2月23日、福岡地方裁判所は、Tさんの遺族による日鉄鉱業に対する損害賠償請求訴訟の判決を言い渡しました。判決は、当然、日鉄鉱業の責任を断罪し、これで日鉄鉱業はじん肺訴訟41連敗(うち13回は最高裁の判決、決定)となりました。
この訴訟は、Tさんが西日本石炭じん肺第3次訴訟の原告として最高裁まで訴訟を続け、いったんは勝訴が確定して訴訟が終わった後に、再び提訴した訴訟です。Tさんは、福岡高等裁判所の口頭弁論終結後に亡くなり、遺族が死亡による損害の賠償を求めて、再度提訴することになったのです。日鉄鉱業の判決で責任を認められながら、謝罪も反省もない態度に、遺族はたいへんな怒りを持って提訴を行いました。
本日、裁判所も、きちんと遺族の思いに応える判決を言い渡しました。
この裁判はたいへんな重みを持つと考えております。
この訴訟のような二度目の訴訟、判決は、じん肺訴訟ではもちろん、他の健康被害についての紛争を見ても、ほかに例を見ないのではないのでしょうか。敗訴を続ける日鉄鉱業のおろかさをなによりも明らかにしています。日鉄鉱業が、じん肺被害に対して、謝罪をし、今後のじん肺防止の誓約を行い、じん肺問題を全面解決しなければ、紛争はいっこうに解決しないことがますます明らかになりました。日鉄鉱業の謝罪をしない、反省をしないという態度が、いかに患者、遺族の悔しさを募らせ、解決を阻害するのかについて、日鉄鉱業は充分に思いを致すべきです。
日鉄鉱業は、早期に和解による解決を行い、謝罪を行うべきです。特にTさんに対しては、生前に解決ができなかったことを、充分に反省し、謝罪すべきです。
私たちは日鉄鉱業が謝罪、じん肺防止の誓約、和解による解決を行うよう、訴訟と運動を続けていこうと、改めて決意しております。