With the I Ching

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前回の補足。予言と星の影響の性質について

2008-08-02 08:43:33 | 占星術


いたずらに恐怖感を煽るようなことは書きたくないのですが、もうしばらくすると、この配置にT火星やT土星も90度の角度をもって加わってきます。T火星はすぐで、8月5~6日ごろにジャスト。T土星は8月の半ば頃から掛かり始め、切迫した影響を与え出すのは9月12~13日頃。

ただ、T土星もT天王星も逆行して一度引きますが、またタイト(ピッタリ)なポジションにやってくるので、来年の冬~春辺りにはより強い影響が出るかもしれません。注意が必要ですね。(だいたい1月から2月にかけて。特に2009年1月26日の新月図は、6ハウスにあるN土星&N冥王星とT太陽&T月が180度の位置に来る上(今回と真逆)、T太陽&T月がN天王星に135度+N火星と90度、T土星はN土星に45度などハード(鋭角的)なアスペクトが多く見られる。こういう時の木星の関与は悪い影響に加担する(冗長させる)ことがある)


これは前回の文章からの抜粋ですが、こういうことを書くと「ブラジルの預言者ジュセリーノさんの予言と同じじゃないか」と言い出す人がいそうですね。僕もジュセリーノさんの本は持ってます、一応。でも、だからといって鵜呑みにしているわけではありません。

というより、大々的に公表された予言は基本的に外れる、というのがセオリーです。
なぜなら、「秘密の原理」とでもいうようなことから外れてしまうためです。

「秘密」あるいは「小数の限られた人にだけ伝えられる」話(技術)というのは、<外部に情報が漏れない>また、<外部から阻止しようとする力(物理的な力だけでなく、相殺する情報や意志・思考も含めて)を受けない>という点において意味があります。

しかし、それが公にされ浸透し、大勢の知るところとなると、そのデータが持つエネルギーは拡散され、また否定されて希薄となります。そして時期や場所がずれるか、最終的に全く当たらなくなる(データが別のものに上書きされる)のです。

これは、何かを伝える際に<秘伝>として扱う理屈と同じです。
誰もが知ってしまったら影響力が薄れてしまうか、当初の想定からは異なる結果になることを理解していた先人は、あえて秘密にして伝えてきました。もしくは、解読の難しい象徴体系を用いて暗号化することで伝えようとしたのです。

そうすることによって、特定の集中化された力を保持できるからですが、一子相伝みたいな伝承系では、そうしなければ十分な質と耐性をもった内容を後世に残せないと考えたわけです。そして実際にそのように繰り返されてきた。

現代でも、何らかの独自技術とか企業秘密のようなものをオープンにした場合、それまで利益を生み出していたものは誰もが自由に活用できるものとして普遍化され、すぐに個人的(限定的)な秘密としての意味を成さなくなります。

地震や災害の予言の場合は個人の利益云々ではありませんが、そうした災いをもたらす結晶化されつつある力(因縁)が別の集中的な意思や祈り(物理で言う力積の精神エネルギー版みたいなもの)によって解きほぐされれば=外部からの抵抗・摩擦によって相殺されれば、

1.発生時期が変わる
2.本来の力が弱められるか失なわれる
3.エネルギーが別の方向性を持つようになる

という風に状態変化します。

これを端的に言えば、「外れて欲しい(回避したい)予言は大々的に公表するのが良い」ということになります。(大勢の人の意向によって軌道修正あるいは訂正・削除を手伝ってもらうことができるから。)

重要なことなので繰り返しますが、個人的に予言をして、かつ外部に知られない形で個人および上層部など一部の人に示唆・警告するときは、その予言は意味(力)を持ちます。一方、世間一般に公表されて世に知れ渡るようになると、そこで抵抗や摩擦を受け、次第に予言や警告としての意味はなさなくなっていきます。

占星術も、この世界や宇宙を構成する「星(生命)の意志」ともいうようなものをシンボル化して読み取っていきますが、それをごく少数の人に話している間は、かなりの実効力を持ちます。

しかし、それを予言として一般公開すると、純粋に収斂されていたエネルギーは拡散していき、時に思わしくない予言は集団的な意志によって否定され、さらには努力によって改善されます。そして人々の潜在意識(集合意識)が変化することで因縁的な現象も姿を変えてゆくのです。

前回僕が書いた内容(星の配置による読解)はジュセリーノさんの言っていることと通じていますが、こうした理由で、おそらく予言は外れるか、別の時期に持ち越されるかするでしょう。そのために広く一般に公表しているのでしょうから。

しかし、もし予言どおりの時期と場所に地震災害が起きた場合、それはある意味で人々が変化を切に望まなかった=今のままで良いと考え、懲りずに惰性で過ごしてきた結果、ということなのかもしれません。

なお、「別の時期に持ち越されるかする」というのは、あまりにも確定的な未来の場合、条件がそろうまで時期が前後してズレ込むことはあっても、「何か」が起きるという現象それ自体は変化しない確率が高い、ということです。その点は注意しなければなりません。

たとえば、東海地震は科学的(地質学的)にも数十年以内には必ず起きるとされており、その時期がいつになるにせよ避けることはできないと明言されています。

こういう場合、時期の特定に躍起になることよりも、いつ来ても(それこそ明日に来ても)おかしくないのなら、今の内に対策と準備をするのが賢明に違いありません。(まあ、いつも神経を張り詰めて緊張しているのは無理ですが、今の内にできることをやって予測される危険を軽減しておくことは大切だと思います。)

占星術の世界でも、明らかに何か起きそうだという星の配置を発見して騒ぎ立てるケースがありますが、たいていその時は不発に終わって恥ずかしい思いをします。

ただ、その後の時代の流れや世界の動きを観察していくと、予言の内容自体は間違っていなかったが時期を見誤っていたとか、内容が状態変化して別の現われ方をしていたとか、関連する出来事は起きたが肝心の本筋の解釈が正しくなかった、といったことも起こります。

夢であれ、お告げであれ、占いであれ、誰かの本であれ、100%確実ということはありえません。また、シンボルに対する解釈や見たヴィジョンの意味の理解度も精度に反映されます。しかし、いずれであっても丸ごと鵜呑みにすることは危険ですし、その内容にとらわれないことが重要だと思います。

占星術にも、「星は誘えど、強制はしない」という格言があります。

中世の哲学者トマス・アクィナスという方の言葉だそうですが、僕もその通りだと思います。星の占星術的影響力や象徴体系の力は疑いようもありませんが、それは絶対的な従属を迫るようなものではないし、ある特定の事柄(運命)に縛り付けるようなものでもありません。

僕達は、選択肢のない未来など存在しないということを知っている。
僕達は、今この時の集積が未来を形作っていることを分かっている。

そして人生の自由度の幅を決定するのは、他ならぬ自分自身だということも。。。



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