え?突然どーしちゃったの?美濃路?東海道は?
まぁ、ぶっちゃけ、金欠ってのも確かにあるけど・・・。
2007年5月の、とある平日。
業務の都合で昨日は宿泊となり、今日は午前中で終了。
まっすぐ帰るのも勿体無く、かといって、もはや東海道は半日では無理な状況。
それに、数日前まで風邪をひいていたため、体調も万全ではないから、近場で気軽に走りたい気持ちもあったりする。
そこで思いついたのが美濃路。
そもそも美濃路って何?って話だけど。
東海道編(5)や(9)でも少しだけ触れているが、美濃路は美濃街道と称することもあり、宮宿のほうろく地蔵追分から分岐し、名古屋城下、大垣を経由し、中山道の垂井宿を結ぶ脇街道だ。
現代表記で約57km、宿数は7次。(起点の宮宿と終点の垂井宿を除く)
七里の渡しは、海さえ穏やかなら近くて速いものの、海が荒れて足止めされたり、船酔いの心配もあった上、水難事故も度々あったらしい。
その点、美濃路は、遠回りになるとはいえ、峠越えや大きな難所もなく、比較的予定通りの移動が保障されるため、人気の高いルートであったらしい。
関が原の合戦の際、勝利した徳川家康が利用したのもこのルートのため、縁起の良い道として「吉例街道」とも呼ばれ、江戸幕府も五街道に準じて重視し、整備に力を入れた街道の1つである。
現代、東海道本線や名鉄名古屋本線が美濃路に近いルートを辿っていることからも、その重要性が理解できる。
そんなわけで、過度の起伏もなく、並行する交通アクセスにも恵まれているため、歩かれる方も多いようで、ガイドブックやHPなどで詳細な情報も得られやすい。
初心者向き?で、気軽に走れる(歩ける)旧街道の1つではある。
ロッカーで着替え、遅めの昼食を済ませた後、名鉄の堀田駅に出る。
ほうろく地蔵なら地下鉄伝馬町駅が最寄駅なんだけど、堀田駅からスタートし、東海道を経由して美濃路に入ることにした。
ほうろく地蔵追分を右折。
ここからいよいよ美濃路だけど、単なる街中で、感慨は何も無い。
すぐに幅広くなっている国1に出て、歩道橋を渡り、先ほどの道を直進する形で進むと、正面に超有名な熱田神宮だね。
ちなみにこの歩道橋は、交差点4箇所全てが渡れるようになっているから、すぐ判るけど、まさしくここは現代でも「追分」になっている。
東西に走る国道1号、国道19号は北へ、国道247号は南へ、それぞれここが起点となっている。
神宮には寄らず、左折すると、再び片側4車線(だったかな?)の大幹線に出る。
今度は国道19号、名古屋市民的には伏見通やね。
この伏見通こそ、旧美濃路そのものなんだけど、主な史跡は道の左側(西側)に集中しているから、さっきの歩道橋にいったん戻って渡っておいた方が良い。
こんな広い大幹線が、旧美濃路とは、信じられないけれど、走っていくと確かにらしき痕跡?ともいえる神社やお寺などが多いことに気付く。
いくつかある中でも最も気になるのが、誓願寺。
鎌倉幕府の祖、源頼朝公誕生の地なんだよね。
織田信長や豊臣秀吉ばかりが有名で、(しかも何故か三河出身の徳川家康を入れて「三英傑」なんて呼んでるけど・・・)意外に知られていないけれど、源頼朝はバリバリの名古屋人。
お母さんの由良御前※が熱田神宮の大宮司の娘さんだったからね。
(※2012年現在、大河ドラマ「平清盛」にて田中麗奈さん熱演中)
実際の由良御前や頼朝さんは、「どえりゃ~うみゃ~」なんて会話してたのかも?
さらに行くと熱田球場があり、すぐ隣のこんもりした山が断夫山古墳。
東海地区最大の前方後円墳で、旧美濃路よりもさらにずーっと昔の史跡だけど、その頃から人々がこの辺りで生活していた証だ。
ちょっと街道からは外れるけど、「新尾頭」の交差点を右折して100mほどのところに、「金山神社」がある。
何の変哲も無い小さな神社だけど、この辺りの「金山」という地名の由来となっている。
再び伏見通に戻って、左側の歩道を走ると、次の信号が「金山追分」だ。
道路の反対側に大きなホテル(グランコート名古屋&名古屋ボストン美術館)。
良く見ると、目の前に古い道標がある。
左折するのが佐屋街道で、美濃路はそのままさらに伏見通を走る。
この辺りで右側(東側)の歩道に渡っておこう。
で、よーく観察しながら走ってると、花壇の中に木製の小さな札が建ててあり、「古渡一里塚跡」と書いてある。(上写真)
これは中々探せないよ~。
「古渡町」の交差点を過ぎてすぐ、右斜めに分岐する道が旧美濃路。
大須商店街を横切ると、大須観音が近いけど、残念ながら街道からは少し外れている。
若宮大通りに差し掛かると、左前方に白川公園がある。
名古屋市民なら馴染みあるところで、公園内には名古屋市科学館・同美術館があるね。
そのまま直進すると、名古屋の東西の大幹線、広小路通に交わり、右側に三菱東京UFJ銀行名古屋営業部。
と言われてもやっぱり名古屋人の俺にはピンとこないんだよな~。
要するにかつての東海銀行本店!
貨幣資料館(入館無料)が併設されており、以前見学した際、東海道53次の浮世絵が展示され、意外に面白かった記憶がある。
さて、夕暮れも近そうだし、体調がまだ万全でないため、実走距離はまだ8km前後かと思うけど、この辺りで自重しておこうか。
広小路通に沿って徒歩7~8分、地下鉄伏見駅は近い。
※2014.6.20追記。
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