建交労長崎県本部

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石綿肺労災不支給取り消し川名訴訟控訴審が結審 3月19日判決へ

2014年01月28日 21時41分19秒 | 活動報告

 石綿肺労災不支給取消川名訴訟の第3回控訴審弁論が1月28日、福岡高裁宮崎支部(田中哲郎裁判長)で開廷され、原告側はあらためてじん肺・石綿肺の権威である疫学リサーチセンターの海老原勇医師の証人採用を再度求めましたが、採用されず結審となり、判決は3月19日午後3時に言い渡されることになりました。
進行協議で胸膜プラークの画像説明おこなう
 この日の裁判前には進行協議がおこなわれ、原告弁護団が裁判官に故川名國男さんが死亡(平成18年8月10日)する2年3か月前に撮影されたレントゲン写真には、既に石綿肺にり患していたことを証明する胸膜プラークがあることを説明しました。
 これは、12月12日の第2回控訴審弁論で原告弁護団が、海老原医師の証人尋問を要求しましたが裁判所が採用しなかったため、進行協議の場で画像を見せながら説明することになったものです。国側も医師ではない代理人が反論の画像説明を行いましたが、「脂肪による陰影」「血管による陰影」を繰り返しました。
説明を受けた裁判官は、「わかりやすかった」と感想を述べています。
「血管炎の基礎に石綿肺があったこと」は明白
 故國男さんの死亡原因を国側や原審判決は、「顕微鏡的多発血管炎」と述べていますが、明らかに石綿肺が基礎にあり血管炎は後に、発症したことは明白です。原審時には死亡時より2年3か月も前に撮影されたレ線は示されていませんでした。
 海老原医師は「基礎疾患である石綿肺による肺の線維化が、顕微鏡的多発血管炎発症により急激に増悪したもの」「石綿肺だけでも十分に起こりうるものであるが、本件は顕微鏡的血管炎発症により、MPO-ANCAの数値が陽性になり、間質の線維化も急激に進んだものと考えられ、それが画像上でも明らかになった」と意見書で述べています。
ご支援いただいたみなさんにあらためて感謝を表明
 裁判終了後に開催された報告集会で、原告の川名勝代さんは「苦しんで死んだ夫の無念を何としても晴らしたい。引き続きご支援をお願いします」と訴えました。この日、裁判支援に駆けつけた建交労九州支部宮崎分会と大分分会の代表が、激励のあいさつをおこないました。
勝利に向け、公正な判決を求める要請ハガキに取り組みます
 裁判の中で、故國男さんが石綿肺にり患していたことは明確に立証されました。国は、「典型的な石綿肺しか認めない」とか「高濃度ばく露がなかったから石綿肺とは言えない」とか非科学的な主張をしていますが、裁判所には被災者の立場に立った判決を強く求めます。
 建交労九州支部長崎分会は、福岡高裁宮崎支部に対し「公正な判決を求める要請ハガキ」に取り組みます。全国のみなさんのご支援ご協力をよろしくお願いします。

建交労九州支部長崎分会書記長 中里研哉