登別温泉宿泊の乗客は東室蘭駅から乗車。10時頃に同駅を発車し、続いて洞爺駅でニセコエリア宿泊の乗客を乗せ、11時頃に発車する。13時20分頃に新函館北斗駅に着き、ここで「五能線コース」の利用者が下車。北海道新幹線に乗り換え、五能線を走る「リゾートしらかみ」の貸切列車に乗車する。「TRAIN SUITE 四季島」の新函館北斗駅発車は13時30分頃。本州へ渡って16時40分頃に青森駅に到着し、「縄文コース」の下車観光を行う。その後、「縄文コース」の下車観光を終えた利用者を乗せた列車は21時10分頃に青森駅を発車。弘前駅で「五能線コース」の利用者を乗せ、22時20分頃に発車する。
4日目は鶴岡駅5時20分頃着・5時30分頃発、あつみ温泉駅6時頃着・7時30分頃発で、鶴岡駅から加茂水族館への下車観光、またはあつみ温泉駅から温泉への下車観光が用意されている(車内滞在も可能)。あつみ温泉駅を発車した後、9時30分頃に新津駅に着き、燕への下車観光を行って12時30分頃に東三条駅から乗車。17時20分頃に上野駅に到着し、「プロローグ四季島」にてフェアウェルパーティが行われる。
5〜11月に実施される「TRAIN SUITE 四季島」の旅は、3泊4日コースの他に信州・会津エリアを巡る1泊2日コースも設定されており、今月は5月1・15・29日(月曜日)に3泊4日コース、5月6・20日(土曜日)に1泊2日コースが上野駅を発車する予定。6月は毎週月曜日に3泊4日コース、毎週土曜日に1泊2日コースが上野駅を発車する予定だ。これら年間を通じて運行されるコースの他に「東日本の旬」コースも設定され、8月16〜18日に「夏の2泊3日コース」として、東北方面への特別な旅も実施される。
なお、「TRAIN SUITE 四季島」の運行開始にあたり、JR東日本は特設サイトを通じて「駅や沿線で列車に向かって旗や横断幕を振っていただき、ご乗車のお客さまをお出迎え・お見送りください」と呼びかけている。旗・横断幕などを作成するためのツールは特設サイトからダウンロード可能で、「東日本・北海道の地を走るこの列車を、この旅を皆さまと盛り上げていきましょう」とのこと。