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コスモタイガー漂走記~熊野古道伊勢路編(8)~前編

2019-08-08 | 熊野古道伊勢路run!!


★ブログ上は2017年、名古屋ネタです★

伊勢路も遠くなりにけり。
尾鷲を過ぎると、名古屋市民的な感覚では完全に旅行。

2017年もまもなく暮れようとという年末の忙しい時期になぜか代替で平日休みとなり、天気も良好。
絶好のチャンスとばかりに家を出る。

ここまで来ると毎度の近鉄→熊野古道特急バスのルートより、「名古屋南紀高速バス」の方が便利。
名鉄バスターミナル発8:10の新宮駅前行「急行便」に乗車。
すぐに都市高速に入り、そのまま東名阪を走り、快適に南紀地区まで運んでくれる。

11時過ぎ、「尾鷲市病院前」の停留所で下車。
文字通り、尾鷲総合病院が目の前で、尾鷲駅も徒歩10分程度の場所。

一応真面目なトレーニング(笑)だからね、スタートしたら食事どころじゃない。
そもそも山の奥深くにそんな場所もない。

ってことでちょっと早いけど軽食としよう。
目の前に「おさかな市場おとと」なる食堂。
まぁ、ドライブインのようなもんだね。

中に入ると、いかにも尾鷲らしい漁船をイメージした装飾。

頼んだのはびんちょうマグロ丼。(冒頭写真)
なかなかおいしい。
小盛だけど、走る前だからちょうどいいか!

って、食レポなんかしてどーする!
そういえば旧街道ラン初の食レポなのさ。

さぁ、小腹膨らませ、コーヒーなど飲んで休憩してたら正午近くなってしまった。
ぼちぼちスタートしましょうか。

そもそも純粋に前回の続きなら、「夢古道の湯」からのスタートになるんだけどね。
それじゃ激しい山越えの前にまともな補給もできない。
少し重複しちゃうけど、前回駆け足だった尾鷲市街を再チェックするつもりで、ここをスタートにしたのさ。

とりあえず前回ルートを走るだけ。
見覚えのある何度も迷った「矢浜(やのはま)道」を案内する看板。

そして、狭路をくねくね入れば、ホンマかいな?と疑いながら通り抜けた矢浜道。
せっかくの手作り看板は電柱の死角になってしまってるのさ~。

普通の路地に出たら、またすぐに「え?」。


この矢浜道はとにかく細心の注意を払って走らないと(歩かないと)絶対迷う!
2度目なのにまた迷う。

やっと普通の生活道路に出たと思ったらなぜか一部通行止めになっていて、ますます混乱したものの、何とか矢浜道を脱出?!
そこにあるのが、「矢浜浄土宝筺塔」で、ここまで来ればホッと一息。

見覚えのあるコンビナート群の中を走れば、前回コースアウトした分岐点。
まっすぐ行けば「夢古道の湯」。
ここから右へ登って行くのが熊野古道八鬼山越え(世界遺産)で、恐怖?の案内板が建っている。

そう、恐怖だよ。
西国一の難所とされた八鬼山越え。
途中で命を落とした者も少なくなかったと言われている。

深呼吸。
目指すのは九木峠。
さぁ、行くぞ!
現代ではありがたいことに世界遺産にもなっているおかげで、100mごとに道標が整備されている。

しばらくは右にコンビナートを見ながら、稜線に沿ったのどかな舗装道。
途中、左の山の中に入るよう、指示されている。
ここからは完全なるハイキングコース&トレイルラン。

こんな年の瀬なのに、全身から汗が噴き出る。
とにかく登るだけ。
ここの石畳は江戸期のものが残っているとかで、少しは情緒も感じて…と言いたいところだけど、そんな余裕はない。

途中、籠立場。
紀州藩主や巡見使が、駕籠を止めて休憩した場所として案内されている。
乗ってる方もキツいだろうけど、真に休憩したいのは、駕籠を背負ってた人たちの方だろうさ、きっと!

登り坂が終わることはない。
木々に覆われ、日差しも届かない。
俗世間から離れてしまったかのように山の中の1本道。

クマに出没注意、なんて看板も時折見かけるが、一応リュックに鈴はつけてあるし、そもそも季節柄クマの出る時期ではないことが少しだけ救いではある。

ますます傾斜が厳しくなり、延々と続く登り坂&つづら折り。
七曲り。
そんな名前がついてるぐらいだから!

