With the I Ching

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十二直の原理と、その意味について

2022-04-15 13:26:25 | 暦(旧暦、節気、十二直など)
古来より続く暦注の一つとして知られる十二直(じゅうにちょく)について、今日は少し書いてみます。

以前にも一度、似たような記事を書いたことがあるので、いわばその続きです。
そのときは十二直の仕組みと簡単な説明程度でしたが、今回は解釈に関してもう少し突っ込んだ話をしようと思います。

◎ベースは12だけれど実際には36種

十二直のおおもとの思想として北斗七星と季節(十二支月)の関係が説明されることがありますが、実用上は単に十二支月と日支のみで十二直の暦が作れます。

そして次の画像やPDFをみてもらえばわかるように、要素としては「建」~「閉」の12個だけども、その実は12×3=36種あります。
多くの暦の本が出ていますが、この点に触れているものは見たことがありません。ただ、実際に暦を作ってみればすぐに気がつくことです。



節月の十二支と同じ十二支の日のときに「建1」となり、そこから「閉」までを2巡または3巡する形で構成されます。

例えば建の場合、1巡目の「建1」と、2巡目の「建13」と、3巡目の「建25」があるというわけです。同様に、他も3つのバージョンがあり、それぞれ意味合いが違うと考えると解釈も多彩になります。

12直36種の考察(簡易)」(PDF:0.7MB)
※2024年6月6日:3に素数を表す色が付いていなかったのを修正した

以下、この「12直36種の考察(簡易).pdf」内のテキストを紹介します。
まだ自分としても研究途上で、さらに事例研究を重ねるなかで解釈も変わってくると思いますが、とりあえず現在の考えをキーワード的に載せておきます。興味ある人の参考になれば幸いです。

