前回、植物に関する海外記事を翻訳しましたが(植物は思考するのか?(全文翻訳))、
今回は現代物理学の量子に関する記事を訳しました。
比較的短い文章ですが、内容的に難しいところもあって上手く訳せたか少し自信がありません。
原文が読める方はリンクを辿ってください。訳は参考程度に。
なお、(※)としてあるのは訳者注です。原文にはありません。
量子コンピュータっていうと、6月の初め頃に読んでいた「神様のパラドックス」(機本伸司=著)が思い出されます。
それ以前から、そういう研究が行われていることは知っていましたが、こうした記事があると、幾らか現実的になってきているのかなーと感じます。
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http://www.wakingtimes.com/2012/06/26/quantum-researchers-able-to-stop-and-restart-light/
Quantum Researchers Able to Stop and Restart Light - Waking Times : Waking Times
June 26, 2012 | By admin |
量子研究者は、光を止めて、再び動かすことができます
Waking Times
アインシュタインの意思を拒む二つの独立した実験において、研究者らは光線を停止させ、それから再始動することができるようになりました。
通常、光は秒速186,282マイル(※299791.819km/s)の速度で移動しますが、レネ・ハウ(ハーバード大学の物理学教授)の研究チーム(1999年に光を時速38マイル(※61.155km/h)にまで減速できていました)は、絶対零度近くにまで超冷却したナトリウム原子の雲の中で光を捕らえることができるようになっています。
“それは見事なものですよ。チェンバーの中を調べて、極低温の原子の一群がそこに浮いているのを見るのは”、ハウは述べます。“この奇妙な状態で、光はより人間の次元の性質を帯びるようになるのです;ほとんど光に触れられそうなくらいにね。”[1]
ある独立した実験で、ハーバード大学 宇宙物理学(CfA)スミスソニアン・センターのロナルド・ワルスワースとミハイル・ルーキンによって、もっと簡単なアプローチ法が試みられました。
彼らはルビジウムとヘリウムのガスの密雲を通してレーザービームを放射しました(ルビジウムの固さや天然の形は、軟質、銀白金属です)。光は原子から原子へと跳ね返り、停止するまで徐々に減速していきます。超真空または極低温である必要はありませんでした。事実、光が停止したチェンバーでは、温度は華氏176度(※摂氏80度)だったのです。[1]
両方の実験はほぼ同一の事柄を成し遂げていますが、CfAの実験では、研究者は入射光の約半分しか格納することができず、また蓄積時間はハウの実験の約半分でした。
両方の機械を、単に光だけでなく情報も制御する高度な電灯のスイッチとして考えてみましょう。入射光は、変化やその周波数の変調、振幅、位相による圧縮された情報を運びます。光が停止した時、その情報は蓄えられます。ちょうどコンピュータの電子メモリに情報が蓄えられるように。情報にアクセスするには、制御レーザーをオンします。すると情報が外に出てきます。[1]
注目すべきことに、科学者たちはこの研究の意味合いと実用性について、やや確信を欠いています。
“私たちは素晴らしいものを期待します”と、CfAの“ストップライト”プロジェクトに従事していたデイヴィッド・フィリップス氏は語ります。“私たちの想像性は、まだ可能性があることを理解していませんでした。”[1]
しかしながら、このような実験を用いることの明確な意味合いは、コンピュータの速度の究極的な向上にあるように見えます。潜在的には、バイナリ・コンピューティング(二進法演算)から、データのクォンタム・エンコーディング(量子符号化)へとシフトするための可能性を作り出しています。
これらのいわゆる量子効果によって操作されるコンピュータは、今日利用されているものよりも遥かに能率的です。あるいは製図版上でさえも。(“量子”は原子のエネルギー準位における変化を照会します。)今日の機械はビットで情報を描画しています。電子的な0と1の組み合わせです。原子の量子状態によって表されるビットは、とても、とても多くの情報をもたらすことができます。立方インチ用立方インチ、量子コンピュータは、在来型で最高のスーパーコンピュータを阻害してきた問題に果敢に挑むことができます。例えば、多くの演算を同時に実行することができます。[1]
卓越した物理学者であるアルバート・アインシュタインは、光が秒速186,282マイルよりも速い速度で走行することは不可能であるという理論を立てました。そして今回の事例では、彼が間違っていることは依然として証明されていません。
以下の驚くべきハウの研究映像のビデオを観てください。
レナ・ハウのレーザー実験
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=RIc5llW66sU
この記事に対する出典には、次のものを含みます:
[1] www.news.harvard.edu
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- translation by CI
Lena Hau's laser experiments
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