2017年11月6日 聖教新聞
「大きくなったねえ」「すっかり、おねえさんになって」――今月15日を中心に、「七五三」を祝う勤行会が、各地で開催される。勤行会では、孫の成長を見守ってきた祖父母の姿も多く目にするだろう。
近年、「祖父母力」に期待が高まっている。“孫育て”を応援するために、「祖父母手帳」を発行する自治体も多い。横浜市が発行している「地域と家族の孫まご応援ブック」では、現代の子育て事情について、三つの特徴があると分析している。
一つ目は、実家が遠い、または祖父母が高齢のため、「サポートを受けられないケースが増加」している点。二つ目は、子育て、家事と仕事を両立している女性が増え、「親が子どもの近くにいない時間が増加」している点。三つ目は、核家族化が進み、親族の単位が縮小して、いとこやおじ・おばなど、「成長過程で出会う大人の数が激減」している点だという。
NPO法人「孫育て・ニッポン」の棒田明子理事長は、本紙のインタビューで、祖父母が“孫育て”に関わるメリットについて語っている。
「祖父母の存在は、子どもにとって、自分のありのままを受け入れてくれる『心のオアシス』となり、そんな祖父母とのかかわりの中で『優しさ』『思いやり』『いたわり』という、人間として最も大切な心もはぐくまれていくと感じます」
また、祖父母を通じて、幅広い世代の人と触れ合うことで、「縦社会」を学べることも大きいという。実際に、祖父母手帳でも、「地域と家族の良きじぃじ、ばぁばになろう!」と呼び掛けている。
10月3日付の本紙「未来部育成のページ」に掲載された、発達障がいの子を持つ婦人部の「同志の皆さんに自尊感情を育ててもらった」との言葉が表すように、学会には、わが孫のように、宝の未来部の成長を見守り、励ましを送ってくれる、“地域のじぃじ、ばぁば”が身近にたくさんいる。また、未来部員のために奔走する男女青年部の存在も頼もしい。
日蓮大聖人は「子にすぎたる財なし」(御書1322ページ)と仰せだ。子どもは、親にとって、かけがえのない宝であると同時に、太陽の仏法で世界を照らし平和と共生の新時代を創る“未来からの使者”だ。未入会家族への参加も呼び掛け、子どもたちの健やかな成長を祈る「七五三勤行会」を軸に、地域を挙げて、次世代を育てゆく模範を示していきたい。
孫育て…自分の今のやり方でいいのかどうか、たまに悩む。