なお、古来は平気法(恒気法や常気法ともいう)で十二直の暦も作られていましたが、実践的には現代の天文学的計算に基づく定気法を用いるのでよいと僕は考えています。

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"建:たつ(1・13・25)" 
樹立・先陣を切る

【1】 単純な始動・起点。スタート。起爆剤としての動機や衝動。意志やテーマを強く押し出す。誰もしていないことをする。業界初。新用語。

【13】 一度経験した後で伸ばしたいことに特化する。失敗を糧にする。早合点の反省。人と違うことを気にせず取り組む。一国一城の孤高性。

【25】 人に頼らず何でも自分でやる「自家発電」的な自立を目指す。また、そのための整理整頓。ゲーム性の高さ。

"除:のぞく(2・14・26)" 
対向・抽出・障害の排除や除去

【2】 作用反作用。アクションに対する周囲からの反応と、それへの対処。出鼻を挫かれる現象(否定・批判)と、その克服。分割。

【14】 受け入れてもらうために特化しすぎたことを丸める。尖った見方や言動の修正。問題や障害の排除・中和・治療。

【26】 選抜、限定。真価を問う耐久テスト。目標を絞る。照準を合わせる。プレッシャーをはね除ける精神力と経験の醸成。選ばれた人々。

"満:みつ(3・15・27)" 
行動力・欲求を満たす・促進・ポジティブ

【3】 行動する意義と喜びを知る。まずはやってみる。動くなかでアイデアや活力が湧き、可能性が広がる。創造力。

【15】 最大限の反応(評価)を呼び込み、意欲を満たす。チャンス(タイミング)を生かす。強い影響力を持つ。満場一致。啓発。

【27】 完成度や満足度を上げる努力。さらなる高みを目指す。最も重要な部分を伸ばす。醸成された成果の収穫。

"平:たいら(4・16・28)" 
土台・足場(立脚点)・安心安全な場

【4】 冷静に状況把握し、基礎土台を見直す。個人的観点からグループ的観点への転換。地元密着・地産地消。家・土地・拠点。

【16】 葛藤や心情的複雑さを受け入れ(自己分析)、今までとは違う自分の片鱗を知る。弱点に向き合い始める。

【28】 現状に飽きたり行き詰まった結果として新たな地平を求める。次の展開への糸口(足がかり)を見つける。これまでの生活からの脱却。

"定:さだん/さだむ(5・17・29)" 
決定・決行・決断に伴う悩み

【5】 方向性を決める。試み。新展開への期待やトキメキ。勢いで無茶しがち。エンタメ。きっかけ。失言・噂・誤解(思い込み)に注意。

【17】 崩れたバランスを立て直す。困窮改善への一歩。ポジティブにとらえて積極的に取り組む。エンタメや希望を提供。合併で再生。

【29】 進路選択のための比較検討・苦慮。決断内容の正否で結果の良し悪しが如実に変わる。

"執:とる(6・18・30)" 
実行力・執行・対応

【6】 必要に応じるサービス精神&対応力。正当化の論拠・法的根拠・覚書・書簡・出典。責任の所在。

【18】 分析や観察するなかで次の手を考える。探索。研究と応用。土着の文化や宗教との関わり。技術の利用と制限。

【30】 いい面も悪い面も含めて行動。内外への発表。記者会見。世間に知れ渡る(ニュースになる)。認知・露呈・見せしめ。

"破:やぶる(7・19・31)" 
挑戦・衝突・新展開・記録更新

【7】 壁やストレスなどを題材にする。相手の牙城を崩す・揺るがす。買収(計画)。戦う力。

【19】 新天地を目指して開拓する。型を破る。今までにないものを生み出す。意外性。虚を衝く。

【31】 現状を打破して新たな地平を開く。アイデアや賭け事、人間関係で人生を変えたい心理。変身願望。理想と現実のギャップを埋める試み。

"危:あやぶ(8・20・32)" 
苦境を乗り越える力(克服力)・危機管理

【8】 問題認識とその対処を通じた行動修正。管理・保全。セキュリティの強化。危機回避。退避・避難。亡命。

【20】 言い訳せず普段の力を発揮する・経験を活かす。仲間と共に同じ理念の実現を目指す。

【32】 慎重さを維持しつつ冒険を続ける。名誉挽回、汚名返上。歩調を合わせる。取り決め・取りまとめ。秩序形成の必要性。

"成:なる(9・21・33)" 
目標・理想・実現力

【9】 何に賛同し力を注ぐか。志向性。立ち位置の表明(どうしたいのかをはっきりさせる)。

【21】 目的意識の高さとやり過ぎ感。団体競技のように熱く戦う傾向。相互または全体の目標を定める。

【33】 その身で示して憧れの的になる。責任を全うすることの大事さと大変さ。困難にめげない強さを持つこと。

"納・収:おさん/おさむ(10・22・34)" 
納品・取得・編入・引き入れ

【10】 完成品を納める。販売や公開できるレベルにする努力。出来次第で出したり引っ込めたり。アピール。

【22】 各々に見合った着地点を見つける。その時々に必要なことに気づいて行う。「時の人」を見つける。適材適所。

【34】 通例を壊してでも納得のものを。理想と現実を行き来しバランス点を探る。対立や感情的問題を利用して落とし所を見つける。

"開:ひらく(11・23・35)" 
公開・展開・開催・新興勢力

【11】 意志をオープンにする。ネットワークを作る。連携協力。共通の理想。共同・協同・協働。仲間を装う。開戦。

【23】 自由自在に融通性をもって動く。自由・平等・独立・自立の希求。権利を阻害する行為の禁止と対策。危険からの解放。

【35】 一緒に困難を克服することで仲間意識を育む。お互いを繋ぐ力(絆)。電話やインターネット。開通。

"閉:とず(12・24・36)" 
内輪性・引きこもり・囲い込み・結束(グループ)

【12】 閉鎖性と可能性の探求。マニアックさ。グループでの活動。

【24】 視野が狭くなるほどに好きなことを追求。理想の深みにはまる。内輪優先思想。空想・想念・概念の探求。

【36】 全体的なまとまりを意識して総括。排除したいことの封じ込め。不正隠蔽に対する抗議や知る権利の行使。

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解釈に関して。

十二直の基本は1~12なので、そこから派生して36までの範囲で構成される術理であれば、占星術や数秘術など他の占術との意味の対応を考えることはできると思います。

主として数字の原理的な意味を参考にできると考えていますが、そうかといって姓名判断での81数やアルファベットの解釈など、そもそもの枠組みが異なるものを持ち込むのは避けたほうがよいです。占術の構成が違えば、その意味合いも異なるからです。

また、この数字は吉でこの数字は凶といった単純な見方もやめたほうがよいと思います。それよりも意味をよく考えて、どういった行動がふさわしいのかを見つけるほうがはるかに有意義です。

例えば8つめの「危(あやぶ)」は字面からして恐ろしく思えますが、別に凶日だと言っているわけではありません。むしろ問題を意識させて対処法を講じることに主眼があります。

その意味では「危」は「克服力を培う日」といってもいいでしょう。注意喚起や報連相などの確認をしっかり行う。そうした危機意識があることで無難に過ごせるということを学ぶ日と考えたらいいのではないでしょうか。

あと、十二直は月と日の十二支の関係なので、例えば寅月寅日の建と、午月午日の建とでは四柱推命的な意味で意味が異なるでしょう。こういった点も考慮するなら、より多様な見方ができるはずです。



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