〈ここが知りたい! 法律Q&A〉76 貸室がごみ屋敷
2018年9月3日 聖教新聞
苦情が多ければ退去を要請
Q 私が大家をしているアパートの住人が、貸している部屋のバルコニーに大量のごみを放置しており、近隣住人から「異臭がひどい」という苦情が多数来ています。貸室の住人に出ていってもらうことはできますか。
A 賃借人に貸室からの退去を求めるには、契約の解除が必要です。
Q 契約書に「近隣に迷惑を掛けた場合、契約を解除する」とありますが、可能ですか。
A 貸室内が多少不潔というだけでは、契約の解除は認められません。賃借人にごみの撤去を何度も求めたにもかかわらず、長期にわたって放置し、近隣に迷惑を掛けている場合、解除が認められることもあります。
Q 具体的には、どのように対応すればよいですか。
A まずは「近隣からの苦情が多いこと」と、「そのままごみを放置するならば、退去を要求すること」を賃借人に伝え、早急にごみを撤去するよう注意しましょう。
Q 注意しても改善されない場合はどうしますか。
A 撤去の期限を示し、期限を過ぎても応じない場合は、契約を解除します。そして、退去を求める文書を内容証明郵便として発送するとよいでしょう。また、契約解除に値することを示す資料の準備をお勧めします。近隣住人に協力してもらうなどし、ごみが放置されているバルコニーの写真を撮っておきましょう。
Q 私がごみを捨てることはできませんか。
A 賃借人の承諾を得ずに貸室内に入ることは、違法な住居侵入になります。また、同意なくごみを処分することは、窃盗などで訴えられる可能性があります。再三の注意にも応じない場合は、調停や訴訟といった法的手続きを検討してください。
Q 私が対応しないと、何か問題はありますか。
A 大家であるあなたは、賃借人に退去を求める責任があります。対応を怠った場合には、アパートの他の住人から家賃の減額請求をされたり、近隣住人から慰謝料を請求されたりなど、あなたが法的な責任を追及されるかもしれません。また、バルコニーに大量のごみを放置することは、防災の観点からも極めて危険です。そのような事態にならないよう、適切に対応し、対応したことを示す客観的な資料を残すことが大切です。
わが家の場合、貸店舗がゴミ屋敷同然なので、今後のために memo として…の記事。