With the I Ching

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2008年8月31日~9月28日まで(新月図)

2008-08-31 23:29:04 | 占星術

今日(8月31日)は新月の日です。

それは同時に、今日から旧暦月も変わって旧暦8月に入ったということです。
(旧暦月は、新月(朔)の瞬間を含む日を旧暦1日とします。参照リンク:「朔望月」)

そんなわけで先月同様、今回も新月図も出しておこうと思います。



新月の周期は平均で29.53059日ですので、概ね29日~30日ほどで巡ります。
これを元に旧暦、正確には太陰太陽暦が作られることになります。
(実際の旧暦の作成手順はちょっと複雑なのですが。)

今回の新月図の影響範囲は8月31日~9月28日までの29日間です。
言い換えれば新月図は、旧暦月に対応した月の運勢を知ることができる方法なのです。

ということで、今日はこの新月図を使って来月末までの国の運勢を読んでみようと思います。場所は東京(日本の首都)で作成していますが、これを例えば北京とかワシントンとかパリとかにして、その地方時に合わせれば、その国の月運を考えることができます。

なお、これには二つの方法があります。
一般的な事象を読むには新月図をそのまま読みますが、ヨーロッパなど地域的に近いところに密集しているような国の場合、本国と周辺国とが似たような配置図になってしまって、個々の差異がハッキリしません。

そのため、より個人的もしくは一つの国に対する影響力を考えたい時は、各個人および各国のホロスコープと重ねます。そうすることで独自性が出て、周辺国との事象の違いを読み取ることができるようになります。

まずは、一般的な事象を読み取る目的で、素の新月図を読んでみます。
はじめに、新月つまり太陽と月の0度(コンジャクション)がどこに位置しているかを見ておきます。これによって、その場所におけるエネルギーのフォーカスポイント(焦点)を知ることができるからです。

太陽と月は土星とASCにコンジャクトする形で1ハウスにいます。
新月は、それが宿っているハウスやサインの力を活性化(新生・蘇生)させる働きがありますので、今月(旧8月)は1ハウスと「おとめ座」に関する象意に対して創造性(太陽)と変化(月)が促されることになります。

こうした兆候は、出生チャートの1ハウスに太陽や月がある人、または「おとめ座」に太陽や月がある人には特に感じられるかもしれません。この辺はまだ僕自身の研究が足りないので確証はないのですが。

そして、その太陽&月そして土星は5ハウスにある「やぎ座」の木星とトライン(120°)になっています。トラインは三角を形成するのアスペクトの一辺ですが、これは日和見的で温和な状態を好み、日常を揺るがすような大きな変化にはなりにくい意味を持っています。

特に木星が絡んでいる時は、より奔放になり関わる天体の働きを冗長させることがあります。平和的という意味では恵まれたアスペクトですが、努力とか辛抱みたいなことが苦手なため堪え性はありません。

これに天体の新陳代謝を考慮することで、もっと深い意味が分かってきます。
代謝は支配星によって読みます。サインの型としてのエネルギーを、ハウスが実際的な力に変化させるのです。サインだけだと潜在性でしかないので、どんな分野や活動にエネルギーが投影されているかがハッキリしません。ハウスはアクティビティというわけです。

で、太陽は12ハウスから、月はその前の11ハウスから来ています。そして、土星は5ハウスから、木星は4ハウスから来ています。
「来ている」というのは、要するにハウス・カスプのあるサインの「使者」みたいなものです。あるいは「旗手(代表選手)」といってもいいかも知れませんが、とにかくあるハウスのエネルギーを別のハウスに持ち込んで、そこを活動の場にすることを目的にやって来ているわけです。

新月が1ハウスに入るとき、それはその人や国にとっての何らかの新しい目覚めを促す刺激剤となります。このことは今後の行動や方向性の指針となることもあるので大切です。それが12ハウスと11ハウスから来ているので、個人的または一国としての判断よりも、信頼できる人達の意見を聞いたり、社会(世界)全体に流れている空気を感じ取って事を決めるという傾向が出てくることになります。(決めるのは最終的には自分ではありますが)

ここに土星が絡むことで現実的観点とか何らかの抑制が掛かることになりますが、このチャートからすれば、それは別に悪い方向ではないでしょう。というのもこの土星は5ハウスを支配星としていて、同時に5ハウスにある木星とトラインになっているからです。

5ハウスは、スポーツや芸能などの興行事業(楽しいこと)や投資(株式)、子供(児童)と関係しています。また木星は4ハウスの支配星なので、国の基本となること(色々あるでしょうけど)を子供に託そうとしたり、日本独自のものに対する評価が上がり、それが株価に反映されるというようなことになるのかもしれません。

もう一つ、まだ見ていない重要な要素は、1ハウスの支配星の行方です。
このチャートにおいてそれは水星なのですが、2ハウスの「てんびん座」にあって、金星とタイトに、火星とも5°の幅を持ったコンジャクション。そして、さらにその国(地方)の評価基準となるMCとトラインを結んでいます。しかも、この水星はMCの支配星でもあります。

MCおよび10ハウスは表看板としての主要な役割を担うところなので、これに関係する配合が良いと比較的周囲からの受けが良くなります。で、MCに対する主なアスペクトはこの水星と金星のトラインのみなので、この時期の日本は体裁上は良好なのではないかと思います。金星は9ハウスの支配星ですしね。(同時に3ハウスの支配星でもありますが)