桜茶屋一里塚跡。
そういえば久しぶりの響きだ、一里塚。
残念ながら文字通り「跡」であって、こんな山の中のどこにそんなものがあったんだ?と思わされる風景だ。




古道沿いに蓮華石、烏帽子石、なんてのもあるが、写メする余裕なし。
「石なんか興味ねぇよ」と言い訳しておく。

やっと少し広いスペースにベンチもあって、ここが九木峠。
案内板とともに、大正15年作の小さな道標が残されている。




「みぎみきさとみち」「ひだりくきみち」
左の九鬼集落、あの九鬼水軍の本拠地だろうか?
興味は尽きないけれど、それじゃ大幅にコースから逸れてしまう。

ってことで、熊野古道は右ね。
そしてそれは更なる登りを意味する。

途中、ちょっと朽ちた感じのお社があり「荒神堂」というらしい。

さらに進むと、やっと登り切った!
ここが九木峠の頂上らしく、かつては三軒茶屋と称する茶屋があったとされている。

展望台のようになってるんだけどね、周囲の木々が伸びきっており、残念ながら見通しは全く利かない。

ここからはやっと下り。
二手に分岐しており、江戸道と明治道でどちらも熊野古道には違いない。

旧街道runのコンセプトを思って、ここは「江戸道」を選択、左の道を降りる。
得意の下りを軽やかに…、と言いたいところだけど、こんな感じ。
重い軽いを言ってるレベルじゃない(笑)

熊どころか人の気配もない平日日中の山の中。
聞こえてくるのは自分の足音だけ。

十五郎茶屋跡。

ここも現代では簡易ベンチが設置されているのみで、お茶なんか飲めません。

明治道と合流し、さらに下り続けると、右手に小さな川(沓川)が寄り添う形になり、橋の手前のY字路を左へ。
すぐに「名柄一里塚跡」。
さっきの桜茶屋一里塚から4kmしか走ってないんだね…、悲しくなってくる。

やっと広がりのある風景になってきた。
集落が近いのかな?

途中から舗装路になり、集落に入り、JRの踏切を渡る。
「三木里」集落だ。

国道311にぶつかった。
今まで走ってきた道が道だけに、片側1車線が映えて見える。
ここで左折し、ちょっとの間国道そのままが熊野古道らしいけれど。

それより何より道路の向こう側は海!
綺麗!
三木里ビーチ、なんて名前が付いているらしい。


しばし立ち尽くしたい心境だけど、トレーニングが成立しなくなってしまう(・_・;)
ってことで国道にすぐに戻り、そのまま国道run。

沓川を小さな橋で渡ってすぐ、左の堤防沿いの道を行くのが正解らしい。

潮風を感じる堤防道路をこのまま…、と言いたいところだけど、右手の階段を下りて最初の路地に入る。
集落の中の静かな住宅街、何だか邪魔してるみたいで申し訳なく走り抜ける。

信号のない横断歩道で国311を横断。
路地同士が重なり、T字路になっているから、右折して坂道を駆け上がる。
矢浜道を思い出してしまう。
とにかく狭路が入り組んでてややこしいが、登りきったところは猟師町らしい静かな街並みとなる。

400m弱、T字路で行き止まり。
ここを左折し、いったん国道に出る。

角には「油屋民宿」。
こんな鄙びた民宿にも泊まってみたいなぁ。

またまた目の前は海。
しばらく国道を走り、八十川橋を渡る。

実はこの橋の手前から右折している県道159を進めば、JR紀勢本線「三木里」駅は近く、徒歩でも10分かからない。
というより、尾鷲市内からなら、ここでいったん区切るのが普通のハイキングコース。
いわゆる一般向。

そりゃそうだよ、西国一の八鬼山越えを終えたんだから!
しかもこの先連続して2つの峠越えがあるからね~

が!
健脚者?のHPのいくつかはそのまま古道を進んでる。

健脚者を上回る(多分…)自分も迷わずこのまま進むのだ!
トレーニングだよ、トレーニング!。

橋を渡り切り、そのまま国道沿いに走るコスモタイガー。
至福の時間はまだまだ終わらない。

(後編へ続く)

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2 コメント

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山の中をランニング (ウォーク更家)
2019-08-30 14:11:53
名古屋から南紀・熊野へは、高速特急バスを利用すると意外と便利そうですね。

世界遺産になると100メートル毎に道標が整備されるというのは、世界遺産のメリット大ですね。

そうなんですよね、街道歩きも、1番の問題は、途中に食事処がなかなかないので、昼食抜きになるケースが多いことなんですよね。

そうですか、手作り看板が電柱の死角ですか。
私も、同じ様に、街道歩きで見過ごして、何時間もかけて引き返したことがありました・・・

そうですね、たまには、こんな写真の様な鄙びた民宿にも泊まってみたいです。
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更家様 (コスモタイガー)
2019-09-06 10:14:36
返信遅くなりすみません。
名古屋~尾鷲・熊野間は、大雑把な流れとして、①JR(紀勢本線)利用、②近鉄で松阪まで→路線バス熊野古道ライン(三重交通)利用、③名古屋から熊野古道特急バス(三重交通)、になりますかね。
ただし、いずれも本数が限られているため、事前のリサーチは重要です!
もっとも快適なのは③ですが、高速道経由の「特急」のため、停留所が限定されます。
この3つを自分の訪問するコースに合わせて組み合わせる形になりますね。

熊野古道伊勢路は、世界遺産になったおかげで案内板も整備されてありがたい限りですが、なにせ大半が激しく山の中のため、昼食には困りますね~。
走ってる間は気になりませんが、ゴール後も「秘境駅」状態のため、なかなか食べ物にありつけません。
自分は「走り」なので無理ですが、更家さんのように歩かれる方には、スタート前に弁当やお菓子などを用意しておくことをお奨めします。
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