2021年(第32回)なくせじん肺全国キャラバン =長崎実行委員会便り・第2号(長崎市・県医師会要請)=
2021.10.15 実行委員会事務局
<長崎市要請行動>
10月14日午前10時から長崎市要請を行いました。長崎市にはあらかじめ7項目の要請提案をしており、各課から事前文書回答をもらいました。市からは環境部長、建築部長、商工部長、市民健康部理事、南総合事務所長をはじめ、関係課から11人が応対しました。キャラバン実行委員会からは横山巖代表世話人をはじめ11団体13人が参加しました。
最初に、市職員が野母崎運動公園の建築解体に伴うアスベスト調査で虚偽報告した問題で、市のアスベストに対する姿勢を問いました。南総合事務所長は「解体前にアスベストの確認作業を行わなければならなかったにもかかわらず、工事の進行に遅れが出ていたことで、手続きをせずに虚偽申告を行った」「地域整備課が申告の食い違いに気づき石綿の飛散は防ぐことができた」「工事全体の進行状況把握ができていなかったことが今回のケースを起こしてしまった要因」「今後は業務管理の徹底を行う」と述べ謝罪をしました。キャラバン側は「アスベスト被害が出ずに安堵もしたが、市民はアスベスト自体の認識がないので、各世帯にアスベスト被害の周知や各家での検出検査ができるようにしてもらいたい」と要望しました。
携帯型アスベストアナライザーの配備に対して、長崎市は「購入検討はしていない」と回答していますが、鹿児島市などが総合給付金制度を活用し含有検査ができる体制をとったことを伝え、今後長崎の石綿被害を減少させるためにもアナライザーの配備も含め未然に石綿被害を防ぐ体制を取るよう再度要請しました。
長崎市は、把握しているアスベスト対策未実施への対策について、具体的な対策を提示していくと回答しました。また参加者からは、市職員にもアスベスト診断士資格を持った職員の配置が必要ではないかと問題提起もされました。
三菱長船じん肺第3・4陣訴訟の早期解決を三菱重工㈱に対し要請してもらいたいとの要望には「裁判の行方を見守っていきたい」との回答。三菱長船で長年就労した参加者からは「三菱長船による石綿被害は累計228人だが、実際はこの数よりも多くの被害者がいる。市は石綿被害防止に向けた活動を広く取り組み、働きやすい環境をつくってもらいたい」と要望しました。
<長崎県医師会要請行動>
14日午後3時30分から長崎県医師会に要請を行いました。
要請には実行委員会から4団体(じん肺・アスベスト根絶三菱長船の会、三菱長船じん肺患者会、民医連、建交労)5人が参加しました。医師会からは牟田幹久常任理事(医師)、藤田成裕常任理事(医師)が応対しました。
県医師会には、じん肺・アスベスト患者への対応や問診の徹底についても申し入れました。医師会の中でも「石綿肺」の認知・把握など薄れてきている現状があるが、産業医だけでなく、若い医師にも「アスベスト被害」の現状や症状も伝えていくようにしていきたいと回答。医学生には講義の中で、扱われているとの回答でした。
昨年はコロナウイルス感染防止対策もありインフルエンザが流行せずにいたが、今年はワクチンの予約数が少ない状況であると説明。じん肺患者の方々には予約をしてもらうことで優先的接種の協力もできるということを強調されました。
粉じん作業者の間質性肺炎は、粉じん暴露時間や現場などの関連性も踏まえ、学問的に研究して明確にしていく必要性があることも説明していただきました。二人の医師は、診療時間を割いて参加され、改めて感謝いたします。
解散総選挙となり、あわただしい状況になってまいりました。国会請願署名につきましては引き続き取り組みをお願いいたします。集まっている署名につきましては、事務局までお送りいただければ助かります。長崎市内につきましては、ご連絡いただければ取りに伺います。