ただ、ちょっと気にかかるのは、4ハウスにある冥王星が、水星・金星とMCに対して90°のスクエアと150°のクインカンクスを形成していることです。クインカンクス自体にはキツイ意味合いは無くて、何かをするために調整や訓練といった形質変化が必要になるということなのですが、スクエアやオポジションのようなハードなアスペクトの場合は、ある状況や人・関係する国に対する状態変化が求められてきます。

冥王星は3ハウスの支配星ということで、近隣諸国(中国や朝鮮)との関係がクローズアップされる可能性があります。また「さそり座」の準支配星は火星ということからも、それがASCの支配星に絡んでいるのは少し気になるところです。

ただ、3ハウスの意味としては近隣以外にも、交通機関やマスコミ、情報産業、義務教育の現場というのもあるので、それらの事柄に関して財政的な問題(2ハウス)が出てくるのかもしれません。日本のチャートと重ね合わせて読んでみないことには、この辺りのジャッジは難しいです。

これらのことを考慮して大きな視野で概観すると、このチャートには「困苦の中の喜び」みたいな妙な意味合いが感じられます。関係する相手とも立場上のギャップがありそうですが、その中で考えをまとめたり、やるべきことに意識を向けて、今後の課題の実践に向けての胎動が出てくるような気がします。事を急ぐべきではないようです。

あと、国のお偉方や企業の上層にいる方は特に失言には気をつけましょう。太田農相の件もありますが、それ以上に今からの一ヶ月は「口は災いの元」を肝に銘じたほうが良さそうですよ。


さて、ここまで素の新月図で判断してきましたが、後半は日本の始原図に被せたものも使って、もう少し特徴を探ってみたいと思います。



重ねた図で見ると、新月は7ハウスに入っていて外交や同盟国との関係が焦点化される傾向にあるようです。そしてそれは9ハウスのカスプ(境界)付近にあるN火星(2ハウスの支配星)とセクスタイル(60°)になっているので、対外的に日本と強い繋がりのある外国との貿易や物資・財政的援助に関する業種に活力が必要になってきそうです。

1ハウスに目を移すと、相変わらずT海王星とTノードがASCの上空にあります。
現在、土星を除く木星以遠の惑星はみな逆行していますので、この新月図にもそれが反映されています。9月も初旬を過ぎれば、天王星と海王星以外は順行していきますが、海王星は11月の頭まではずっと逆行し続けるため、ずっとASC付近に留まることになります。

木星が順行に転じるのとほぼ同時期に、冥王星も順行し始め、再び「やぎ座」に向けて進みだします。以前にも冥王星のイングレス(進入)についての記事は書いたので重複を避けます。関心のある方は「逆行天体についての補足とか」を参照して下さい。

そういえば、水星の逆行が9月末から10月半ばまであります。

2008年09月24日 逆行開始
2008年10月17日 順行開始

この時期に行われる事柄には、コミュニケーション不全がおきやすいので、送受信する情報の確認を怠らないようにしましょう。(詳細は「水星の逆行時期」を参照のこと)

冥王星は11ハウスのカスプ付近に来ていて、国連とか友好国との関係、それから政治資金や政党(派閥・クラブ)、国会や議会のあり方、国会議員などの役人の選出方式(選挙)、同業者の横の繋がり、労働組合といった事柄に根底的な変革がおきやすくなっています。

同業者が結束して国のトップに(労働者が結束して会社のトップに)抗議するという図式も、これに当てはまります。一斉休業のような形が11ハウスの冥王星のなせる業です。理解を共有する者達と改善行動を一緒に行う。・・・冥王星なので転覆行動という感じかもしれませんが。

また、現在の日本はT天王星とN天王星がスクエアの関係にあって、一つの国としての節目の時期にあります。およそ7年毎に訪れる配合ですが、今はこれに土星との135°も加わって、国民の生活環境の変化を促す動きに鋭角さが表れやすくなっています。つまり、急いで解決しなければならない問題が目前にある、あるいは今それに直面している、ということを示しているのだと思います。

今月に限って言えば、行き急ぐのは良くなさそうですが、緊急課題に上がっている案件も多いと思うので、関係者は適確に対処していかなければなりません。なんたって、この天王星はASCの支配星であり、国民や国それ自体の健康度を示すものだからです。

良い変化をもたらすためには、一人ひとりの考え方の転換と、問題(懸案事項)に対する正確な認識が必要です。身近なところで変化が起きはじめれば、やがて火が燃え広がるように大きな流れとなって社会や国の活動に影響を与えていくでしょう。

どの道、国の上の方に居座って“のらりくらり”としている人を当てにすることなどできないのですから・・・。



最後に補足です。

国の運勢を読む方法では、四季図や新月・満月図などの他、日蝕・月食図を用いるケースもありますが、それぞれ適用範囲や意味が異なってくるので、それぞれに合った用い方をすれば良いと思います。

例えば、新月図で一ヶ月の運勢を読むことができるように、春分図は一年の運勢を、また日蝕や月食図はそれが次に起こるまでの間の運勢を示す、というわけです。さらには惑星(天体)のサインへの進入や逆行を用いるというのも一つの手法としてよく用いられます。

個人的には、春分図の代わりに旧暦における正月(旧暦1月1日の瞬間)を考えたりもしますし、東洋占術では春分図ではなく冬至図(冬至の瞬間)の盤を作成して読解する方も多いでしょう。それぞれで見やすい窓なり、入りやすいドアがあると思うので、自分が読みやすい(理解しやすい)ところから裾野を広げていけばいいのではないかと思っています。


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もっと簡単に書くつもりだったんですが、終わってみればかなり長くなってしまいました。
読んでくださった方、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした~



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